高血圧 予防と改善のために

日本人にもっとも多い生活習慣

血圧は加齢とともに高くなり、生活習慣も大きく影響します。日本の高血圧有病者数は約4,300万人で、50代以上男性と60代以上女性の有病率は60%を超えると推測されています。高血圧は自覚症状がほとんどないまま動脈硬化を進行させ、命に関わる合併症(脳卒中・心筋梗塞など)を引き起こします。生活習慣改善や治療による適正なコントロールが求められます。

 

診断は「家族血圧」を優先

高血圧基準値は、医療機関などで測る「診察室血圧」と、家庭で測る「家庭血圧」で異なります(医療機関や健診では、緊張して数値が上がりやすいため)。両方に差がある場合は、家庭血圧による診断が優先されます。家庭血圧は、朝(起床後1時間以内)晩(就寝前)の1日2回測定を。診療室血圧が正常な人でも、早朝や夜間に血圧が高い「隠れ高血圧」が見つかる場合もあります。150922-01

 

生活習慣6つの改善項目

  1. 減塩/ 1日6g未満
  2. 野菜・果物の積極的摂取、コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える、魚(魚油)の積極的摂取
  3. 減量/ BMI=体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}を25未満
  4. 運動/ 有酸素運動を中心に定期的に行う(毎日30分以上を目標に) ※心血管病のない高血圧患者が対象
  5. 節酒/ エタノールで男性1日20~30ml以下、女性1日10~20ml以下 ※エタノール20mlは、ビールで中瓶1本程度
  6. 禁煙/受動喫煙の防止も含む

 

知ってる?牛乳の力

牛乳のいろいろな栄養成分に降圧作用が!

牛乳に豊富に含まれるカルシウムやカリウムには、体内の余分な塩分を排泄して血圧を調整する作用があります。また、牛乳の主要タンパク質であるカゼインや、ホエーたんぱく質の消化過程で生成されるペプチドには、降圧作用を有するものがあると報告されています。

最近の大規模調査でも、「牛乳・乳製品の摂取量が多いほど、男女とも収縮期血圧が低い」との結果が導き出され、血圧上昇を抑える牛乳・乳製品の機能性が実証されています。

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減塩対策には、あらゆる和食に牛乳・乳製品を取り入れる「乳和食」もおすすめです。牛乳のコクや旨みを足すことで、食塩を大幅に減らしても薄味にならず、手軽でおいしい減塩法として注目されています。

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