
20代、30代、40代という若さで突然の血尿を経験し、特に痛みが全くない場合、「もしかして癌なのでは?」と最悪の事態を想像してしまいますよね。
結論から申し上げますと、20代〜40代の若い世代が膀胱癌になる確率は「極めて低い」と考えられます。
この記事では、若い世代における膀胱癌の確率や、膀胱癌以外に考えられる「血尿のより一般的な原因」について専門医が詳しく解説します。
20代・30代・40代の「若い人」が膀胱癌になる確率は?
突然の血尿を見るとパニックになってしまうかもしれませんが、まずは落ち着いて、若い世代における膀胱癌のデータを見てみましょう。
結論!若い世代での発症は「極めて稀(まれ)」
膀胱癌は主に60代以降の高齢者に多く見られる病気です。
全体の膀胱癌患者数のうち、20代・30代で発症する割合は1%にも満たないとされており、40代を含めても若い世代での発症は「極めて稀(まれ)」なケースであると言えます。ゼロとは言い切れませんが、「血尿が出た=即、膀胱癌である」と結びつけて過度に恐れる必要はありません。
「痛みのない血尿=膀胱癌」になっても慌てない
膀胱癌の最も典型的な初期症状は「痛みを伴わない血尿」です。インターネットで検索するとこの情報が目立つため、不安になるのは当然です。
しかし、これはあくまで「膀胱癌の患者様に見られる特徴」であって、「痛みのない血尿が出た人のほとんどが膀胱癌である」という意味ではありません。若い世代の場合、全く別の原因で血尿が出ている可能性のほうが圧倒的に高いと考えられます。
若い人の血尿で「膀胱癌よりずっと多い」原因とは?

では、20代〜40代で血尿が出た場合、どのような病気が隠れていることが多いのでしょうか。代表的なものを3つご紹介します。
尿管結石
若い世代の血尿の原因として非常に多いのが、腎臓から膀胱へ尿を送る尿管に石が詰まる「尿管結石」です。 背中や腰に激しい痛みを伴うイメージが強いですが、石が動いた際に尿管の粘膜が傷つき、痛みが起きる前に血尿だけが先行して出るケースもあります。
膀胱炎などの尿路感染症(※女性に多い)
特に20代〜40代の女性に圧倒的に多い原因が「膀胱炎」です。 通常は「排尿時の痛み」や「頻尿」を伴いますが、炎症が強い「出血性膀胱炎」になると、目で見ても明らかに真っ赤な血尿が出ることがあります。
女性は男性に比べて尿道が短く、細菌が膀胱に侵入しやすいため、疲れや冷えなどで免疫力が落ちている時に発症しやすくなります。
激しい運動や極度の疲労・ストレス
病気ではなく、日常生活の負担が原因となることもあります。 マラソンなどの激しい運動をした後に、一時的に尿に血が混じることがあります(運動後血尿)。また、極度の疲労や強いストレスによって自律神経が乱れ、一時的な血尿を引き起こす可能性も指摘されています。
膀胱癌じゃないから放置して大丈夫は絶対NG!

「癌の確率が低いなら、放っておいても大丈夫だろう」と自己判断するのは大変危険です。
早期発見の重要性
確率は極めて低いとはいえ、若い世代でも膀胱癌や腎臓の病気が隠れている可能性はゼロではありません。万が一重篤な病気であった場合、放置して進行させてしまうと、将来の生活に大きな影響を及ぼします。
早期に発見できれば、それだけ体への負担が少ない治療を選択できる可能性が高まります。
結石や感染症でも、早めの治療が必要
膀胱癌以外の「尿管結石」や「膀胱炎」であった場合でも、放置すると痛みが激化したり、細菌が腎臓にまで達して「腎盂腎炎(じんうじんえん)」という高熱を伴う重い感染症を引き起こしたりする恐れがあります。原因を特定し、適切なお薬で早めに治療することが重要です。
痛みを伴わない検査で不安を解消
「泌尿器科は年配の男性が行くところ」「若い自分が、しかも女性が行くのは恥ずかしい」と、受診の敷居を高く感じている方も多いかもしれません。
「尿検査」と「エコー検査」
「尿道にカメラを入れられるのでは…」と検査の痛みを怖がっている方もご安心ください。 血尿で初めて受診された場合、初めから痛みを伴う検査を行うことはほぼありません。
まずは、以下の負担のない検査からスタートします。
- 【尿検査】: 尿の中の血液の量や、細菌、炎症細胞(白血球)の有無を調べます。
- 【エコー検査】: お腹にゼリーを塗り、超音波を当てて腎臓や膀胱に結石や腫瘍がないかを確認します。全く痛みはありません。
この2つの検査だけでも、血尿の原因の多くを絞り込むことが可能です。
まとめ
突然の血尿は本当に驚くものです。「癌かもしれない」とネットの情報に怯えて一人で悩み続けるよりも、まずは一度、泌尿器科で検査を受けてみませんか? 何事もなければ大きな安心に繋がりますし、原因が分かればすぐに適切な治療を始められます。どうぞお気軽に、お近くの泌尿器科専門医にご相談ください。
関連記事:
膀胱癌の原因1位はタバコ?血尿が教える危険度と50代からの早期発見ガイド
聞きにくいことは「メール無料相談」で承ります

北海道旭川市にある神楽岡泌尿器科は、「かかりつけ医」になることを目指し、患者本位で、気軽に緊張せずに受診していただける病院づくりを目指しています。
「血尿が出て悩んでいる」という方は、院長による無料メール相談も行っておりますので、まずはお気軽に疑問点や懸念内容をご相談ください。
病院まで来られない方々にも往診で対応可能です。患者さんご本人だけでは無くご家族の方々からのご相談にもお答えします。
▶子どもが大好きな渋谷院長先生はどんな人?

【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など



