前立腺肥大症と便秘は密接に関係している!原因と改善方法まで紹介

なんとなくお腹周りが張って便が出ないのは、ただの便秘か、それとも前立腺肥大症が原因なのか。

前立腺肥大症と便秘に何か関係があるのではないかと不安に思いの方へ、実は前立線と腸の位置関係を知ることで、前立腺肥大症によって便秘が引き起こされる原因が見えてきます。

そこで今回は、20年以上に渡って便秘改善の指導も行ってきた神楽岡泌尿器科が、前立腺肥大症と便秘の関係性について解説します。

記事の中では便秘に効果的な腸活についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

前立腺肥大症と便秘の関係性

ここでは、前立腺と腸の位置関係や、前立腺肥大症が便秘に与える影響についてそれぞれ解説します。

前立腺と腸の位置関係

引用:矢野仁『第三版前立腺癌のすべて』(メディカルビュー社、2011)より

前立腺と腸は解剖学的に前後の関係に位置しており、間接的に繋がりあっている臓器です。

泌尿器科系のトラブルを抱える人は便にも問題を持っている人が多く、互いの症状が影響している場合もあります。

前立腺肥大症が原因で便秘になる

前立腺肥大症により、前立腺の拡大が腸の圧迫を引き起こし、便通の妨げとなることがあります。これが原因で、排尿時のいきみや踏ん張りなどの不自然な習慣から便秘が発生する可能性も考えられます。

便秘が原因で前立腺肥大症に似た症状がでることがある

前立腺肥大症から便秘につながるのとは逆に、便秘が続くと腸内の圧力が増し、前立腺にも影響を与えることがあります。これにより、前立腺肥大症に似た頻尿や残尿などの症状が現れることがあります。

前立腺肥大症の服薬が原因で便秘になる

一部の前立腺肥大症の治療薬(抗コリン薬など)には、便秘を引き起こす副作用を持つものがあります。​​治療薬の処方は専門医による検査のもと、自身の健康状態や症状に合わせた服薬が必要です。

前立腺肥大症の治療薬による副作用に関しては以下の記事で解説しています。

結論

前立腺肥大症と便秘は解剖学的に密接な関係にあり、互いの症状が影響し合う可能性があります。さらに、前立腺肥大症に対する治療薬の中には便秘を引き起こす副作用を持つものがあるため、治療薬の服用は専門医の指示のもと、症状や副作用に注意が必要です。

前立腺肥大症により便秘の症状が同時に起きている場合は、改善へ向けた正確な原因の特定のためにも、まずは泌尿器科への受診をおすすめします。

前立腺肥大症の便秘の改善方法

前立腺肥大症の便秘の改善方法には、「腸活」が効果的です。

自然にいきまないでする気持ちいいおしっこの考え方と排便することは同じように、そもそも便は踏ん張らずともでるのが普通です。

実際に、腸活を意識した患者さんの中には、頻尿や残尿が改善していった人もみてきました。

以下に挙げる便秘になりやすい3つの習慣を改善し、簡単にできる便秘に効果的な腸活を実践してみましょう。

①運動習慣

  • 1駅分歩くようにする。
  • 1週間のうち、「●回運動をする!」と決める。
  • 周囲に運動報告をする。
  • 無理のない運動量を把握する。

②食事習慣

  • 発酵食品を取り入れる
  • お肉より魚をとるように心がける。
  • アルコールを毎日から2日に1回にする。
  • 自炊を週に一回増やす。

③生活習慣

  • 便意を我慢しない。
  • リラックスできる趣味・習慣を見つけて、ストレスフリーに。
  • タバコの本数を減らす。
簡単にできる便秘に効果的な「腸活」
  1. 朝にコップ1杯の飲水習慣
  2. 朝食後のトイレを習慣化する
  3. 薬に頼りすぎない生活をする

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根本的に前立腺肥大症を解消するなら

薬による治療ではなかなか症状の改善がみられなかったり、おしっこが出なくなる閉尿などの重症化リスクがある場合には、前立腺肥大症の根本的な治療として、手術が選択肢の一つとなります。

前立腺肥大症の手術のなかでも、患者さんの身体的負担の少ないHoLEP(ホーレップ)手術は、前立腺の外側のみにレーザーを当て、全体をくり抜くため従来の手術よりも出血や合併症のリスクが比較的低い手術です。

神楽岡泌尿器科では、患者さんの身体的、時間的制約を少なくするために、このHoLEP手術を日帰りで行うことが可能です。

日帰り手術ができることで、患者様も自分の生活リズムを保ったまま、生活面でのストレスを少なく術後を過ごしていただけるため、心理的にもかなり楽になります。

当院の日帰りHoLEP手術の詳しい内容については以下の記事で紹介しています。

まとめ

今回は、前立腺肥大症と便秘の関係性について紹介しました。

前立腺肥大症と便秘には、前立腺と腸の位置関係により、互いの症状が影響し合う可能性があります。しかし、日頃の生活習慣を見直し、腸活を取り入れることで、前立腺肥大症の便秘の改善にも効果が期待できます。

腸活にまつわる情報は、以下の記事から院長の渋谷先生の解説付きでご覧いただけます。