「前立腺肥大症と診断され、妻との性行為で勃たなくなってしまい申し訳ない…なんとかできないものか…」
このような悩みを抱える方は、前立腺肥大症の方に多くいらっしゃいます。こういった悩みは中々相談できなくて辛いですよね。
今回は、前立腺肥大の患者さんを多く診てきた神楽岡泌尿器科が、性生活でお悩みの方向けに対処法をお伝えします。
前立腺肥大症と性生活の関係から紐解き、性生活を再開するための方法とパートナーへの伝え方についてわかりやすく解説しているので一緒に見ていきましょう。
前立腺肥大症と性生活の関係性
性生活という言葉にはいろんな意味が含まれています。射精できること、勃起できること、オーガズム を感じられること。
一般的にこれらを一括りにして性機能と表現されますが、実は身体的機能は全く異なるので、前立腺肥大症になったからといって全ての性機能が失われるという意味ではないのでご安心ください。
前立腺肥大症の症状：勃起障害
前立腺肥大症の症状のひとつに、勃起障害がおこります。
臨床では前立腺肥大症を治療すると勃起能力が回復するというケースが多く報告されているため、関係性が高いと考えられていますが、完全には解明されていません。
このため、前立腺肥大症による性生活に関して悩みを抱える患者様は、適切な治療によって前立腺肥大症による勃起障害を軽減し、性生活の質を向上させることも期待できるでしょう。
前立腺肥大症の治療後：射精障害
では、治療すると全て元通りになるのでしょうか。
よくいわれる、前立腺肥大症の手術をすると、性機能障害がおこるとありますが、これは、射精障害が起きるという意味に近いです。
これは、あくまで射精機能が落ちるだけで、勃起能力やオーガズムの機能は残存します。そのため、性行為自体は可能なのです。
簡単に言い換えると、子作りはできないものの、セックスはできるということです。
後ほど後述しますが、前立腺肥大症の治療で性生活は再開できるケースが多いです。
しかし、その前段階でパートナーの方へのコミュニケーションも大切になりますので、次の項目で解説しましょう。
前立腺肥大症による性行為をどうパートナーに伝えるのか
前立腺肥大の治療を進めるにはパートナーの理解が必要不可欠です。
勃起障害が起きると性生活が減り、パートナーの方が「私のこともう好きじゃなくなった？」「自分は男としてダメなのでは」とお互い不安に思ってしまう方も多いです。
パートナーには今起きている勃起障害は身体的な問題であること、前立腺肥大を治療して性生活を再開したい旨を説明しましょう。
また、挿入はせずとも抱き合ったり、キスをしたりとできることはあります。自分のケアも大切ですがパートナーのケアも考えると今後も円滑なコミュニケーションが図れるでしょう。
性生活を楽しむには、前立腺肥大症の治療を始めてみよう
性生活を楽しむためには、まず前立腺肥大の治療から始めましょう。薬や日常生活の排尿習慣を見直すことで改善できる場合が多くあります。
前立腺肥大が回復し始めると、徐々に勃起能力が戻る例もあります。また、勃起不全の治療の一環として、バイアグラを服用することもあります。
薬だけでは改善が望めない、症状や生活状況によっては手術も可能です。
手術のご相談、前立腺肥大症についてのお悩みの方は、まずはメールまたは受診しご相談ください。
先生にぶつけたい気になる性生活の疑問
ここでは中々人に相談できない悩みを、神楽岡泌尿器科の院長、渋谷先生が解決します。
射精の回数が多いほど前立腺肥大になるリスクが低くなるというデータもあるようですが先生の見解を教えてください
自慰行為は前立腺肥大症に影響を与えますか
参考：Ejaculation frequency and subsequent risk of prostate cancer
主人から前立腺肥大症でセックスできないと言われました。そんな事ってあるんでしょうか。男性の体が理解できません
まとめ
今回は前立腺肥大で性生活への悩みを抱えている方に向け解説しました。
中々、人には相談しにくい内容ではあるので、前立腺肥大でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
著者：渋谷秋彦
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など