知っておきたいオシッコの話<切迫性尿失禁>

治療法を知りたいあなたに

医療的対応には、病気によって運動療法、薬物療法、手術療法があります。その症状に応じて対応は異なってきます。排尿障害の種類および程度によって、全ての治療法が最善のものとなりうることを知っておいて下さい。対応が遅れると、膀胱機能の異常が進行し、その治癒に時間がかかるようになるので、早めに医師に相談しましょう。

尿失禁の種類:切迫性尿失禁(診断名:過活動膀胱ほか)の治療法

①尿失禁治療薬(抗コリン剤)の内服が有効です。副作用として、口渇、便秘がありますが、重篤なものではありません。

②前立腺肥大症などを合併する時は、その治療を優先します。尿失禁治療薬だけでは排尿困難をひどくさせる危険性があります。

※脳や脊髄などの障害がなくて(手足のマヒなどがなくて)も切迫性尿失禁を認めることがあります。この過活動膀胱は、加齢、腹圧性尿失禁、前立腺肥大症を合併します。また、神経因性過活動膀胱の約20%に、膀胱と尿道のバランスがくずれて排尿困難を認める排尿筋・括約筋協調不全を合併することに注意して下さい。なお、排尿しやすい姿勢としては、あえて座位での排尿をお勧めすることがあります。いきみをかけない排尿が理想的です。

用具類による対応策

●最近は少量の漏れに対応する失禁パッドや男性のちょい漏れ(終末時滴下)に対するものも出てきています。

●トイレに間に合わず比較的多量に勢いよくもれてしまう場合は、排尿量を許容できる吸水量の紙おむつを選択して下さい。

●横もれする場合は、紙おむつの立体ギャザーを活かしてソケイ部に沿わせ、尿溜りをつくるあて方を工夫しましょう。

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①立体ギャザーをまっすぐに立てる。
②パッドを重ね使用する場合は、立体ギャザー内に収まるサイズにする。

●おむつカバーはソケイ部にぴったり沿うもので、からだにマヒがあっても自分で着脱しやすいものを選びましょう。