前立腺肥大症の予防・治療
前立腺肥大症の症状,予防方法,治療方法についてご紹介します。
次の項目が当てはまる方は前立腺肥大症かもしれません
前立腺肥大症は次のような症状がみられます。当てはまる方は,早めに病院へ相談することをお勧めします。
- おしっこをした後もまだ残っている感じがする
- おしっこをした後,2時間以内にもう一度トイレに行く
- 途中でおしっこが途切れる
- おしっこを我慢するのがつらい
- おしっこの勢いが弱くなった
- お腹に力を入れないと排尿できない
- 夜中に何度もトイレに起きる
日常生活に気をつけるだけで前立腺肥大症は防げる
どんな病気も日常生活での心がけで防ぐことはできます。前立腺肥大症も例外ではありません。前立腺肥大症を防ぐために,次の6つのことに気をつけましょう。
- (1)お酒を飲み過ぎないようにしましょう
- (2)刺激物(唐辛子,わさび,香辛料など)を食べ過ぎないようにしましょう
- (3)適度に水分を補給しましょう(※ただし,寝る前に水分を摂り過ぎない)
- (4)便秘をしないようにしましょう。
- (5)トイレを我慢しないようにしましょう
- (6)からだを冷やさず,ゆっくり入浴しましょう。
治療法の中心はお薬です
「前立腺肥大症かも知れない…でも病院ではどんなことをするのか心配…」。そんなふうに思っていませんか?
前立腺肥大症の治療は薬物療法を中心に行います。ですが,症状が進行した場合には外科的治療を行います。悪化すると尿閉(おしっこが出なくなる)を起こすことがありますので,早めに治療することが大切です。
主に使われているお薬
古くより利用されてきた植物製剤や漢方薬などは前立腺の炎症を抑え、症状を改善させるので今でも利用されていますが、現在では前立腺や尿道の筋肉の緊張を緩める「αブロッカー」が主流となっています。
飲み始めのころに立ちくらみや、射精障害等の副作用が現れることもあるため、比較的若い方には射精障害の少ない薬剤の選択がおこなわれます。
また「5α還元酵素阻害薬」と分類され、前立腺肥大症の発育に深く関連した男性ホルモンを減らすことにより前立腺を縮小させる新しいホルモン剤が注目されています。
これは従来のホルモン剤に比較して効果が確実でしかも安全性の高い薬で、勃起障害などの副作用も少ないとされています。
内視鏡手術
尿道から直径8ミリ程度の内視鏡を挿入して前立腺を削る内視鏡手術も大きく進歩しました。
従来はループ状の電気メスで前立腺を露天掘りの如く舟形に削りとるTUR―Pという内視鏡手術が盛んにおこなわれましたが、その後に、マイクロ波、ラジオ波などを利用した体に負担の少ない手術方法が開発されました。
最近ではレーザーや高周波電流を利用した内視鏡手術で前立腺を丸ごとくり抜く方法も登場し、術中の出血や術後の膀胱刺激はさらに少ないとされています。
おわりに
排尿困難を老化現象とがまんせず、たくさんある前立腺肥大症の治療のなかから自分に適した治療を見つけ小便小僧のように大きな弧を描いて勢いよくおしっこができるようにしましょう。
日常生活ではアルコール摂取により尿閉がおこることがあるので過度の飲酒は避けたほうがよいと思われます。また、がんこな便秘、感冒薬の服用、長時間の座位、下半身の冷えなどにより排尿障害が悪化することがありますのでご注意ください。