じわじわ続く尿漏れの原因とは?女性に多い症状について解説

「気づいたら下着がじんわり濡れている……」

「トイレに行ったばかりなのにまた漏れてしまう……」

このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

じわじわ続く尿もれに悩む女性は多く、年齢や出産の有無に関係なく起こります。

何も対策を行わずに放っておくと、日常生活の不安やストレスにつながりやすいです。

そこで本記事では、北海道の旭川市にある「神楽岡泌尿器科」が、じわじわ続く尿もれの原因や症状について解説します。

自分でできる尿もれ対策や病院の受診の目安も含め紹介しているので、参考にしてみてください。

「じわじわ尿漏れ」は女性特有の体の変化が関係?

女性は骨盤周りが妊娠やホルモンによる影響を受けやすく、尿もれが起きやすい体となっています。

たとえば、妊娠や出産で骨盤底筋が伸びたり損傷したりすると、じわじわ尿漏れが起きてしまう状態になりやすいです。

ほかにも、更年期でエストロゲンが減ってしまうと、筋肉や粘膜が衰えやすくなるため、膀胱や尿道を支える力が低下し、じわじわ尿漏れにつながります。

また、尿道が男性より短いため、細菌や尿トラブルが起こりやすく、少しの筋力低下が漏れやすさに直結しやすいです。

「少量だから大丈夫」は危険?放置しがちな理由

少しの尿漏れであれば大丈夫と考える女性もいますが、放置してしまう状態は危険です。

少しの尿漏れでも、繰り返すほど症状は進行しやすくなります。

たとえば、骨盤底筋のゆるみが原因で尿漏れが起きていた場合、筋力の低下で漏れる頻度が増える可能性があります。

また、筋力トレーニングを行ってすぐに症状が緩和されるわけではないため、対策の遅れからさらに尿漏れが起きやすいです。

ほかにも、少しの尿漏れから皮膚トラブルや臭い問題などの二次トラブルに繋がる可能性があるため、尿漏れが続く場合は早めに泌尿器科を受診しましょう。

考えられる原因と病気について

じわじわ尿漏れで考えられる原因・病院は、主に2つあります。

  1. 骨盤底筋の緩み
  2. 腹圧性尿失禁・過活動膀胱・膀胱炎などの可能性

皮膚トラブルや生活の質の低下についてを含めて解説します。

骨盤底筋の緩み

じわじわ尿漏れの原因として、骨盤底筋の緩みが考えられます。

骨盤底筋は、膀胱や尿道をしたから支えるハンモックのような筋肉です。

骨盤底筋が緩んでしまうと、尿道を締める力が弱まり、少量のじわっと漏れが起きやすくなります。

たとえば、妊娠や出産によるダメージや、加齢・更年期による女性ホルモンの低下により、骨盤底筋が緩みやすいです。

ほかにも便秘やくしゃみ、重い荷物を持つなどの生活習慣が多いと、腹圧から尿漏れが起きる場合があります。

気づいたら下着が濡れていたり、咳・くしゃみによってちょっと漏れてしまうという症状がある場合は、泌尿器科医や婦人科などで相談しましょう。

腹圧性尿失禁・過活動膀胱・膀胱炎などの可能性

膀胱や尿道の異常があると、尿漏れが起きやすいです。

具体例として、くしゃみや階段を降りるときに、尿が漏れる場合は、腹圧性尿失禁の可能性があります。

ほかにも「急にトイレに行きたくなり、我慢ができない」という状態や、夜中にトイレで何度も起きるときは、過活動膀胱が考えられます。

じわじわ尿漏れが起きるほか、排尿時に痛みや残尿感がある場合は、膀胱炎の疑いもあるため、泌尿器科に相談するのがおすすめです。

皮膚トラブル・生活の質低下につながることも

尿漏れが続く状態は、皮膚トラブルや生活の質の低下にもつながります。

じわじわ尿漏れが起きていると、下着が湿った状態が続き、皮膚が弱りやすくなります。

たとえば、下着やナプキンの湿気で肌がふやけたり、尿の成分が皮膚を刺激して、かぶれやかゆみ、赤みなどの症状が出たりしやすいです。

とくにデリケートゾーンは皮膚が弱いため、少量でもトラブルが起きやすい傾向にあります。

また、尿漏れが起きることに対する不安から、外出が不安になったり、仕事や家事に集中できなかったりと、生活にも影響が出やすいです。

そのため、じわじわ尿漏れが続く場合は、早めに泌尿器科や婦人科に相談しましょう。

尿漏れの種類について

尿漏れの種類は、主に3種類あります。

  1. 腹圧性尿失禁
  2. 切迫性尿失禁
  3. 混合性・溢流性・機能性尿失禁の特徴

それぞれの種類について解説します。

腹圧性尿失禁

腹圧性尿失禁は、お腹に力が入った瞬間に尿が漏れるタイプです。

骨盤底筋の緩みが主な原因で、少量の「じわっ」とした漏れが多い傾向にあります。

たとえば、咳やくしゃみ、走った際など、お腹に力がかかる瞬間に漏れてしまう状態が腹圧性尿失禁です。

妊娠や出産後の女性、更年期の女性に多く見られやすい傾向があります。

関連記事:知っておきたいオシッコの話<腹圧性尿失禁>

切迫性尿失禁

切迫性尿失禁は、急にトイレに行きたいという強い尿意が来て、我慢できずに漏れるタイプです。

過活動膀胱と深い関係があり、トイレに間に合わずに漏れる方が該当します。

具体例として、玄関で鍵を開けようとした際に、突然強い尿意が訪れて間に合わなかったり、水の音を聞いた瞬間に突然強い尿意が訪れて漏れてしまったりする場合が切迫性尿失禁です。

日常生活に大きな影響を与えるため、早期受診が好ましいです。

関連記事:知っておきたいオシッコの話<切迫性尿失禁>

混合性・溢流性・機能性尿失禁の特徴

混合性・溢流性・機能性尿失禁は、複数の要因が絡んだり、排尿機能そのもののトラブルが原因になったりする尿漏れです。

腹圧性や切迫性の両方が原因となっている場合があり、中高年女性に多くみられます。

たとえば、運動中は腹圧で漏れ、帰り道に切迫感で間に合わないという状態が該当します。

ほかにも、「トイレが近い」「ちょっとした動きで漏れる」という状態が両立していることが多い場合は、混合性・溢流性・機能性尿失禁の可能性が高いです。

日常生活に影響が出るだけでなく、皮膚トラブルにもつながるため、早めに泌尿器科や婦人科に相談してください。

自宅でできる尿漏れ対策について

自宅でできる尿漏れ対策は、主に3つ挙げられます。

  1. 骨盤底筋体操の基本ステップ 
  2. 膀胱訓練・水分管理・姿勢改善
  3. 吸水パッドだけに頼らない「根本ケア」

それぞれの対策について解説します。

骨盤底筋体操の基本ステップ

骨盤底筋体操は、以下の4つの流れで行います。

  1. 仰向けで横になる
  2. 両足を肩幅程度に開き、両ひざを軽く立てる
  3. 尿道・肛門・膣を締めたり緩めたりを1秒ずつ15回程度繰り返す
  4. ゆっくりと締めて3秒ほど静止・緩めるを2~3回繰り返す

重要なポイントは、全身で力むのではなく、リラックスした状態で尿道や膣だけに集中して力を入れることです。

呼吸を止めず、自然体のままで行いましょう。

下記は骨盤底筋体操の基礎編と応用編について解説していますので、参考にしてみてください。

関連記事:自宅でできる過活動膀胱に効く骨盤底筋トレーニング!テレビをみながらできる方法も紹介します

膀胱訓練・水分管理・姿勢改善

じわじわ尿漏れの対策として、膀胱訓練や水分管理、姿勢改善を意識するのがおすすめです。

膀胱訓練は、いきなり無理に我慢せず、行きたいと思ってから5~10分だけ我慢をします。

我慢に成功したら、少しずつ時間を伸ばしていき、トイレ感覚を伸ばす訓練です。

水分管理は、1度に大量の水分を摂取するのではなく、こまめに水分を摂るように意識しましょう。

また、姿勢が悪いと骨盤底筋に力が入りづらいため、改善するだけで症状が緩和される場合もあります。

吸水パッドだけに頼らない「根本ケア」

じわじわ尿漏れを対策したいときは、吸水パッドに頼らない根本ケアが大切です。

あくまで吸水パッドは安心材料であり、根本治療にはなりません。

たとえば、長時間外出時はパッド着用、普段は骨盤底筋体操と膀胱訓練を行うなどの組み合わせがおすすめです。

じわじわ漏れの回数や量が増えた場合は、自己判断をせず、泌尿器科医に相談しましょう。

尿漏れの受診の目安と相談先

尿漏れの受診は、次に当てはまる場合に検討しましょう。

  • 咳やくしゃみをしたタイミングで漏れる経験を何度もしている
  • 吸水パッドが欠かせなくなった
  • 夜に2~3回トイレで起きてしまう
  • 下着が濡れていることが多い
  • 外出が不安になって避けるようになった

じわじわ尿漏れの受診の目安は、生活に支障が出た場合や、咳やくしゃみで度々漏れるときです。

相談先は、泌尿器科や婦人科で相談するようにしてください。

泌尿器科での診察内容と流れ

泌尿器科での診察内容と流れは、以下の通りです。

  1. 問診
  2. 検尿
  3. 超音波検査
  4. 必要に応じて他の検査
  5. 治療方針の相談

泌尿器科では、問診や検尿を中心に行います。

超音波検査は、お腹の上から超音波を当てるだけの優しい検査で、膀胱の残尿量や膀胱・腎臓の状態を確認します。

ほかにも、症状に応じてパッドテストや尿流検査などを行うため、泌尿器科医や婦人科医と相談しましょう。

「誰に相談すればいい?」と迷ったら

尿漏れの相談先に悩む女性は多いですが、基本的には泌尿器科または女性泌尿器科で相談しましょう。

尿漏れの診断や治療を専門に行っているため、何が原因でじわじわ尿漏れが起きているか特定しやすいです。

また、近年は女性専用外来があるクリニックも増えています。

骨盤底筋の緩みや更年期が原因だと考えられる場合は、婦人科に相談してみるのもおすすめです。

まとめ

じわじわ尿漏れは、妊娠や出産、更年期と女性のライフステージに関係しています。

症状を放置してしまうと、尿漏れの量や頻度が増えてしまい、外出の不安または仕事・家事などのパフォーマンス低下につながりやすいです。

一人で悩むのではなく、泌尿器科医に相談をして早期解決を目指しましょう。

聞きにくいことは「メール無料相談」で承ります

北海道旭川市にある神楽岡泌尿器科は、「かかりつけ医」になることを目指し、患者本位で、気軽に緊張せずに受診していただける病院づくりを目指しています。

「尿漏れのことで悩んでいる」という方は、院長による無料メール相談も行っておりますので、まずはお気軽に疑問点や懸念内容をご相談ください。

病院まで来られない方々にも往診で対応可能です。患者さんご本人だけでは無くご家族の方々からのご相談にもお答えします。
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