前立腺肥大症になってしまったけど、なかなか治らない……。
このような方は、「水分の取り方」に問題があるかもしれません。
実際の患者さんの事例とともに、「正しい水分補給」について、渋谷先生に解説してもらいました。特に、最近頻尿だなと感じる方は、水分の取り方に注意してみましょう。
患者さんは農業従事者だった
患者さんは70代男性で、症状としては「頻尿」でのご相談。
農業に長く従事されてきた方で、メリハリをつけてお仕事を頑張られる方でした。
夏場は外で一生懸命に畑仕事をし、区切りがついたら休憩をし、キンキンに冷えた水をガブガブと飲む。
逆に、冬は家にこもってゆっくりする。そういった生活スタイルだったので、寒くなってきたこれからの時期に水をたくさん飲むなんて難しい……と考えられていたようです。
しかし、そういった飲水習慣が頻尿治療の妨げになってしまうのだと、渋谷先生はいいます。
【院長・渋谷のアドバイス】水分補給の目安は1時間にコップ1杯分

冬であれば暖かいお茶がよろしいでしょう。
1時間ごとにまとめて飲む必要もありません。ゆっくり1時間かけて1杯飲んでいただければ十分ですよ。
水分をマメに摂ることはとっても重要です。
昔は仕事や会議中などに水分補給なんてことは、失礼極まりないことだったのです。しかし最近では、首脳クラスの会議にも席に水やお茶などが用意されていますよね?
参加者たちは会議の最中であっても、口を潤すように積極的に水分補給を行っています。
これは世界レベルでの共通認識として、こまめな水分補給は体調を管理するのに非常に有効な習慣であると理解されているからです。
ちなみに最近では、腰にペットボトルを掛けるホルダーなども500円前後で買うことができます。
農家のようにマメに休憩しづらい業種の方でも、生活習慣としてマメに水分をとることで、尿の濃縮による頻尿などを予防することが楽にできると思います。
メリハリのある仕事と、こまめな水分補給。なかなか一緒にできないように考えがちかもしれません。しかし、健康に気を遣った水分補給こそが、長きに渡って良い仕事ができることに繋がるのではないでしょうか?
みなさんも1時間に1杯の水分補給の習慣を始めてはいかがでしょうか?
当院では、以前から頻尿などの治療には、薬物と併用して、本来持っているべき体の機能を改善させるリハビリや生活習慣の改善指導をおこなってきました。
男性にもマメに水分をとって、膀胱にある程度尿を溜める練習を指導しています。(1回の排尿量は300mlが目標です。)
一緒に、気持ちのよい排尿を目指しましょう。