前立腺肥大症は薬を飲み続けると治るの?医師が解説

前立腺肥大症は薬を飲み続けると治るの?医師が解説

「前立腺肥大症の薬を飲み続けているが一向に良くならない。」

転院で来られる患者さんの中でも、こうした悩みを抱える方は少なくはありません。

実は薬だけでは、前立腺肥大症の根本的な完治には繋がりません。薬にも効果的な場合とそうでない場合があります。

そこで今回は、前立腺肥大症の薬の効果について、前立腺治療に詳しい神楽岡泌尿器科が解説します。

薬以外の改善方法をお探しの方もぜひ最後までご覧ください。

前立腺肥大症は薬を飲み続けても治りません。

前立腺肥大症は、尿道の通過障害によって尿の流れが悪くなり、頻尿などの症状が現れる疾患です。薬はその症状の緩和や改善に寄与するものであり、根本的な治癒をもたらすものではありません。

さらに、前立腺肥大症は加齢現象の一部であるため、完治が難しいとされています。内服薬により一時的に症状を改善することは可能ですが、薬を飲み続けても完全な治癒は期待できません。

病院で出すお薬は、効能としては市販のサプリメントや新聞の広告に載っているようなものよりは明らかに効果が強いので、ちゃんと認可が必要なものです。

しかし、これらの薬もあくまで症状の緩和を図るものであり、完全な治癒をもたらすものではないことを押さえておきましょう。

前立腺肥大症で薬が有効に働く時

前立腺肥大症において薬が有効に働く場合は、まだ症状が重症化していない比較的早期の段階です。

前立腺肥大症に有効な薬は主に「α1受容体遮断薬」「抗男性ホルモン薬」「漢方薬や植物エキス製剤」の3つがあります。

「α1受容体遮断薬」は、前立腺と尿道の筋肉の緊張を緩めることで、尿を出しやすくする薬です。これは、交感神経の受容体である「α1受容体」を遮断し、尿道の筋肉を緩める効果があります。

また「抗男性ホルモン薬」は、前立腺肥大症の発症に関わっている「男性ホルモン」の作用を抑えて、前立腺を小さくするお薬です。

「漢方薬や植物エキス製剤」は、前立腺の炎症を抑えたり、前立腺肥大症の症状を和らげる効果があります。

前立腺肥大症の初期段階の治療において、どの薬を使うかはそれぞれの患者さんの症状によって判断されます。

前立腺肥大症で薬が有効に働かない時

前立腺に痛みを感じている人は、前立腺肥大症の薬では効果が期待できません。通常、前立腺肥大のみでは痛みが発生しないものです。

痛みがある場合、雑菌による炎症やどこかが切れているなど、前立腺肥大とは別の原因で組織が損傷している可能性があります。その際は検査により原因を特定したうえで、別の治療方法を選択します。

他にも、体質上薬が身体に十分に反応していない場合や、前立腺肥大が重症化している場合は薬の効果が弱まります。症状によっては手術による治療も必要です。

前立腺肥大症で薬を飲み続けても治らない場合の解決方法

薬を飲み続けても治らない場合は、一般的に手術が検討されます。

当院でも、長期間重い症状に悩まされて日常生活に支障が出ている方や、薬での効果がみられないほど肥大が進行してしまっている場合には、すぐに手術を勧めることもあります。

ただし、当院では手術の判断の前に、患者さんの排尿習慣を問診するようにしています。

「いきまずに自然に奔流させる気持ちのいいおしっこ」ができているかが大事なポイント。

なかには、診察の前から自分は前立腺肥大症だと決めつけて手術を決めてくる患者さんもいます。そう言った患者さんには、まずは日頃のおしっこの習慣を確認し、いきんで無理やり出そうとするおしっこの習慣であれば、それを改善するトレーニングを実施します。

適当な水分補給をとりながら、おしっこをちょうどいい量溜め、いきまずにリラックスしておしっこをすることが気持ちいい排尿習慣を身につけるために必要です。

薬や手術に頼らず、患者さんにとって一番負担のかからない方法で改善を目指していきます。

まとめ

今回は前立腺肥大症の薬の効果について解説しました。

前立腺肥大症は、薬だけでは完治できず、薬を飲み続けていても一向に治らない場合は手術が検討される場合もあります。

神楽岡泌尿器科では、身体的、時間的にも負担の少ない前立腺肥大症の日帰り手術を受けることが可能です。

前立腺肥大症の日帰り手術の詳細についてはこちらで詳しく紹介しております。

薬のこと以外にも前立腺に関するお困りごとのご相談を受け付けております。

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