健康に対する意識の高まりから健康診断や人間ドックを受ける人が増え、多くの方が「尿酸値が高い」ことを指摘されています。
いまは何の症状がなくとも尿酸値が高い状態がどんな病気や症状を引き起こすのか、数回にわたってご説明していきます。
今回は、高尿酸血症と痛風の治療についてご紹介します。
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高尿酸血症と痛風にはどんな治療をするの?
生活習慣の改善
「尿酸値が高い」と言われつと、とかくプリン体の制限にばかり目が向きがちですが、大切なのは尿酸値を上げやすい生活習慣全体を見直すことです。次の5つのポイントから、尿酸値を下げる生活習慣のコツをつかみましょう。
尿酸値が高い人の生活改善のポイント
01食事の量を抑えて、体重を落としましょう
02アルコールを減らしましょう
03水分を十分にとりましょう
04適度な有酸素運動をしましょう
05ストレスを上手に発散しましょう
01食事の量を抑えて、体重を落としましょう
肥満を解消すると、多くの人で尿酸値が下がってきます。尿酸値が高いからといって、食べてはいけないものはありません。いろいろなものを少しずつ食べて、食事全体の量(カロリー)を抑えましょう。
食事で気を付けるポイントは、次の3つです。
01適正カロリーを守りましょう
02プリン体のとりすぎに注意しましょう
食べてはいけないものはないとはいえ、プリン体を多量にとると尿酸値が上がることに違いありません。ポイントは食べる量と頻度。魚卵や内臓などのプリン体の多い食品は「たまに」「少し」楽しんでください。
03アルカリ性食品を積極的にとりましょう
尿酸値が高いと酸性になり、尿酸が溶けにくくなって尿路結石ができやすくなります。野菜、海藻、牛乳などのアルカリ性食品を積極的にとるとともに、水分を十分にとりましょう。
02アルコールを減らしましょう。
ビールにプリン体が多いというのは有名な話ですが、ビールに限らずアルコールそのものが尿酸値を上げる原因になります。プリン体の量はお酒の種類によって違いますが、たくさん飲んだら一緒です。
尿酸値の高いひとはなるべくお酒を控えましょう。
03水分を十分にとりましょう。
尿酸は尿から排泄されるため、尿の量が増えれば、体内の尿酸が体の外へ出やすくなります。心不全や腎不全で水分制限の指示を受けているような場合を除いて、一日2Lを目安に積極的に水分を摂りましょう。
04適度な有酸素運動をしましょう。
肥満の解消、尿酸値の高い人に合併しやすい生活習慣病の予防のためにも、運動することがすすめられます。ただし、激しい運動は、かえってエネルギーの燃えかすである尿酸が増え、尿酸値を上げる原因になるので要注意です。ウォーキングのような軽い有酸素運動を継続して行うのが効果的です。毎日の生活習慣に取り入れる工夫をしましょう。
05ストレスを上手に発散しましょう。
痛風になる人には、せっかちで行動的な人が多いといわれています。食事をすれば早食いに大食いで、仕事はバリバリこなし、プライベートもじっとしていない…思い当たる方はいませんか?こうしたタイプの方はストレスにさらされやすく、ストレスは尿酸値を上げるといわれています。
尿酸値を下げるためにも、ストレスを解消することが大切ですが、そのストレス発散法が飲酒や過食では、逆に尿酸値を上げる結果となってしまいます。
十分な睡眠、適度な運動など、体に優しい自分なりのストレス解消法を見つけてください。
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