【医師監修】おしっこが臭い理由・原因と、病気の可能性について解説

「おしっこが臭い気がする…」「なんでおしっこの臭いが強いのだろう…」

このような悩みを抱えていませんか?

おしっこの臭いは生活習慣や身体の調子によって変わり、危険信号としてのサインの可能性があります。

おしっこの臭いをそのまま放置していると、抱えている病気が進行してしまい、大きな病気につながるケースもあるため、早めに対応するのが好ましいです。

そこで今回は、北海道の旭川市にある神楽岡泌尿器科が、おしっこの臭いの原因や考えられる原因について解説します。

おしっこの臭いが気になっている方は、参考にしてみてください。

【種類別】おしっこが臭い原因を特定しよう

おしっこが臭い原因は、主に5つに分けられます。

  1. ツンとくるアンモニア臭
  2. 甘い・果物のような臭い
  3. 腐敗臭
  4. いつもより濃い臭い
  5. 食材や飲み物による一時的な臭い

それぞれの原因について解説します。

1.ツンとくるアンモニア臭

おしっこをした際に、ツンとくるアンモニア臭を感じた場合は、尿が濃縮されている可能性があります。

尿は、水分不足や長時間の排尿我慢、睡眠中などに濃縮されやすくなり、その結果、朝一番の尿はアンモニア臭が強くなることがあります。

ほかにも、膀胱炎になるとアンモニア臭が強くなるほか、排尿時に痛みや濁りが出る場合もあります。

おしっこをするときにアンモニア臭だけでなく違和感がある場合は、泌尿器科で受診してみましょう。

2.甘い・果物のような臭い

おしっこが甘い・果物のような臭いがする場合は、糖やケトン体がおしっこに混ざっている可能性があります。

たとえば、糖尿病患者は血糖値が高く、糖がおしっこに漏れ出す場合があります。

ほかにも、糖質制限や絶食などを行ってしまうと、糖をエネルギー源としない代わりに、脂肪を分解して作る代替エネルギー「ケトン体」が増加し、おしっこが甘い臭いになりやすいです。

おしっこから、熟れた果実のような臭いや、甘酸っぱい臭いがした場合は、糖やケトン体が原因の可能性が考えられます。

3.腐敗臭

おしっこから腐敗臭のような臭いがする場合は、細菌感染や代謝異常が考えられます。

尿路感染症や膀胱炎などの病気になっている場合は、細菌によって腐敗臭がする場合があります。

たとえば、発熱や痛みを伴う場合は、感染の可能性が高いです。

タンパク質が分解される際に腐敗臭が出るため、発熱やおしっこ時に痛みを伴う場合は、泌尿器科で受診してみてください。

4.いつもより濃い臭い

いつもより濃い臭いがする場合は、水分不足や発汗過多による原因が考えられます。

たとえば、サウナ後や運動後は、汗や発熱によって水分不足になりやすく、おしっこをした際にいつもより濃い臭いが感じられやすいです。

水を飲んだ後に改善される場合は、一時的な脱水が考えられるため、こまめに水分補給を行いましょう。

5.食材や飲み物による一時的な臭い

食材や飲み物によって、一時的におしっこの臭いが強くなる場合があります。

具体例を挙げると、ニンニクやニラを食べた場合は、硫黄化合物によって刺激臭が感じられる場合があります。

ほかにも、ビタミンB群サプリを摂取すると、薬品のような臭いや濃い黄色のおしっこが出やすいです。

水分を摂って数時間から数日で消える場合が多いため、様子を見るとよいでしょう。

【男女別】おしっこが臭いときに考えられる原因

おしっこが臭いときに考えられる原因は、男性と女性によって変わります。

それぞれの原因について解説します。

男性

男性でおしっこが臭いと感じるときは、主に以下の3つが考えられます。

  • 前立腺炎
  • 前立腺肥大症
  • 前立腺がん

前立腺炎は、前立腺に細菌が感染し、炎症が起きる病気です。

感染によっておしっこに膿や細菌が混ざるため、アンモニア臭や腐敗臭のようなツンとした臭いが出やすいです。

また、前立腺肥大症は加齢によって前立腺が大きくなり、尿道を圧迫してしまいます。

おしっこが出にくくなることにより、膀胱内におしっこが残ってしまい、細菌が繁殖してアンモニア臭が強くなる場合があります。

前立腺がんは、前立腺の細胞ががん化して増殖する病気で、がん細胞が臭いを出すわけではありませんが、尿道の圧迫や感染の併発でおしっこが滞り、アンモニア臭や腐敗臭が出やすいです。

おしっこの臭いが数日続く場合や、濁ったり痛みが出たりする場合は、泌尿器科を早めに受診しましょう。

女性

女性でおしっこが臭いと感じる場合は、以下の3つが考えられます。

  • 膣内環境の乱れ
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 膀胱炎の再発

たとえば、膣には従来善玉の常在菌がいて、弱酸性に保たれていますが、バランスが崩れると雑菌が繁殖しやすくなり、臭いが出やすいです。

また、おしっこ以外にも、膣や外陰部からの分泌物や雑菌の臭いが混ざり、おしっこに強い臭いが出る場合もあります。

ほかにも、女性ホルモンは膣内の健康を保ち、悪玉菌を抑える働きがありますが、ホルモンが減少すると膣内の自浄作用が弱まり、雑菌が増えやすくなります。

ホルモンバランスや膣内環境の乱れによっておしっこに臭いが出る可能性があるため、ホルモンバランスが乱れていると感じる場合は、婦人科でホルモン検査を受けたり、保湿ケアをしたりするのが良いでしょう。

おしっこの臭いで病院を受診するべきサイン

おしっこ関連で病院を受診するべきサインは、主に5つあります。

  1. 尿の臭いが3日以上続いている
  2. 排尿時に痛み・違和感がある
  3. トイレが近い、残尿感がある
  4. 尿に血が混ざっている
  5. 発熱や背中・脇腹の痛みがある

それぞれの内容について解説します。

1.尿の臭いが続いているが悪化する

食べ物や一時的な水分不足による臭いは、通常の水分補給程度で収まります。

3日以上続く場合は、食べ物や一時的な水分不足以外の可能性があり、病院で受診するのがおすすめです。

細菌感染や代謝異常、糖尿病などの可能性が考えられるため、泌尿器科で受診してみるのを検討してみてください。

2.排尿時に痛み・違和感がある

排尿時に痛みや違和感がある場合は、病院で受診をするのが良いでしょう。

排尿時の痛みや違和感は、尿道や膀胱に炎症が起きているサインです。とくに、細菌感染や結石によって、おしっこが通るときに刺激されて痛みが出ます。

排尿時の痛みや違和感を放置していると痛みが強くなるだけでなく、大きな病気につながる可能性があるため、早めに病院に行きましょう。

3.トイレが近い、残尿感がある

トイレが近いときや、残尿感があるときは、膀胱や前立腺などの排尿コントロールに関わる臓器にトラブルが起きている可能性があります。

おしっこを出し切れていないと、菌が繁殖しやすく、臭いが強くなることがあります。

たとえば、おしっこのために夜中に何度も起きたり、出したはずなのにまたすぐに行きたくなったりする場合は、病院の初期サインの可能性があるため、病院で受診しましょう。

4.尿に血が混ざっている

おしっこに血が混ざっているときは、病院で受診をした方が良いサインです。

血尿は、腎臓から尿道までのどこかに炎症や損傷、腫瘍があるサインとなっています。

また、見た目に赤くなくても、検査で潜血が出ることもあります。考えられる病気は、膀胱炎や腎盂腎炎、尿路結石などです。

たとえば、おしっこをした後に下腹部が痛いと感じるときや、おしっこが赤っぽい・茶色っぽいと感じる場合は、腎臓や膀胱の病気が考えられるため、早めに受診することが大切です。

基本、目で見て赤いオシッコ(肉眼的血尿)の場合はすぐに泌尿器科受診を検討して下さい。

5.発熱や背中・脇腹の痛みがある

おしっこ時に臭いが強いだけでなく、発熱や背中・脇腹などの痛みが出る場合は、病院で受診をするのがおすすめです。

発熱や背中の痛みは、腎臓まで感染または炎症が広がっているサインです。放置していると、腎盂腎炎など重症化する可能性があります。

早めに医療機関に訪れて、受診しましょう。

関連記事:尿路結石の症状とは?前兆や初期症状について泌尿器科専門医が解説

関連記事:頻尿は膀胱炎のサイン?症状の見分け方・原因・受診目安を徹底解説

いつもと違うおしっこの臭いが続くときは「泌尿器科」を受診しよう

いつもと違うおしっこの臭いが続くときは、泌尿器科を受診しましょう。泌尿器科で行われる検査は主に「尿検査」となり、痛みはありません。

おしっこの臭いは、体のどこかに異常が起きているサインであることが多く、泌尿器科医であれば原因を特定できる可能性があります。

おしっこの臭いが3日以上続くときは、専門医に相談するのが安心です。

 おしっこの臭いを予防する生活習慣

おしっこの臭いを予防する生活習慣は、主に3つ挙げられます。

  1. こまめな水分補給
  2. 食生活の改善
  3. 生活習慣の改善

それぞれの生活習慣について解説します。

1.こまめな水分補給

おしっこの臭いを予防したい場合は、こまめに水分補給を行いましょう。

水分が不足すると、尿が濃くなってアンモニアなどの臭い成分が強くなります。

意識的に水を飲むことで、尿が薄まり臭いを予防できます。1日1.5〜2L程度を目安に、水分補給を行うのがおすすめです。

2.食生活の改善

食べ物によっておしっこの臭いが変化することがあるため、食生活が乱れている場合は改善を意識しましょう。

たとえば、甘いものの摂り過ぎは、おしっこの臭いに影響するので、お菓子やジュースを控えめにするのがおすすめです。

ほかにも、にんにくやニラ、玉ねぎなどの匂いが強い食材を食べすぎないようにしましょう。

3.生活習慣の改善

生活リズムの乱れやストレス、睡眠不足などは、体の代謝やホルモンバランスを崩すため、おしっこの臭いに影響が出ます。

たとえば、1日7時間程度の睡眠をしっかりと取ることで、代謝を整えられます。

ほかにも、過度なアルコール摂取を控え、こまめに水分補給を行うことで、尿が濃くなってしまう状態を防ぐことが可能です。

トイレを我慢せず、2~3時間に1回程度排尿する習慣を作りましょう。

まとめ

おしっこの臭いは、病気の可能性があったり、食べ物や飲み物によって一時的に起きていたりする可能性があります。

とくに、おしっこの臭いで腐敗臭や甘い果物のような臭いがする場合は、病気が原因として考えられます。

そういう場合は、早めに病院を受診することで病気の早期発見にもつながるため、おしっこの臭いや排尿時の違和感など、気になることがある場合は早めに泌尿器科で受診しましょう。

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