医師が教える!頻尿の原因を男女・年齢別に紹介

度重なるトイレで仕事や遊びに集中できない。出先でトイレがないと不安になってしまう。1日に8回以上おしっこしている。夜、何度もおしっこで起きてしまってよく眠れない。

こんな不安やお悩みは、頻尿に原因があるかもしれません。放置すると、その状態が普通となって日常生活に支障をきたしてしまいます。しかし、適切な処置をして治療を受ければ、改善できる症状です。

頻尿には原因がさまざまあるので、男女・年齢別に解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

頻尿の原因

頻尿の主な原因として、膀胱容量の低下と膀胱が過敏になっていることが考えられます。以下のポイントを確認してみてください。

膀胱容量の低下

膀胱にたまる尿の量が少ない(150〜200ml以下)ことが原因で、必然的にトイレに行く回数が多くなります。

容量の低下は大きく2パターン考えられます。膀胱容量が直接小さくなる場合と、膀胱容量そのものは変わらず、利用できる容量が小さくなる場合です。

前者のパターンは膀胱炎のような炎症性疾患、過活動膀胱、間質性膀胱炎などでよくみられます。

後者のパターンは前立腺肥大症であったり、神経因性膀胱でみられます。

あるいは膀胱がんの可能性も考えられます。膀胱がんの代表的な症状は血尿ですが、頻尿を訴えて受診される方のなかに、がんであったことが判明した方もまれにいらっしゃいます。

膀胱の過敏性

頻尿の主な原因として、膀胱が過敏になっている場合が考えられます。膀胱が過敏になっていると、膀胱に尿が十分にたまる前に、膀胱が自分の意思とは関係なく勝手に収縮します。

これにより、尿意の切迫感が起きたり、トイレに何度も行くようになったりします。一回の排尿量が減少して頻尿になっている状態を、過活動膀胱と呼びます。

膀胱が過敏になる原因
  • ストレス・・・日中に意識してしまうことで尿が促されてしまう
  •  緊張・・・20,30代の方にも起こる、一時的なもの
  • 冷え・・・首回り、足首、手首を冷やさない対策が必要
  • 飲み物・・・お茶やコーヒ、お酒は利尿作用がある
  • 加齢・・・膀胱の機能が低下、過活動膀胱になる可能性あり

 

男性の頻尿に隠された病気

男性が頻尿であるときに考えられる病気をご紹介します。

膀胱容量の減少・膀胱機能の低下

過活動膀胱・前立腺肥大症・前立腺炎・尿道炎・神経因性膀胱など

尿量自体が多い

糖尿病・尿崩症・原発性多尿症・飲水過剰・うっ血性心不全・慢性腎不全など

尿に関係する神経の異常

自律神経の活動亢進・パーキンソン病・認知症・脳血管病害・腰椎疾患

睡眠障害・不眠症

不眠症・睡眠時無呼吸症候群など

その他

不安神経症・ホルモン異常・閉塞性肺疾患・薬剤性など

 

女性の頻尿に隠された病気

女性が頻尿であるときに考えられる病気をご紹介します。

過活動膀胱

過活動膀胱とは、尿がそれほど溜まっていないにも関わらず膀胱が活動し過ぎてしまう疾患です。急に我慢できない尿意が起きたり、トイレが近くなったりします。 

過活動膀胱の代表的な症状
  • 昼間頻尿・・・日中起きている間に8回以上排尿している
  • 夜間頻尿・・・夜中の排尿回数が1回以上ある
  • 尿意切迫感・・・尿意が急にきて、尿を漏らしそうになってしまう
  • 切迫性尿失禁・・・急な尿意でトイレまで我慢できずに漏らしてしまう

心因性頻尿

心因性頻尿は精神的な問題で頻尿になってしまう疾患です。ストレスや不安を抱えているときに頻尿を引き起こすことがあります。尿意を感じたとしても尿が全く出ない場合もあります。

膀胱炎

膀胱内に細菌が入ってしまい、炎症を起こす疾患です。疲れが溜まり免疫力が低下しているとき、妊娠・出産したときなどに膀胱炎は起こることがあります。特に女性に起こりやすく、再発しやすいという特徴があります。

膀胱炎の代表的な症状
  • 頻尿
  • 残尿感
  • 排尿時の痛み
  • 尿が濁ったり血が出たりする

糖尿病

糖尿病の方は血糖値が高いので、のどが渇きやすくなってしまいます。そのため、水分の摂取量が増えてしまい、頻尿になることがあります。

また、血糖コントロールがうまくいかないと腎臓が血液中のブドウ糖を体内の水分と一緒に尿として出そうとするため、頻尿になることがあります。

子宮筋腫・卵巣嚢胞

子宮や卵巣の腫大が膀胱を圧迫することによって頻尿を引き起こすことがあります。

頻尿以外の症状としては、通常よりも強い生理痛、経血の増加などがあります。良性の腫瘍と言っても、不妊や流産の原因にもなることがあるので注意が必要です。

骨盤臓器脱

出産や加齢(閉経)などの影響で骨盤底筋の支える力が低下してしまい、膀胱、子宮頸部、直腸、膣壁などの骨盤内臓器が下垂して膣口から脱出してしまう疾患です。

症状としては、異物感(何かが下りてくるような感じ)、腰痛、重い感じ、引っ張られる感じ、排尿困難、排便困難があります。

 

高齢者と頻尿

高齢者に多い頻尿。ここでは、高齢者によくある頻尿の原因についてご紹介します。

膀胱の機能低下による過活動膀胱

加齢に伴って、排尿をコントロールする自律神経の機能は低下していきます。その影響で膀胱が過敏になり、膀胱の収縮が活発化、急に強い尿意を感じてしまう症状等が現れます。

水分のとり過ぎ

「高齢者は意識して水分をとりましょう」こう聞くことは多いですが、実は「とりすぎ」となっている場合があります。

夕食後のお水や利尿作用のあるコーヒーやアルコールをとることはなるべく避け、適切な量を摂取するように心がけましょう。また、夕の薬を飲むときの水分摂取にも注意が必要です。

抗利尿ホルモンの低下と睡眠障害

若い頃は通常、睡眠中は抗利尿ホルモンが作用することによって尿の生成がある程度抑えられています。

しかし加齢とともにホルモンの働きが弱まるため、夜間就寝中に多量の尿が作られてしまう場合があり、夜間多尿〜頻尿の原因となってしまいます。

高齢者の眠りは浅く、目覚めたときにトイレに行ってしまい、それが習慣化して夜間頻尿となるケースもあります。

精神的ストレスや緊張

不安や緊張などによる精神的ストレス、または自律神経の乱れが心因性頻尿の原因になることもあります。

過去の排泄の失敗によるトラウマ、トイレがなかったらどうしよう、といった不安や心配から膀胱の緊張が増え、頻尿に繋がってしまうことも。

膀胱炎

膀胱炎とは、その名の通り膀胱に炎症が起きている状態です。ほとんどの場合、細菌が尿路から逆流することで炎症を発生させます。

膀胱やその周辺に細菌感染などによる炎症が起こると、膀胱が刺激され頻繁に尿意を感じてしまう原因となります。

特に高齢者は排尿効率が悪いことから膀胱炎が再発しやすく、慢性化しがちです。

前立腺肥大・前立腺癌

男性の場合、尿道を囲むように位置している前立腺が肥大すると、尿道が圧迫されて細くなり、尿を出しきりにくくなります。

膀胱内に残った尿が膀胱を刺激すると尿意を感じ、加えて前立腺の腫大自体が尿意を誘発し頻尿となります。さらに、排尿困難が進行すると尿が出きらず、残尿過多による頻尿となります。

 

子どもと頻尿

子どものおしっこの回数が多い……。なにかと病気がちな子どもなので、心配になってしまいますよね。

正しい情報を知り、適切な対応を取れるようになりましょう。

子どもの排尿回数

子どもの排尿回数は年齢によって異なり、成長に伴って少なくなっていきます。

4〜5歳を過ぎても1日のトイレ回数が10回以上、またトイレに行く間隔が2時間よりも短い場合は「頻尿」を疑いましょう。

  • 1〜2歳:2時間おき、8〜12回
  • 3〜4歳:3時間おき、5〜9回
  • 4歳:3〜6時間おき、4〜8回

子どもの頻尿の原因

ストレスや緊張などが原因の心因性頻尿と、体の病気が原因になる場合があります。

原因として考えらえれる病気
  • 尿路感染症(膀胱炎)
  • 過活動膀胱
  • 尿崩症
  • 糖尿病

尿路感染症(膀胱炎)

頻尿・排尿時の痛み・尿が出にくい・残尿感などの症状がみられます。大腸菌などの細菌が感染することで起きる疾患です。

尿検査で白血球や細菌を調べ、抗菌薬による治療が必要です。また、発熱を伴うときは、上部尿路感染症の可能性があります。

過活動膀胱

尿を出そうと思っていないときに膀胱が勝手に縮んでしまい、「おしっこを出したい、我慢できない、漏れそう」という感覚が起こります。

子どもの膀胱容量は小さく、膀胱や尿道の機能が未熟なために起こってしまうことが多く、成長とともに自然と治ることがほとんど。頻繁に尿漏れがあったり、5歳を過ぎても尿漏れが続くときには、検査や治療が必要になることがあります。

尿崩症

水分のとり過ぎが原因で頻尿はおこりますが、まれに「尿崩症」という病気が原因で多飲多尿がみられることがあります。

尿崩症は尿を濃縮する抗利尿ホルモンが働かなくなり、尿が多くなってしまったり、異常にのどが乾き、多飲となってしまいます。

糖尿病

小児の糖尿病では、喉の渇きや多飲多尿、頻尿で夜中に目覚めてしまう、などの症状がみられます。

 

まとめ

この記事では、頻尿の原因について、男女・年齢別で解説しました。

「原因がわからない、どちらにも当てはまってる」など、少しでも不安・悩みがある方は病院へ受診し原因を特定してみることからはじめましょう。

北海道旭川市にある神楽岡泌尿器科は、「排尿のかかりつけ医」になることを目指し、患者本位で、気軽に緊張せずに受診していただける病院づくりを目指しています。

「オシッコのことで悩んでいる」「気持ちのいいオシッコについて知りたい」という方は、院長による無料メール相談も行っておりますので、まずはお気軽に疑問点や懸念内容をご相談ください。

病院まで来られない方々にも往診で対応可能です。患者さんご本人だけでは無くご家族の方々からのご相談にもお答えします。

子どもが大好きな渋谷院長先生はどんな人?

 

【著作・メディア掲載など】

  • 2014年 『「気持ちいいオシッコ」のすすめ』(現代書林)刊行
  • 2016年 『現代の赤ひげ 医療最前線の名医9人』掲載
  • 2016年 『週刊新潮』(10/27 号)掲載
  • 2020年 『メディアあさひかわ』(4月号)掲載
  • 2020年 『メディアあさひかわ』(5月号)掲載
  • 2021年 『メディアあさひかわ』(5月号)掲載