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お酒と上手に付き合う⑤特定保健用食品と機能性表示食品とは

全5回でご紹介しますお酒と上手に付き合う方法について、
最終回は【特定保健用食品と機能性表示食品について】ご紹介します。

【過去記事一覧】
①お酒との付き合い方
②アルコールと生活習慣病
③アルコールと高尿酸血症(プリン体マップ付)
④アルコールと糖尿病

⑤特定保健用食品と機能性表示食品とは

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特定保健用食品(トクホ)

健康の維持増進に役立つことが科学的根拠に基づいて認められ、「糖の吸収をおだやかにする」などの表示が許可されている食品です。表示されている効果や安全性については国が審査を行い、食品ごとに消費者庁が許可しています。

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このマークが目印

食品ごとにヒトを使った試験が必要。
国の厳しい審査を通った食品だけが許可をもらえる。

機能性表示食品

事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものです。ただし、特定保健用食品と異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありません。

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必ずパッケージに注意喚起等の記載があります。

食品ごとに試験をする必要はない。
論文などをもとに科学的根拠を示せば届け出るだけで表示できる。

健康を維持していくには、バランスの取れた食事をとることが基本です。
特定保健用食品や機能性表示食品も、バランスの取れた食事の中で使うことが大切で、決して、特定保健用食品や機能性表示食品さえ食べれば(飲めば)、食生活の中で暴飲暴食をしてもよいというものではありません。その大切さを知ってもらうため、特定保健用食品や機能性表示食品のパッケージには「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」と書かれています。
商品を上手に選んで、食生活の改善のきっかけとなるようにしていきましょう。
自分に合っているかわからない場合は、かかりつけの管理栄養士や医師に相談してみましょう。

 

お酒と上手に付き合う④アルコールと糖尿病

全5回でご紹介しますお酒と上手に付き合う方法について、
今回は【アルコールと糖尿病について】ご紹介します。

【過去記事一覧】
①お酒との付き合い方
②アルコールと生活習慣病
③アルコールと高尿酸血症(プリン体マップ付)

④アルコールと糖尿病

アルコールには血糖値のコントロールを乱す作用があるため、一般的に糖尿病の方にとって飲酒は良くないとされています。
アルコール自体には血糖値を上昇させる作用はありません。アルコールは1gあたり7kcalと高カロリーであるにも関わらず、体内でブドウ糖に戻ることがないため、アルコールのエネルギーに血糖値を上昇させる力はないのです。しかし、アルコールそのものが、肝臓内のグリコーゲンのブドウ糖への分解を促進させる作用があるため、飲酒後は一過性ではありますが、血糖値を上昇させてしまいます。

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お酒の選び方

注意すべきは、お酒(アルコール飲料)には糖質も含むものもあるということです。
その場合、お酒を飲むことで糖質も摂取し、血糖値が上がってしまうのです。

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お酒の中でも「糖質オフ」「カロリーオフ」「ノンアルコール飲料」などが市販されています。特にビールや発泡酒などはさまざまな種類が販売されています。エネルギー制限などがある糖尿病患者さんにおいても、このような飲料を活用するのは賢い手といえます。
しかし、”オフ”や”ゼロ”と表示されていても、全く含まれないということではありません。健康増進法に基づく基準では、飲料の場合、100mlあたり糖類が0.5g未満ならば「糖質ゼロ(オフ)」と表示ができます。また、カロリーが20kcal以下ならば「カロリーオフ」と表示ができます。また「ノンアルコール飲料」も、糖類もカロリーも控えめのものが主流ですが、成分はさまざまです。成分表示をよく確かめることと、自分に合っているかがわからない場合は、選ぶ前にかかりつけの医師や管理栄養士に相談するようにしてくだい。

ノンアルコール飲料を活用する

医師からアルコールを禁止または減酒をするよういいわれた方は、ノンアルコール飲料を活用することも一つです。今まで飲んでいたものをノンアルコール飲料に替えたり、お酒を楽しむ場面でノンアルコール飲料を選ぶことで、ストレスを少なく、コントロールをしていくことができます。最近ではアルコール0だけでなく、味や成分でさまざまな種類のノンアルコール飲料が発売されています。自分に合った商品を選んで付き合っていくことで食事のコントロールをうまくすることにつながるでしょう。

難消化性デキストリンとは?

トウモロコシのでんぷんから作られている水溶性食物繊維の一種。
整腸作用、食後血糖値の上昇抑制作用、食後中性脂肪の上昇抑制作用の3つの作用で、消費者庁より特定保健用食品(トクホ)の許可実績が十分であるなど、科学的根拠が蓄積されています。

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いつもの食事に糖分はどれくらい?

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お酒と上手に付き合う③アルコールと高尿酸血症

全5回でご紹介しますお酒と上手に付き合う方法について、
今回は【アルコールと高尿酸血症について】ご紹介します。

【過去記事一覧】
①お酒との付き合い方
②アルコールと生活習慣病

③アルコールと高尿酸血症(プリン体マップ付)

尿酸とプリン体

alcohol_7尿酸とは

新陳代謝によって古い細胞が分解されるとき、細胞の中の核が壊れて「プリン体」が放出されます。プリン体が肝臓で壊される時に生じる老廃物が「尿酸」です。

プリン体とは

プリン体は、食品中では主に旨味成分にあたる核酸を構成する成分です。
約8割が体内で作られ、残り約2割は食物から体内に取り込まれます。

尿酸値が上がったらどうなるの?

尿酸値が7.1mg/dlを超えた状態を高尿酸血症といいます。
高尿酸血症は、関節内に尿酸塩結晶が沈着し炎症を起こし痛みを伴う「痛風」を引き起こします。また、無症状であってもメタボリックシンドロームとも関連が深い将来の動脈硬化に関わる大事な因子です。内臓脂肪と尿酸値とは相関しますし、高尿酸血症自体も独立した心血管・脳血管疾患のリスク因子となります。

アルコールが尿酸値を上げる?

アルコールは体内でプリン体の分解を促進し、尿酸の尿中排泄を抑制します。
飲酒習慣のある方は、節酒及び禁酒が必要です。
また、食事からのプリン体摂取を控えることも重要です。
おつまみやお酒の種類もプリン体が少ないものを選びましょう。

アルコール飲酒による高尿酸血症のしくみ

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尿酸値を下げるには?

生活習慣の改善が必要です

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食生活のポイント

アルコールを控える

1日の目安としてはビール類であれば500mlまでとし、週2回以上の禁酒日を作りましょう。また、ビール類にはその中にもプリン体が含まれますので、プリン体0(ゼロ)の商品を選ぶと、プリン体の摂取を控えられます。厳格な飲酒制限はストレスとなり、暴飲暴食の結果につながる方もいらっしゃいます。いままでの飲酒の量が多かった方は、必ずかかりつけの医師、管理栄養士と相談し、いままでの習慣を少しずつ変えていきながら、節酒及び禁酒につなげていきましょう。

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アルカリ性の食品を積極的に摂る

高尿酸血症の方は尿が酸性の方が多いです。尿をアルカリ性にすることで、尿酸が溶けやすく、排泄されやすくなります。

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水分を十分に摂る

水分の摂取が少なく尿が濃くなると尿酸が尿に溶けにくくなります。
コップ1杯程度の水をこまめに飲むようにしましょう。

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プリン体の過剰摂取を控える

尿酸生成のもとになるプリン体を、食事からできる限り控えましょう。

プリン体の多い食品を知る

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下記のプリン体マップを参考にしてみましょう。

プリン体マップ

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プリン体の少ない食品をうまく取り入れる!

厳格にプリン体を制限すると、食事を楽しめずストレスとなりうまくいかないケースもありますので、上記のプリン体の多い食品をなるべく控えることと併せて、いままで摂っていた食品をプリン体の少ない食品に置き換えるなどの工夫をしてみましょう。

お酒と上手に付き合う②アルコールと生活習慣病

全5回でご紹介しますお酒と上手に付き合う方法について、前回は①お酒との付き合い方をご紹介しました。今回はお酒好きの方も気になる【アルコールと生活習慣病について】ご紹介します。

②アルコールと生活習慣病

アルコールと生活習慣病

大量の飲酒を続ける生活習慣は、さまざまな生活習慣病を引き起こします。
脂肪肝、肝炎、肝硬変といった肝機能障害はもちろんのこと、すい臓炎、糖尿病、高血圧、動脈硬化症、心臓疾患、脳血管障害など、全身のあらゆる病気の原因になるといっても過言ではありません。がんについては、特に咽頭がん、口腔がん、食道がん、大腸がん、乳がんなどは大量飲酒と強い因果関係が指摘されています。お酒の飲み過ぎで病気にならないように、日ごろの飲酒を適量に保ちましょう。

さらに、定期的に健康診断を受けるなどの一次予防を心がけましょう。
また、すでに病気に罹っている方は、治療に際し、アルコールを制限する必要があります。体の状態をみて、必ずかかりつけの医師や管理栄養士の指示にしたがいましょう。

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アルコールと薬

お酒と薬をいっしょに飲むと、薬の種類によっては体への影響が強くあらわれることがあります。薬もアルコールと同じく肝臓で分解されるため、肝臓には二重の負担がかかることになるのです。結果として長時間、体に薬の影響が残ることになり、場合によっては生命にかかわる事態になることもあります。
特に睡眠剤、精神安定剤、糖尿病の薬などをお酒といっしょに飲むことは避けましょう。また、胃薬の中にはアルコールといっしょに飲むとアルコールの分解を弱めてしまうものがあります。
薬は必ずお水または白湯で服用しましょう。

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お酒と上手に付き合う①お酒との付き合い方

今回から全5回に分けて、お酒と上手に付き合う方法について、たまに耳にするものの意味がよくわからない用語や病気の紹介等も含めて、下記の項目ごとにご紹介したいと思います。

①お酒との付き合い方
②アルコールと生活習慣病
③アルコールと高尿酸血症(プリン体マップ付)
④アルコールと糖尿病
⑤特定保健用食品と機能性表示食品とは

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①お酒との付き合い方

お酒は、楽しい時間を与えてくれたり、食事を引き立たせてくれたり、その人によって付加価値を与えてくれるものです。しかし、飲み方を謝ると健康を害したり、疾病を悪化させたりしてしまう危険もあります。お酒との付き合い方を知ることで、自分にあったお酒の取り入れ方を見つけていきましょう。

適量とは?

適量には個人差があり、同じ人であってもその日の健康状態によって酔い具合が異なるため、一概にいうことはできません。厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「健康日本21」によると、「節度ある適度な飲酒」は1日平均純アルコールにして約20g程度であるとされています。このくらいの量であれば、ほどよくお酒を楽しめるというわけです。とはいえ、お酒に弱い方、女性や高齢者であれば、この基準よりも少なめを適量と考えましょう。

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<酒類別の純アルコール約20gの目安>

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ただし、以下のようなことに留意する必要があるとされています。

  1. 女性は男性よりも少ない量が適当である
  2. 少量の飲酒で顔面紅潮を来す等アルコール代謝能力の低い人では通常の代謝能力を有する人よりも少ない量が適当である
  3. 65歳以上の方は、より少量の飲酒が適当である
  4. アルコール依存症者においては適切な支援のもとに完全断酒が必要である
  5. 飲酒習慣のない人に対してこの量の飲酒を推奨するものではない