
「尿漏れがじわじわと続くことがある…」
このような悩みを抱えている男性も多いのではないでしょうか。
排尿後に下着が濡れてしまう尿漏れは、年齢のせいだろうと放置してしまう男性も少なくありません。
しかし、じわじわ尿漏れを放置していると、皮膚トラブルや感染症の原因につながります。
そこで本記事では、北海道の旭川市にある「神楽岡泌尿器科」が、じわじわ続く尿もれの原因や症状について解説します。
自宅でできる対策や受診の目安も含めて紹介しているので、参考にしてみてください。
トイレ後に下着が湿る…“ちょいモレ”の正体とは?

トイレでしっかりと排尿したのにもかかわらず、ズボンを上げた直後や歩き始めた瞬間に数敵しみる「ちょいモレ」の正体は、「排尿後尿滴下(はいにょうごにょうてきか)」と呼ばれます。
男性は女性と比べると尿道が長く、とくに根本の部分が少し曲がっている構造となっているため、排尿後に尿道内部に少量の尿が残りやすいことが原因です。
たとえば、ズボンを上げた直後や歩き始めた瞬間以外に、しゃがんだり立ち上がったりしたタイミングなど圧力がかかったタイミングでじんわりと外に出てしまう場合は、排尿後尿滴下を起こしています。
放置していると皮膚トラブルや感染症リスクがあるため、頻繁に続く場合は、早めに泌尿器科医に相談しましょう。
「年齢のせい」と放置しがちな理由とリスク
じわじわ尿が漏れる排尿後尿滴下は、年齢のせいだと放置をしてしまう男性が少なくありません。
「年齢のせいだ」と放置してしまう男性が多い理由は、以下の3つが挙げられます。
- 少量だから大したことがないと思い込んでいる
- 恥ずかしくて相談しづらい
- 仕事が忙しく自分の体の変化に気づきにくい
男性のちょい漏れは、トイレ後に下着に数敵漏れる程度なので、仕方ないと考えている方も多いです。
また、前立腺の話題は恥ずかしいと考えてしまい、家族や病院に相談しづらいと考える男性もいます。
さらに、仕事が忙しく気に留めないという状態になってしまう方もいます。
しかし、じわじわ尿漏れを放置してしまうと、肌トラブルや臭いの原因になりやすいため、注意が必要です。
加えて、前立腺や泌尿器の病気のサインを逃してしまう可能性があるため、じわじわ尿漏れの頻度が多い場合は、泌尿器科医に相談しましょう。
考えられる原因と病気について

じわじわ尿漏れで考えられる原因・病気は、以下の3つです。
- 排尿後尿滴下
- 前立腺肥大症
- 神経性・溢流性尿失禁などの可能性も
それぞれの原因・病気について解説します。
排尿後尿滴下
尿漏れの最も多い原因は、排尿後尿滴下です。
排尿後尿滴下は、尿道の中に少し尿が残ってしまい、歩いたりしゃがんだりした際に漏れ出る状態です。
男性に起こりやすいトラブルで、デスクワークや加齢による筋力低下が原因として挙げられます。
たとえば、トイレ後にズボンを上げた際、尿がじんわりと出て濡れてしまう状態を指します。
放置してしまうと、皮膚トラブルや臭いの原因になるため、注意が必要です。
前立腺肥大症
じわじわ尿漏れは、前立腺肥大症の可能性も挙げられます。
前立腺肥大症は、50代以上の男性に多く、前立腺が大きくなり尿道を圧迫してしまう状態です。
尿道が圧迫されることにより、尿が出にくかったり、出しきれなかったりするため、残った尿が動く動作とともなって漏れて出てしまいます。
トイレでしっかりと出したつもりなのに、立ち上がると残りが少し漏れる場合や、夜中に2~3回トイレに起きるという場合が該当します。
神経性・溢流性尿失禁などの可能性も
じわじわ漏れは、尿が溜まり過ぎて溢れ出てしまう神経性・溢流性(いつりゅうせい)尿失禁の可能性も挙げられます。
膀胱がうまく収縮せず、神経の働きが鈍ることで尿が溜まりすぎてしまい、溢れ出た分が尿漏れとして現れる症状です。
糖尿病による神経障害や、脊髄の病気・手術後などに起きる場合があります。
放置すると、膀胱炎や腎臓への負担にもつながる可能性があるため、早めに泌尿器科に受診するのがおすすめです。
尿漏れが続くとどうなる?

尿漏れが続くと、日常生活や精神に影響が出てしまいます。
- 皮膚トラブル・感染症・外出制限
- 精神的ストレスや自信喪失
それぞれの影響について解説します。
皮膚トラブル・感染症・外出制限
じわじわ尿漏れが続くと、皮膚トラブルや感染症、外出制限などの身体や日常生活に影響が出やすいです。
とくに尿漏れが続くと、デリケートゾーンの皮膚が長時間湿った状態になるため、かゆみや赤み、かぶれなどの皮膚炎を起こしやすいです。
ほかにも、濡れた状態を放置することで雑菌が繁殖し、膀胱炎などの感染症につながる場合があります。
また、尿漏れが続くことで、周りの人に気づかれるという不安が強まり、外出や活動から遠ざかってしまう可能性があります。
そのため、尿漏れが続く場合は、泌尿器科で受診するのがおすすめです。
精神的ストレスや自信喪失
じわじわ尿漏れは、精神的ストレスや自信喪失にもつながりやすいです。
尿漏れは「誰にも言えない」「恥ずかしい」と感じる男性が多く、徐々に自己肯定感や自信が下がってしまう場合があります。
たとえば、漏れるかもしれないという不安で気持ちが落ち着かなかったり、臭いやシミを指摘されて行動が消極的になったりする場合もあります。
精神的ストレスや自信喪失から軽度のうつ状態に発展してしまう場合もあるため注意が必要です。
自宅でできる尿漏れ対策

自宅でできる尿漏れ対策は、主に3つあります。
- 陰茎ミルキングで残尿を出し切る
- 前立腺ケアに効果的な下半身筋トレ
- 水分・睡眠・排尿習慣の見直しポイント
それぞれの対策について解説します。
陰茎ミルキングで残尿を出し切る
自宅でできる尿漏れ対策として、陰茎ミルキングで出し切る方法が挙げられます。
陰茎ミルキングとは、尿道に残った尿を物理的に押し出すテクニックです。
排尿後に軽く前かがみになり、陰茎の付け根に指を添えて先端に向かってゆっくりと押し出します。
2~3回繰り返し、最後に軽く股を上げて尿道の奥に残った分も出し切ると、尿漏れが起きにくいです。
前立腺ケアに効果的な下半身筋トレ
前立腺ケアに効果的な下半身筋トレは、尿漏れ対策としておすすめです。
下半身筋トレは、以下の流れで実施してみてください。
- 仰向けまた椅子に座る
- 肛門と尿道を同時に締める
- 5秒キープ
- 5秒休む
上記の1~4を10回・1日2~3セット実施するのがおすすめです。
骨盤底筋を鍛えることができ、排尿をコントロールする力が高まります。
また、前立腺周りの血流改善にも役立ちます。
ほかにも、スクワットやヒップリフトなどの筋トレも併せて実施すると良いでしょう。
水分・睡眠・排尿習慣の見直しポイント
尿漏れ対策として、水分・睡眠・排尿習慣の見直しもおすすめです。
たとえば、水分は1日1.2~1.5Lを目安に摂取しましょう。
ちょい漏れが気になるからという理由で水分を控える方もいますが、水分摂取を控えることで尿が濃くなり、膀胱刺激が強くなって漏れやすくなる可能性があります。
また、カフェインやアルコールも膀胱を刺激するため、摂取量を抑えると良いでしょう。
さらに、睡眠不足は自律神経を乱してしまうため、膀胱が過敏になりやすい傾向があります。
寝る直前のスマホ操作や夜のカフェインを控え、温かいお風呂で血流を改善させて寝床につくのがおすすめです。
排尿習慣は、トイレに行きたい状態を5分程度我慢し、問題なければ少しずつ我慢の時間を延ばしていきます。
水分・睡眠・排尿習慣の見直しをするだけで、尿漏れを防ぐことができる場合があるため、試してみてください。
尿漏れの受診の目安と相談先

じわじわ尿漏れが起きるという方は、病院で受診しましょう。
次は、泌尿器科での診察の流れや誰に相談するべきなのか解説します。
泌尿器科での診察内容と流れ
泌尿器科では、以下の流れで診察を進めます。
- 問診
- 尿検査
- 体格・腹部・下腹部の触診
- 尿流量測定検査(必要であれば)
- 診断と治療方針の説明
基本的には、問診・尿検査・触診で症状を確認し、治療方針を決める場合が多いです。
必要であれば、尿の勢いや時間の測定、尿道・膀胱機能の確認などを行います。
過活動膀胱や前立腺肥大症などの病気が原因の場合は、薬物療法によって症状を抑えます。
「誰に相談すればいい?」と迷ったら
じわじわ尿漏れで悩んでいる場合は、泌尿器科に相談しましょう。
内科でも相談可能ですが、泌尿器科は尿漏れや排尿トラブルなどを専門とする診療科になるため、より適切な検査や治療を受けられます。
たとえば、高血圧・糖尿病などの生活習慣病がある場合は、全身の健康状態を踏まえて内科医に診てもらうのも一つの方法です。
尿漏れが気になる場合は、生活の質の低下や皮膚トラブルが起きる前に、泌尿器科医に相談してみてください。
まとめ

じわじわ尿漏れは、「恥ずかしい」という気持ちや「大したことはない」という考えから放置をしてしまう男性も多いです。
しかし、尿漏れが起きている状態を放置してしまうと、皮膚トラブルや感染症、精神的ストレスなどさまざまな影響があります。
また、病気の可能性もあるため、尿漏れが気になっている方は、早めに泌尿器科医に相談しましょう。
聞きにくいことは「メール無料相談」で承ります

北海道旭川市にある神楽岡泌尿器科は、「かかりつけ医」になることを目指し、患者本位で、気軽に緊張せずに受診していただける病院づくりを目指しています。
「尿漏れのことで悩んでいる」という方は、院長による無料メール相談も行っておりますので、まずはお気軽に疑問点や懸念内容をご相談ください。
病院まで来られない方々にも往診で対応可能です。患者さんご本人だけでは無くご家族の方々からのご相談にもお答えします。
▶子どもが大好きな渋谷院長先生はどんな人?

【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など



