今回のテーマは、小さな子どものトイレトレーニングについて。
子どもに対する適切な“トイレ教育”が、成人後の排尿トラブルのリスクを下げるといっても過言ではありません。
そのためには、まずお母さんが“正しいオシッコの考え方”を学ぶ必要があります。
子どもに対してどのような「オシッコの考え方」を教えていますか?
実は、オシッコの悩みで泌尿器科や内科を訪れている人が年々増えてきています。
頻尿・尿漏れ(尿失禁)・排尿不快感など……排尿のトラブルはもはや「現代病」といっても過言ではありません。
なぜなら現代は
「漏らしてはいけない」
「仕事や遊びの途中でトイレに行きたくなったら困る」
「オシッコはガマンしたら健康に悪い」
といった強迫観念が強い傾向にあるからです。
そしてその源流をたどっていくと、小さい頃のお母さんの言葉に行き着くことがあります。
多くの子どもが、おむつが取れるころから「〇〇ちゃん、オシッコは大丈夫?」と夜寝る前や出かける前に言われ続けています。
ときには、「オシッコ出るまでトイレから出てきちゃだめ!」なんて、無茶なことを要求するお母さんもいるでしょう。
子どもたちは、人間社会のなかで無意識に、自然に、オシッコをするタイミングというものを学んでいくものですが、その前に「おねしょやお漏らしをしたら大変なんだ」という意識が植え付けられてしまいます。
そして「とくにいまオシッコをしたくないけど、念のためにオシッコをしておこう」という考え方が当たり前になってしまうのです。
子どものトイレのしつけがオシッコを我慢できない大人にしてしまう?
本来オシッコというのは、膀胱のキャパシティ(容量)の余裕の範囲で、行きたくなってもちょっと待ってから、都合のいいタイミングでするものです。
その感覚を覚えることが実はとても大切なのですが、「漏らしたらまずい」という意識が子どもの頃から強く刷り込まれているために、早め早めにトイレに行ってしまう習慣が当たり前になってしまうわけです。
その結果、その人は排尿時にはいつもふんばって、いきんで、頑張って、膀胱に溜まった少量の(まだ排尿しなくてもいい程度の量)オシッコを無理やり出そうとすることになってしまいます。
つまり、大人になってからも、オシッコをしてもまったく気持ちよくない「不快オシッコ」をしてしまう人生を送ることになるわけです。
そうならないためにも、子どもが小さいうちから、オシッコをガマンする訓練をしていくようにしましょう。
神楽岡泌尿器科としては、幼稚園くらいから「オシッコ教育」が必要ではないかと考えています。
100人いれば、100通りの排尿時間(タイミング)があるのが当たり前です。
きちんと溜めてからする自然の「快感オシッコ」を尊重し、それが排尿障害や疾病予防のために重要なんだという考え方が定着していれば、このような間違った「教育」はありえません。
まずはお母さんたちが、「快感オシッコ=体いい」「不快オシッコ=体に悪い」という。大人の共通理解(健康常識)が必要なのです。
子どものオシッコの悩みは神楽岡泌尿器科に!
⇒子ども好きの院長・渋谷先生はこんな人!
まとめ
北海道旭川市にある神楽岡泌尿器科は、「排尿のかかりつけ医」になることを目指し、患者本位で、気軽に緊張せずに受診していただける病院づくりを目指しています。
「オシッコのことで悩んでいる」「気持ちのいいオシッコについて知りたい」という方は、院長による無料メール相談も行っておりますので、まずはお気軽に疑問点や懸念内容をご相談ください。
病院まで来られない方々にも往診で対応可能です。患者さんご本人だけでは無くご家族の方々からのご相談にもお答えします。
【著作・メディア掲載など】
- 2014年 『「気持ちいいオシッコ」のすすめ』(現代書林)刊行
- 2016年 『現代の赤ひげ 医療最前線の名医9人』掲載
- 2016年 『週刊新潮』(10/27 号)掲載
- 2020年 『メディアあさひかわ』(4月号)掲載
- 2020年 『メディアあさひかわ』(5月号)掲載
- 2021年 『メディアあさひかわ』(5月号)掲載