頻尿かもしれない…とお悩みの方も、実は「トイレに行く回数が多い=頻尿」以外の知識がない方、多いのではないでしょうか?
情報がなければ不安が募り、誰にも相談できなかったり、受診する勇気も持てないままでいたりすることもあるでしょう。
そこで、頻尿のスペシャリストである泌尿器科の渋谷が、「頻尿」にまつわる情報を漏れなく紹介いたします。
頻尿の改善方法も提案しているので、悩んでいる方はぜひ参考にして下さい。
頻尿の定義
頻尿の基準 | ||
適切な排尿 | 考えられること | |
排尿回数 | 4~7回/日 | 頻尿:8回/日以上 頻尿:夜間に1回以上 |
排尿量 | 1,000~1,500ml/日 | 多尿:3,000ml/日以上 乏尿:400ml/日以下 無尿:100ml/日以下 |
夏は汗をかいたり、冬は乾燥傾向で少なくなります。一日の尿量はだいたいは1000~1500mlです。
表のとおり、頻尿の定義は排尿回数が8回以上とされていますが、普通の健康な方の場合、一回の排尿量は200〜300mlぐらいですから、一日の排尿数というのは5回ぐらいになります。
排尿回数が多くなっている原因として、膀胱が人よりも小さかったり、コーヒーや紅茶などカフェインを摂りすぎていることが原因だったりするため一概に頻尿とはいえませんが、7回も8回もトイレへ行くの予備軍または頻尿かもしれませんね。
頻尿でも特につらいのは夜間頻尿。
もし、あなたが日中に8回以上トイレに行っていて「頻尿かもしれない…」と思ったとしても、その原因は人それぞれです。
トイレに行く回数が多い原因を把握するところから確認していきましょう。
頻尿の原因
頻尿の原因は大きく2つあります。
1つ目は、膀胱に溜められる尿量が少なくなっているため。
2つ目は、膀胱が過敏になり、尿が十分にたまる前に強い尿意を感じるためです。
膀胱に溜められる尿量が少なくなる理由として、膀胱炎などの炎症性疾患、過活動膀胱、間質性膀胱炎や尿路結石などがあり、溜められる膀胱容量が小さくなってしまいます。
また、前立腺肥大症・神経因性膀胱による排尿困難で残尿が増えてしまうと、膀胱容量のうち利用できる容量が小さくなってしまうため、頻尿につながってしまいます。
尿が溜まる前に強い尿意を感じるほど膀胱が過敏になる理由は、仕事中などに意識してしまうストレス、首回り・足首・手首などの冷え、お茶・コーヒー・お酒などの多量摂取による利尿作用、加齢により膀胱の進展性の低下などが考えられます。
しかし、膀胱が過敏になることで頻尿になっている場合は、日常生活を少し変えるだけで頻尿が改善する可能性も十分にあります。
頻尿の原因を男女・年齢別に確認したい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
もしかして自分は頻尿?と感じた時のセルフチェック
もしかして自分頻尿?と感じた時は、排尿日記を3日間つけてみましょう!
排尿日記とは、1日に1回睡眠の時間(起床時間・就寝時間・翌日の起床時間)、トイレに行く度におしっこの詳細(排尿の時間・尿量・切迫感・もれの有無)を日記のように記載していくのことです。
排尿量に関しては計量カップを購入してもいいですが、350mlのビール缶を代用してもいいです。準備できたらトイレに置いておきましょう。
最初は慣れないかもしれませんが、3日間つけておくだけで頻尿の原因が尿量が多いのか、おしっこが溜まる前にトイレに行っているかなど、原因がわかってきます。
病院受診の際の参考にもなるし、医師の明確な診断に繋がっていきます。
当院で使用している排尿日誌はこちらからダウンロードできます。
初発尿意といって、膀胱が尿意をもよおす最小の量は、100~150mlぐらいです。でも、われわれは実際に300~350mlぐらいまでは、我慢することができます。
150ccで尿意を感じ始めてから、もう漏れる寸前という500ccぐらいまで我慢できるのです。
もちろん個人差はあります。150ccたまると、もう尿意を感じてトイレに行く方と、300ccまで我慢してトイレに行く方がいるとしましょう。すると、前者は、一日に10回もトイレに行くことになります。
それに比べ、後者は5回ですんでしまい、前者の半分の回数ですみます。
一般的には、何かに夢中になっていれば、300ccぐらいまでは十分ためられるわけですから、150cc以下の量で、ちょこちょこと排尿している方は、ぜひ先生にご相談してください。
排尿日記の結果が心配な方や見方がわからないという方も、おしっこのスペシャリストである泌尿器科の無料メール相談をしてみてください。
セルフチェックの手順や方法を詳しく教えてほしい方は、『悩んでいる方は頻尿をセルフチェックしてみよう!手順や方法を泌尿器科が教えます』をご覧ください。
先生教えて!頻尿の気になる疑問
頻尿のスペシャリストである泌尿器科の渋谷院長が、頻尿の気になる疑問に答えていきます。
症状は、定量的に測らないと自分が感じていることが異常なのかわからず、ずっと悩み続けることになります。
もしトイレに行かなくてもいいのに行ってしまうのであれば、習慣によるものや心因性の頻尿の可能性もありますね。
頻尿に悩んではいてもなかなか人に相談したり、まして病院に行くのは恥ずかしいと思ったり、と自分の中で抱え込んでしまいがちです。
まだ自分の悩みと合致せず、まだネットで頻尿を治す術はないのか探っている人は、ぜひそのほかの頻尿にまつわる疑問・回答をこちらの記事でもチェックしてみてくださいね。
【Q&A】院長が頻尿にまつわる疑問を回答!おしっこに悩む人ここに集結してください
頻尿の検査
頻尿の検査は、尿検査と問診が基本です。
場合によっては「腹部超音波検査」もしますが、痛い検査や、触診など皆さんが恐れることはよっぽどの原因がない限りありまぜんので、ご安心ください。
尿検査では、腎臓病や膀胱尿管尿道の炎症や出血、糖尿病や内分泌疾患などの病気の可能性を調べます。他にも、尿を遠心分離し、沈澱した赤血球や白血球、尿酸結晶、細胞、細菌血漿などを顕微鏡でみて原因を特定していきます。
問診で特に聞くのは、特におしっこの仕方についてです。
排尿の習慣、おしっこについての考え方は人によって異なっており、不自然なおしっこの習慣や考え方が原因で頻尿になっている方も多くいらっしゃいます。
泌尿器科の検査について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参考にしてください。
泌尿器科の頻尿検査ってなにするの?をわかりやすく医師が教えます
頻尿改善トレーニング
頻尿の原因が生活習慣やおしっこの仕方によるものの場合、「快感おしっこトレーニング」で改善できる可能性があります。
- 1日2リットルの水分摂取
- おしっこは溜めてからする
- おしっこの不安から脱却
- 排尿日誌をつける
快感オシッコトレーニングは、1日2リットル水を飲むことからはじめ、膀胱にしっかりとおしっこを溜めてからトイレにいくようにしましょう。
おしっこについて悩み、「映画を見ている最中にトイレに行きたくなるのは困る」「会議中前だからトイレに行かないといけない」など、ことあるごとにおしっこに悩んでいる方も多くいらっしゃいます。
特に頻尿の方は、おしっこで悩みたくなくて尿意がなくてもトイレに行く習慣がある方も多いです。おしっこはしっかり溜めてからトイレに行きましょう。
とはいっても、新しい習慣を身につけるのは大変です。
「いわれなくても、おしっこを溜めてからトイレに行ってる」「そんなに水は飲めない」など、患者さんからよく言われます。
効果的な頻尿改善トレーニング「快感おしっこ」の仕方・続ける工夫などはこちらも参考にしてみてください。
【実践編】効果的な頻尿改善トレーニング「快感おしっこ」を紹介
まとめ
頻尿のスペシャリストである泌尿器科の渋谷が「頻尿」について紹介しました。
頻尿といっても、トイレの回数や尿量は人それぞれ原因もバラバラです。原因をセルフチェックを通してしっかりと把握し、改善したい方は頻尿改善のトレーニング「快感オシッコ」を実践してみてください。
実践してみたけどわからないという方はメールでもご相談してくださいね。
院長直通無料メール相談をしてみる
また、著書ではより詳しくオシッコの習慣について書いています。おしっこに悩む全ての人に捧げた本なのでお悩みの方は参考にしてみてください。
院長の渋谷先生がどんな人かみてみる
著者:渋谷秋彦
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など