止まらない血尿は要注意!考えられる原因と受診の目安を医師が解説

「血尿が止まらないから、何かの病気かもしれない……」「血尿が続いているけど、どのくらいが受診の目安なの……?」

このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

血尿はおしっこに血液が混ざっている状態で、体に異常が起きているサインです。血尿は痛みがある場合と、痛みがない場合があり、それぞれ考えられる原因が変わります。

そこで今回は、北海道の旭川市にある神楽岡泌尿器科が、血尿が止まらないときの原因について解説します。

血尿について悩んでいる方は、参考にしてみてください。

【状況別】血尿が止まらない原因を解説

血尿が止まらないときに考えられる原因を7つの状況に分けて解説します。

  1. 痛みがある場合
  2. 痛みがない場合
  3. 頻尿や残尿感を伴う場合
  4. 風邪の後に血尿が出た場合:腎炎(IgA腎症)など
  5. その他、薬の副作用など

血尿が止まらないときは、該当する状況を確認してみてください。

1.痛みがある場合

血尿が止まらず痛みがある場合は、尿路結石や膀胱炎、腎盂腎炎などが考えられます。

尿路結石は、腎臓や尿管に結石ができ、尿の通り道を傷つけてしまい、出血時に尿と混じって血尿が出やすいです。

腰や脇腹に激しい痛みを伴うときや、吐き気または冷や汗を伴う場合もあります。

膀胱炎は、細菌が膀胱内で繁殖し、炎症を起こすことで血尿が出ます。

腎盂腎炎は、膀胱から細菌が逆流して腎臓に感染し、腎盂と腎臓に炎症が起こる病気です。

発熱や背中・腰の痛みなどを伴うだけでなく、血尿が出る場合があります。

血尿とあわせて体のどこかに痛みを感じる場合は、早めに泌尿器科を受診しましょう。

関連記事:尿路結石の症状とは?前兆や初期症状について泌尿器科専門医が解説

関連記事:尿路結石は血尿がサイン?血尿になる原因や放置しても大丈夫か解説

2.痛みがない場合

血尿が止まらない状態で痛みがない場合は、膀胱がんや腎臓がん、前立腺がんなどの可能性が挙げられます。

がん由来は、痛みが出ないのに突然血尿が出るのが特徴です。

膀胱がんの場合は、トイレで真っ赤な尿が出たが痛くないというときに考えられます。

腎臓がんは、腎臓の腫瘍が血管を傷つけることで出血し、尿と混ざって血尿が出ます。腎臓がんは血尿以外に、背中や脇腹に鈍い痛みやしこりを感じるケースもあるため、違和感がある場合は泌尿器科に受診するのがおすすめです。

前立腺がんは、進行すると尿道を圧迫し、出血して尿と混じる場合があります。

ほかにも、残尿感や夜間頻尿を伴う場合があるため、トイレに行ったのにも関わらずすぐにまたトイレに行きたくなるときや、トイレのために何度も目が覚めてしまったりする場合は、注意が必要です。

3.頻尿や残尿感を伴う場合

血尿が止まらないときに、頻尿や残尿感を伴う場合は、膀胱炎や前立腺肥大症などが考えられます。

膀胱炎は、膀胱の粘膜に細菌などが感染して、炎症が起きる病気です。

前立腺肥大症は、加齢によって前立腺が大きくなり、尿道が圧迫されて出血します。

具体例を挙げると、夜に何度もトイレのために起き、血が混ざっていることがある場合は、膀胱炎や前立腺肥大症が原因として考えられます。

夜中に何度も目が覚めるときは、泌尿器科に相談してみましょう。

関連記事:頻尿は膀胱炎のサイン?症状の見分け方・原因・受診目安を徹底解説

4.風邪の後に血尿が出た場合:腎炎(IgA腎症)など

風邪を引いた後に血尿が出る場合は、腎炎などが考えられます。

腎炎は、風邪や喉の炎症の後に、免疫の異常反応で腎臓の糸球体が炎症を起こす病気です。

具体例を挙げると、風邪が治ったと思ったらピンク色の尿が出たという場合などが腎炎に該当します。

腎炎(IgA腎症)は、慢性化すると腎不全につながる可能性があるため、早めに受診するようにしましょう。

5.その他、薬の副作用など

抗凝固薬の副作用や病気によって、血尿が止まらなくなる場合もあるため注意しましょう。

抗凝固薬は血液をサラサラにする薬で、出血しやすくなります。

たとえば、薬を飲み始めてから尿が赤くなったという場合は、薬の副作用の可能性があると判断することが可能です。

ほかにも、腎炎やループ腎炎などの腎臓に関する病気があると、免疫異常や高血圧で腎臓が炎症を起こし、血尿が続く場合があります。

何日も続く場合は、泌尿器科で受診をして何が原因となっているかを明確にするのがおすすめです。

血尿が止まらないときは泌尿器科へ。主な検査内容

血尿が止まらないときは、泌尿器科を受診しましょう。

主な検査は、3つになります。

  • 尿検査
  • エコー検査
  • 内視鏡検査+CT検査

尿検査は、腎臓や尿管、膀胱などのどこから血尿が出ているのかを推測します。

エコー検査は腎臓や膀胱、前立腺などの状態をリアルタイムで映し出し、異常がないか確認する検査です。

内視鏡検査は、尿道から細いカメラを挿入し、尿道や膀胱の内部を直接観察します。

どの検査も日帰りで実施することができます。

2日以上血尿が続く場合や、痛みがないのに血尿が出る・排尿時に違和感がある人は、泌尿器科で検査を受けましょう。

まとめ

血尿は、体の中で何かしらの異常が現れているサインになります。

とくに、2日以上血尿が続く場合や、残尿感・頻尿が続くときは泌尿器科で受診するのがおすすめです。

血尿が止まらない状態を放置していると、重大な疾患を見逃した状態で過ごす可能性があります。

取り返しのつかない状態になる前に、異変が起きているときは早めに病院で検査を受けましょう。

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