
トイレで尿に血が混じっているのを見つけたとき、驚きや不安を感じるのは自然な反応です。
痛みがない場合は「たまたまかな」と見過ごしたくなりますが、実はその油断が将来の健康を左右します。一度出血が止まったとしても、それは身体からの警告が消えたわけではありません。
とくに、膀胱癌はタバコが大きな原因とされています。
今回は、北海道旭川市にある神楽岡泌尿器科が、膀胱癌になるリスク因子や血尿が出た際の見極めポイントについて解説します。
膀胱癌の主な原因で知っておくべき3つのリスク因子

膀胱癌の主な原因は、以下の3つがあげられます。
- 喫煙
- 年齢
- 化学物質
それぞれのリスク因子について解説します。
最大の原因は「喫煙」で吸わない人の2〜4倍のリスク
膀胱癌の最も大きなリスクはタバコです。
タバコの有害物質が血液に溶け込み、尿となって膀胱に溜まります。
喫煙期間が長いと、この状態が続くため、肺だけでなく膀胱も大きなダメージを受けてしまいます。
リスクは50代から急増し、男性は女性の約3倍
膀胱癌のリスクは喫煙だけでなく、年齢による原因もあげられます。
とくに、膀胱癌の患者は50代を境に、急増しやすいです。
50歳になると、長年の生活習慣によるダメージが表面化しやすい年齢でもあり、患った病気も改善する意識を高めないと治りにくい傾向があります。
なかでも男性は罹患率が高いため、定期的な健診を欠かさないようにしましょう。
「化学物質」が影響する理由
膀胱癌は、化学物質を取り扱う職場の方は特に気をつける必要があります。
染料やゴムなどを使って製造する際に発生する成分が、がんリスクを高めます。
体に吸い込まれた毒素は、蓄尿器官である膀胱に溜まり、膀胱癌になりやすいです。
そのため、化学物質が発生する環境で長く働く場合は、専門医と定期的に相談をしながら働くのが好ましいです。
関連記事:血尿の放置厳禁!膀胱癌の初期症状を見極めるための徹底ガイド
血尿の「質」が教える危険度の見極めポイント

血尿が出た際には、膀胱癌以外の病気の可能性や、危険な兆候があります。
次は、膀胱癌の最も疑わしいサインや他の病気との見分け方について解説します。
「痛くない血尿」こそが膀胱癌の最も疑わしいサイン
痛みが伴わない肉眼的血尿(目に見える血尿です)こそ、膀胱癌の最も警戒すべき重要なサインです。
痛みがない血尿は「無症候性血尿」と呼び、膀胱癌を見つけるための大きな手がかりとなります。
癌は神経を刺激せずに静かに増殖を続け、その表面からじわじわと出血を繰り返します。
そこで、「痛くないから安心だ」と放置せずに、直ちに専門医へ相談してください。
一度止まって透明に戻るのは「治った」サインではない!
一度肉眼的血尿が止まって尿の色が透明に戻っても、病気が治った証拠ではありません。
実は、膀胱内の腫瘍からの出血は、出たり止まったりを不規則に繰り返すという厄介な性質があります。そのため、出血が治まったから大丈夫だと放置をしていると、再発や重症化する可能性があります。
一度でも赤い尿が出た事実は消えないので、速やかに泌尿器科で検査を受けましょう。
膀胱癌以外の病気との見分け方
血尿が出たときは、膀胱癌のリスク以外にも、他の病気の可能性も考えられます。
他の病気との主な違いは、排尿時の痛みや激しい違和感があるかどうかで判断いたします。
例えば、膀胱炎であれば尿を出し終える際に「ツンとする痛み」を感じるのが特徴です。
一方で、膀胱癌はこうした不快感が伴わず、尿の色だけが突然ワインのように真っ赤に変わることが多いです。このように症状は千差万別なので、自己判断をせずに的確な診断を仰いでください。
膀胱癌の初期検査の流れ

次に、膀胱癌の初期検査の流れを解説します。
- 体の負担が少ない初期検査
- 検査の不安を解消
膀胱癌が不安な方は、どのような流れで検査を実施するのか参考にしてみてください。
初期検査の内容
問診を行い、どのようなリスクが考えられるかを判断した後は、体の負担が少ない検査などを実施します。
主に尿検査やエコー検査やCT検査を実施し、細胞の状態やがんの兆候がないかを確認します。
痛みもなく数分で終わるため、体力に自信がない方でも受けやすいです。
検査で異常が出た場合
検査時に異常が出た場合や、気になる症状がある場合は、内視鏡検査を行います。
内視鏡は痛そうなイメージが先行しますが、現代の医療機器は驚くほどの進化を遂げており、リラックスして検査に挑めます。
内視鏡検査であれば、一緒にモニターを見ながら、今がどのような状態なのか詳しく説明を受けることが可能です。
症状や原因がわからずに悩むよりも、数分間の検査を終えて心の重荷を降ろしましょう。
早期発見なら「膀胱を温存」できる可能性が高い

血尿の原因が膀胱癌だった場合、早期発見ができれば膀胱を温存できる可能性が高まります。
次は、膀胱癌の早期発見について詳しく解説します。
初期(筋層非浸潤性)なら内視鏡手術で治療可能
早期に見つかれば、膀胱を残したまま癌を治せます。
癌が表面に留まっている段階なら、内視鏡で削り取ることが可能です。内視鏡手術であれば、お腹を切らずに癌を取り除けるため、短期間で社会復帰を目指せます。
血尿という小さなサインを見逃さず、専門医に相談をして早期発見を行いましょう。
手遅れの状態になってしまうと、膀胱そのものを失う恐れがあるため、手遅れにならないためにも早期の決断が重要です。
関連記事:膀胱癌の初期症状で最も多い血尿はなぜおこるのか専門医が徹底解説
まとめ

膀胱癌はタバコだけでなく、年齢や化学物質などさまざまな要因からなる可能性があります。
とくに、癌細胞は対応が遅れてしまうと重症化した際に、他の身体の部位に転移する可能性もあるため、注意が必要です。
そのため、大切な未来を諦めないためにも、血尿などの異変が起きた際には、専門医に相談するようにしましょう。
聞きにくいことは「メール無料相談」で承ります

北海道旭川市にある神楽岡泌尿器科は、「かかりつけ医」になることを目指し、患者本位で、気軽に緊張せずに受診していただける病院づくりを目指しています。
「血尿が出て悩んでいる」という方は、院長による無料メール相談も行っておりますので、まずはお気軽に疑問点や懸念内容をご相談ください。
病院まで来られない方々にも往診で対応可能です。患者さんご本人だけでは無くご家族の方々からのご相談にもお答えします。

【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など



