おしっこを我慢しすぎると身体に良くないと聞きます。我慢という表現はストレスのかかった状態なので良くない事ですが、実はおしっこはちょっと待った方が身体に良いこともあります。
ここでは、おしっこを我慢するとどうなるのか?おしっこを我慢しないことでどのような影響があるのか、泌尿器科が解説していきます。
おしっこ我慢する身体への影響
「おしっこを我慢するのは悪いことだ」と、なんとなく思っている方は多いです。
泌尿器科の目線からお伝えすると、我慢は良くないですが、その程度が問題です。膀胱容量は人それぞれなので排尿量、排尿タイミングは個人差があるんです。皆さんの膀胱が十分に働く状態が健康的という事です。
一般的におしっこを我慢すると、膀胱内に菌が繁殖し膀胱炎などの感染症を引き起こすリスクはあると言われていますが、これは膀胱壁が伸び過ぎて血行障害を起こして免疫力が低下するからです。
一方こまめにオシッコに行く方が尿排出のメカニズムがうまく働かない事で膀胱炎のリスクが高くなります。
頻尿などで少ない量のオシッコで何度もトイレに行くと除菌作用がうまく働かなくなります。さらに、身体が疲労やストレスなどで免疫力が低下していると菌が繁殖し、膀胱炎のリスクにもなり得ます。
たしかに、膀胱の容量をこえてまで我慢し続けると膀胱炎・腎盂腎炎のリスクもありますが、トイレが街中に普及している現代では膀胱の限界までおしっこを我慢する方はあまりいません。
映画館に行った時や仕事が立て込んでいる時に我慢する程度であれば、おしっこを我慢することで身体に影響はないため、安心してください。

膀胱内を除菌するために2L/日を目安に十分な水分摂取を行って、膀胱にしっかりとオシッコを溜めてから排尿しましょう。
トイレに行きたくなくて水分を我慢する方が、身体に悪い影響が出てしまいます。
どのくらいおしっこを我慢しても良い?
膀胱の容量内(500ml程度)までは、身体に影響なくおしっこが我慢できると考えて下さい。
一般的に、オシッコは150ml程度溜まったら尿意を感じ、やや我慢して300ml程度溜まってからトイレに行きます。
尿意を感じたからといってもすぐにトイレに行かなくても問題ありません。しかし、膀胱の容量以上にオシッコが溜まるまで我慢すると我慢しすぎです。
作業に集中しても尿意を感じるほどの強い尿意がくるまで、おしっこを溜めてからすると良いでしょう。
オシッコ我慢の限界値
おしっこ我慢の限界値とは、一般的な膀胱の容量である500mlまでです。しかし、500mlまで溜まったら後は漏れるだけになるため、200〜300ml程度が理想と考えてください。
最初に尿意を感じる150ml程度は、苦痛なく我慢できる尿意です。その後、200〜300ml程度溜まると尿意が強くなり、他のことに集中しても尿意を感じるようになります。
500ml付近まで溜まると最大まで強い尿意となるため、これ以上我慢するとおしっこによる除菌ができず、膀胱炎のリスクになります。
とはいっても、いきなりおしっこの量を言われても自分がどれほどの量のおしっこを我慢しているのかわからないですよね。
自分の膀胱内の尿量を把握するためには「排尿日誌」がおすすめです。
排尿日記
計量カップや、ペットボトル・缶などを使用して計測すると、1回のおしっこ量がわかり、我慢しすぎているのかもう少し我慢していいのかがわかります。
まとめ
おしっこを我慢するとどうなるのかを解説しました。結論として、おしっこを我慢する前に自分の尿量を把握することが大切です。
排尿日記をつけて、数値化し自分の身体理解していくことが、我慢なのか、そうではないのかわかっていくことでしょう。
神楽岡泌尿器科では院長直通無料メール相談も承っております。
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また、YouTubeにも動画をあげているため、相談前に院長がどのような人なのか見てみたい方は、一度見てください。
当院の院長はオシッコスペシャリストとして、誰も教えてくれないオシッコの習慣・仕方について詳しく本にまとめています。
おしっこに悩む全ての人に捧げた本なので、お悩みの方は参考にしてみてください。
著者:渋谷秋彦