
「性生活で悩んでいるけれど、誰にも相談できない…」「クリニックを受診するのは恥ずかしい」
男性の性機能に関する悩みは、デリケートな問題なだけに一人で抱え込みがちです。しかし、性機能障害は適切な治療で改善できる可能性が高い症状です。
今回は、男性の性機能障害について、その原因や種類、改善方法、そして受診のポイントまでをわかりやすく解説します。パートナーとの関係を前向きにするためにも、まずは自分の体のことを正しく知ることから始めましょう。
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性機能障害とは?
性機能障害とは、男性の性機能における、性欲、勃起、性交、射精、または極致感(快感、オルガズム)のうち、1つ以上が欠けるか、または不十分な状態を指します。
男性の性機能は、以下の3つの要素が連携することで成り立っています。
- 性欲:性行為をしたいという願望。
- 勃起:性的興奮によって陰茎が硬くなる状態。
- 射精:精液が体外へ放出される状態。
これらの機能のいずれかに問題が生じると、性機能障害と診断されます。中でも特に多いのが、勃起不全(ED)や射精障害(早漏、遅漏など)です。これらの症状は単独で起こることも、複数重なって現れることもあります。
性機能障害の原因とその特徴
性機能障害の原因は、大きく分けて身体的要因と精神的要因の2つがあります。
身体的要因(血管・神経・ホルモン)
性機能障害の多くは、身体の機能的な問題によって引き起こされます。
- 血管系
勃起は陰茎海綿体に血液が流入することで起こるため、血管の病気が直接的な原因になります。高血圧、糖尿病、動脈硬化、心臓病などの生活習慣病は、ED(勃起不全)の主な原因となります。
- 神経系
勃起や射精は、脳から陰茎に伝わる神経の指令によって制御されています。脊髄損傷や、前立腺がん・直腸がんの手術で神経が損傷すると、性機能障害につながることがあります。
- ホルモン
性的欲求や勃起には、男性ホルモンであるテストステロンが深く関与しています。加齢やストレス、病気によってテストステロンが減少すると、性欲の低下や勃起障害の原因になります。
精神的要因(ストレス・不安・うつ)
身体には問題がないのに性機能障害が起こる場合、心理的な要因が関係している可能性があります。
- 不安・緊張
「勃起できなかったらどうしよう」「パートナーにどう思われるか」といったプレッシャーや不安は、性機能に大きく影響します。特に経験が少ない方や、過去に失敗した経験がある方に多いのが特徴です。
- ストレス
仕事や人間関係の過度なストレスは、自律神経やホルモンバランスを乱し、性欲の低下や勃起力の減退につながることがあります。
- 精神疾患
うつ病や神経症といった精神疾患、またはその治療薬が性機能障害を引き起こすこともあります。
生活習慣(睡眠・喫煙・アルコール・肥満)
日々の生活習慣も、性機能に大きな影響を与えます。
- 睡眠不足
テストステロンは睡眠中に分泌されるため、睡眠不足は男性ホルモンの低下を招き、性欲や勃起力に悪影響を及ぼします。
- 喫煙・飲酒
喫煙は血管を収縮させ、動脈硬化を進行させるため、勃起障害の大きなリスク要因となります。また、多量のアルコールは中枢神経を麻痺させ、性的興奮を抑制する可能性があります。
- メタボリックシンドローム
肥満は生活習慣病の原因となるだけでなく、男性ホルモンの分泌を妨げるため、性機能障害に繋がりやすいとされています。
性機能障害の主な症状と改善方法
性機能障害には、症状や原因によっていくつかの種類があります。それぞれの改善方法を解説します。
勃起不全(ED)の改善方法
性行為に十分な勃起が得られない、または維持できない状態です。日本の成人男性の3人に1人がEDであるとされています。
- 薬物療法
勃起を補助するPDE5阻害薬(バイアグラ、シアリスなど)の服用が第一選択となります。これらは陰茎への血流を促すことで、性的興奮があった際に勃起をサポートします。
- 生活習慣の改善
喫煙、過度の飲酒、肥満など、EDの原因となる生活習慣を見直すことが重要です。
- 心理カウンセリング
心理的な原因が強い場合、専門家によるカウンセリングやパートナーとの話し合いが有効です。
性欲低下時のアプローチ
性的な刺激への関心や意欲が低下する状態です。
- ホルモン補充療法
テストステロンの低下が原因の場合、男性ホルモン補充療法が検討されます。
- 生活習慣の改善
十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動は、テストステロンの分泌を促します。
- ストレス管理
ストレスが原因の場合、趣味やリラックスできる時間を作るなど、ストレス軽減を心がけることが大切です。
早漏の対策と治療法
膣への挿入前や挿入後すぐに射精してしまう状態です。
- 薬物療法
海外では早漏治療薬(プリリジー)がありますが、日本では未承認のため、代わりに抗うつ薬などが使用されることがあります。
- 行動療法
「ストップ&スタート法」や「スクイーズ(圧迫)法」といった、射精感をコントロールするトレーニングが有効です。
- 局所麻酔薬
陰茎の感覚を鈍らせる麻酔スプレーなども使用されます。
性機能障害の実際の治療方法
性機能障害にはさまざまな治療法があり、それぞれに特徴やメリットがあるので紹介します。
薬物治療(バイアグラ・シアリスなど)
ED治療の第一選択として、PDE5阻害薬が用いられます。これらの薬は、陰茎の血管を広げて血流を増やし、自然な勃起を助けます。効果の持続時間や食事の影響が異なるため、医師と相談して自分に合った薬を選びましょう。
カウンセリング・心理療法
心因性の性機能障害には、心理的なアプローチが有効です。一人で抱え込まず、専門のカウンセラーに相談することで、性行為に対する不安やプレッシャーを軽減し、問題の根本解決を目指します。
ホルモン補充療法(LOH症候群対策)
加齢による男性ホルモン低下(LOH症候群)が原因で性機能障害が起こっている場合、テストステロン製剤を注射するホルモン補充療法が行われることがあります。性欲や意欲の改善が期待できます。
性機能障害を感じたら?受診の流れ
性機能の悩みは、一人で抱え込む必要はありません。専門医に相談することで、より早く解決の糸口が見つかります。
何科に行くべきか?
男性の性機能障害は、泌尿器科が専門です。総合病院の泌尿器科や、男性不妊・メンズヘルスを専門とするクリニックを受診しましょう。最近では、オンライン診療に対応しているクリニックも増え、より手軽に相談できるようになっています。
検査内容・費用の目安
初診時には、問診票への記入、医師による問診、そして身体診察が行われます。必要に応じて以下の検査が追加されます。
- 精液検査:精子濃度や運動率などを調べます。(男性不妊治療の場合に推奨)
- 血液検査:ホルモン値、血糖値、コレステロール値などを確認します。
- 超音波検査:精巣や前立腺、精索静脈瘤の有無などを確認します。
治療にかかる費用は、原因や治療法によって異なりますが、PDE5阻害薬の処方など、多くの治療は自費診療となります。診察前に費用の目安を確認しておくと安心です。
性機能の悩みは、恥ずかしいと感じる方も多いでしょう。しかし、医師は性機能障害の専門家であり、多くの患者さんを診てきたプロフェッショナルです。まずは相談することから始めましょう。パートナーと悩みを共有し、一緒に受診することも、前向きな解決への第一歩となります。
まとめ
男性の性機能障害は、年齢や生活習慣に関わらず誰にでも起こりうるものです。一人で悩みを抱え込まず、まずは泌尿器科の専門医に相談することが、ご自身の健康とパートナーとのより良い関係を築くための第一歩です。どうぞお気軽にご相談ください。
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北海道旭川市にある神楽岡泌尿器科は、「かかりつけ医」になることを目指し、患者本位で、気軽に緊張せずに受診していただける病院づくりを目指しています。
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▶子どもが大好きな渋谷院長先生はどんな人?

【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など