無精子症の一部原因|精路通過障害とは?原因・検査・治療法をわかりやすく解説

「精液検査で精子がいないと言われた」「無精子症と診断されたけれど、原因がわからない」とお悩みではありませんか?

精子が全く見つからない無精子症は、大きく2つのタイプに分けられます。一つは精子を造る機能自体に問題がある「非閉塞性無精子症」、そしてもう一つは、精子は造られているのに体外に出られない「閉塞性無精子症」です。

この閉塞性無精子症の主な原因となるのが、精路通過障害です。

精路通過障害は、適切な診断と治療によって、精液中の精子を取り戻したり、妊娠を実現したりできる可能性を秘めています。

この記事では、精路通過障害の専門家が、その原因から検査、治療法、そして妊娠の可能性までをわかりやすく解説します。

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精路通過障害とは?

精路通過障害とは、精子が精巣で正常に作られているにもかかわらず、精子が体外に射出されるまでの「通り道」(精路)に何らかの異常や閉塞があり、精子が尿道まで出てこられない状態を指します。

精路が完全に詰まっている場合、射出される精液には精子が全く含まれず、閉塞性無精子症と診断されます。精液検査で精子がゼロである無精子症のうち、約20%がこの閉塞性無精子症に該当すると言われています。

精子を造る機能自体に問題がある「造精機能障害」とは異なり、精路通過障害は、精巣の精子製造機能には問題がないため、適切な治療によって妊娠の可能性を高めることができます。

精路通過障害の原因と種類

精路通過障害には、いくつかの原因が考えられます。

先天性の精管欠損

精子の通り道である精管が、生まれつき形成されないケースです。最も多いのは「先天性両側性精管欠損症(CBAVD)」で、両側の精管が欠損しているため、精子が体外に排出されません。この場合、精巣での精子形成は正常であることがほとんどです。

感染症や精巣上体炎による閉塞

クラミジアや淋菌などの性感染症(STD)や結核が原因で、精巣上体や精管が炎症を起こし、その後に管がふさがってしまうことがあります。特に両側の精巣上体炎が起きた場合、精路が閉塞して無精子症につながることがあります。

手術や外傷の後遺症

精路通過障害の後天的な原因として最も頻度が高いのが、過去の手術による精管の損傷です。

  • 精管結紮術(パイプカット)後:避妊目的で行われた手術によって精管が意図的に閉塞されます。
  • 小児期の鼠径ヘルニア手術後:手術の際に、非常に細い精管が気づかないうちに損傷し、閉塞してしまうことがあります。

精路通過障害の診断方法と検査内容

精路通過障害は自覚症状がほとんどないため、正確な診断のためには専門的な検査が不可欠です。

精液検査と精巣サイズの測定

まず、精液検査を複数回行い、精液中の精子の有無や状態を確認します。精子数が少ない「乏精子症」や、精子が全く見られない「無精子症」と診断された場合、精路通過障害の可能性があります。

また、視診・触診で精巣の大きさや硬さを確認します。精路通過障害の場合、精子を作る機能は正常なので、精巣のサイズや硬さは正常であることが多いです。

ホルモン検査・超音波検査・精巣生検の流れ

精路通過障害と造精機能障害を鑑別するために、以下の検査が行われます。

  1. ホルモン検査

血液検査で精子形成に関わるホルモン値(FSH、LHなど)を測定します。閉塞性無精子症の場合、精子を作る機能に問題がないため、ホルモン値は正常範囲内であることが多いです。

  1. 超音波検査

精巣や精巣上体の状態、精索静脈瘤の有無、精嚢や射精管の異常(経直腸超音波検査)を確認します。

  1. 精巣生検

精巣から組織を一部採取し、実際に精子が存在するかどうかを顕微鏡で確認します。これにより、精子を造る機能があるかどうかを確定診断できます。

これらの検査を総合的に判断することで、精路通過障害の正確な診断に至ります。

精路通過障害でも妊娠は可能?

精路通過障害と診断された場合でも、適切な治療を受けることで妊娠は可能です。精巣で精子が正常に作られていることが確認できれば、妊娠への道は大きく開かれています。

自然妊娠との関係

精路の閉塞が原因の場合、手術で精路を再開通させる精路再建術が有効です。精管結紮術後の精管閉塞が原因の場合、精管精管吻合術によって80%〜90%の確率で精液中に精子が認められると報告されており、自然妊娠も期待できます。

体外受精(IVF)・顕微授精(ICSI)での実績

精路再建術が難しい場合や、再開通しても精子が出現しない場合でも、精巣から直接精子を採取する手術によって精子を得ることができます。

  • 精巣内精子採取術(TESE)や精巣上体精子回収法(MESA)によって精子を採取し、パートナーの卵子に直接精子を注入する顕微授精(ICSI)を行うことで、妊娠が目指せます。
  • 閉塞性無精子症の場合、精子形成は正常なので、精子採取率はほぼ100%と非常に高いのが特徴です。

まとめ

精路通過障害は、男性不妊の中でも治療の成功率が高い病態の一つです。痛みなどの自覚症状が乏しく、発見が遅れがちですが、精液検査やホルモン検査、超音波検査などを通じて正確に診断することが何よりも重要です。

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