タグ別アーカイブ: 過活動膀胱

知っておきたいオシッコの話<腹圧性尿失禁>

治療法を知りたいあなたに

医療的対応には、病気によって運動療法、薬物療法、手術療法があります。その症状に応じて対応は異なってきます。排尿障害の種類および程度によって、全ての治療法が最善のものとなりうることを知っておいて下さい。対応が遅れると、膀胱機能の異常が進行し、その治癒に時間がかかるようになるので、早めに医師に相談しましょう。

尿失禁の種類:腹圧性尿失禁(診断名:真性腹圧性尿失禁)の治療法

①基本は前回ご紹介した骨盤底筋群体操です。

②この体操を継続して行い、3ヵ月後に効果が認められない場合。
a)もう一度骨盤底筋群の確認をして下さい。
b)専門医にご相談下さい。
c)過活動膀胱による切迫性尿失禁を合併している場合(混合性尿失禁)は尿失禁治療薬の内服が有効です。
d)内因性括約筋不全によるタイプの場合は専門医にご相談下さい。

用具類による対応策

●体操の効果が現れるまで、外出や運動の時には、軽失禁用ショーツや失禁量に応じたパッド、防水パンツ・メッシュパンツを着用すると安心です。

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知っておきたいオシッコの話<切迫性尿失禁>

治療法を知りたいあなたに

医療的対応には、病気によって運動療法、薬物療法、手術療法があります。その症状に応じて対応は異なってきます。排尿障害の種類および程度によって、全ての治療法が最善のものとなりうることを知っておいて下さい。対応が遅れると、膀胱機能の異常が進行し、その治癒に時間がかかるようになるので、早めに医師に相談しましょう。

尿失禁の種類:切迫性尿失禁(診断名:過活動膀胱ほか)の治療法

①尿失禁治療薬(抗コリン剤)の内服が有効です。副作用として、口渇、便秘がありますが、重篤なものではありません。

②前立腺肥大症などを合併する時は、その治療を優先します。尿失禁治療薬だけでは排尿困難をひどくさせる危険性があります。

※脳や脊髄などの障害がなくて(手足のマヒなどがなくて)も切迫性尿失禁を認めることがあります。この過活動膀胱は、加齢、腹圧性尿失禁、前立腺肥大症を合併します。また、神経因性過活動膀胱の約20%に、膀胱と尿道のバランスがくずれて排尿困難を認める排尿筋・括約筋協調不全を合併することに注意して下さい。なお、排尿しやすい姿勢としては、あえて座位での排尿をお勧めすることがあります。いきみをかけない排尿が理想的です。

用具類による対応策

●最近は少量の漏れに対応する失禁パッドや男性のちょい漏れ(終末時滴下)に対するものも出てきています。

●トイレに間に合わず比較的多量に勢いよくもれてしまう場合は、排尿量を許容できる吸水量の紙おむつを選択して下さい。

●横もれする場合は、紙おむつの立体ギャザーを活かしてソケイ部に沿わせ、尿溜りをつくるあて方を工夫しましょう。

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①立体ギャザーをまっすぐに立てる。
②パッドを重ね使用する場合は、立体ギャザー内に収まるサイズにする。

●おむつカバーはソケイ部にぴったり沿うもので、からだにマヒがあっても自分で着脱しやすいものを選びましょう。

知っておきたいオシッコの話<おもらしの種類>

前向きな生活への発想転換

老化に伴って起こりやすい排尿障害があります。
例えば、間に合わなくておもらしをする、夜中に何回もオシッコに起きる、
トイレに立ってもなかなか出にくくて困ってしまう、などの経験をお持ちの方も多いと思います。

もう年だから、恥ずかしいからとあきらめてはいませんか?
でも、ちょっと待って下さい。
自分のからだの状態や日常生活の過ごし方を見直して、正しい対応策をとれば、元気にいきいきと暮らしていくことができます。

ここでは、高齢者によくみられるオシッコの問題に対して、考え方のちがいによって生活状況が大きく左右されることについてみていきましょう。

上手に解決できなかった人の話②

Tさんは62歳の男性です。糖尿病を長く患っています。最近、排尿に時間がかかるようになってきたのですが、年のせいで仕方ないだろうと思い、気にしていませんでした。

ところが、出にくいばかりでなく、だんだん回数も多くなってきたことに気づきました。トイレから出てきてもまたすぐに行きたくなるので、わずらわしくて仕方ありません。そのうちもらしてしまいそうな気がして、仕事にも集中できず、落ち込みがちで、家族も心配しています。

おもらしの種類

160209_3「おもらし」といっても、いろいろな種類があります。ちょうど「目」の場合の、近視や遠視、乱視や、老化とともに起こる老眼と同じようなものです。その上に、男性・女性特有のからだの構造に関連したおもらしもあります。

ここでは、そんなおもらしの種類と、その特徴や症状などについてわかりやすくまとめてみました。

切迫性尿失禁(せっぱくせいにょうしっきん)

● 特徴・症状 ●
急に我慢できないような強い尿意があり、トイレに間に合わない状態。頻尿を伴うことが多い。

膀胱の状態 尿道の状態 膀胱と尿道の状態
興奮(収縮する) 普通 160209_4

● 原因 ●
脳卒中後遺症、脊髄損傷、加齢などによる過活動膀胱

腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)

● 特徴・症状 ●
尿意に関係なく、力んだ時(咳、クシャミ、スポーツ)にもれる状態。

膀胱の状態 尿道の状態 膀胱と尿道の状態
普通 にぶい 160209_5

● 原因 ●
出産、肥満、加齢などによる真性腹圧性尿失禁

溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)①

● 特徴・症状 ●
膀胱の中に尿が満杯になっても出ないため、尿道より溢れ出てしまう状態。ひどい頻尿として自覚することが多い。尿意の低下が特徴

膀胱の状態 尿道の状態 膀胱と尿道の状態
力がない 普通 160209_6

● 原因 ●
糖尿病、子宮癌術後などによる低活動膀胱

※「溢流性尿失禁」は2002年の国際禁制学会で定められた用語基準では推奨されていない用語ですが、日本では使用されることがあります。

溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)②

● 特徴・症状 ●
膀胱の中に尿が満杯になっても出ないため、尿道より溢れ出てしまう状態。ひどい頻尿として自覚することが多い。排尿困難が進んだ状態

膀胱の状態 尿道の状態 膀胱と尿道の状態
普通 興奮する

● 原因 ●
前立腺肥大症など

※「溢流性尿失禁」は2002年の国際禁制学会で定められた用語基準では推奨されていない用語ですが、日本では使用されることがあります。

全尿失禁(ぜんにょうしっきん)①

● 特徴・症状 ●
膀胱に尿がたまらないでダラダラもれる状態。膀胱が萎縮した状態

膀胱の状態 尿道の状態 膀胱と尿道の状態
融通がきかない 普通

● 原因 ●
脊髄損傷、子宮癌治療後で萎縮した状態、カテーテルの長期留置

全尿失禁(ぜんにょうしっきん)②

● 特徴・症状 ●
膀胱に尿がたまらないでダラダラもれる状態。尿道括約筋が働かない状態

膀胱の状態 尿道の状態 膀胱と尿道の状態
普通 力がない

● 原因 ●
脊髄損傷、子宮癌治療後で萎縮した状態、カテーテルの長期留置、二分脊椎、尿道の術後などの内因性括約筋機能不全

機能性尿失禁(きのうせいにょうしっきん)

● 特徴・症状 ●
膀胱や尿道の障害はないが、身体機能に障害があり、トイレへの移動や下着の着脱ができないために失敗してしまう。

膀胱の状態 尿道の状態 膀胱と尿道の状態
普通 普通

● 原因 ●
老化や脳卒中後遺症などにより、移動能力や日常生活動作に支障をきたした人

排尿困難について
おもらしとは別に、オシッコが出にくい状態のことを「排尿困難」といいます。出始めまでに時間がかかる、尿に勢いがないなどの症状がある場合は「排尿困難」の可能性があります。

尿失禁について詳しくはコチラをご覧ください

知っておきたいオシッコの話<過活動膀胱>

前向きな生活への発想転換

老化に伴って起こりやすい排尿障害があります。
例えば、間に合わなくておもらしをする、夜中に何回もオシッコに起きる、
トイレに立ってもなかなか出にくくて困ってしまう、などの経験をお持ちの方も多いと思います。

もう年だから、恥ずかしいからとあきらめてはいませんか?
でも、ちょっと待って下さい。
自分のからだの状態や日常生活の過ごし方を見直して、正しい対応策をとれば、元気にいきいきと暮らしていくことができます。

ここでは、高齢者によくみられるオシッコの問題に対して、考え方のちがいによって生活状況が大きく左右されることについてみていきましょう。

上手に解決できた人の話①

160119_1Kさんは54歳の女性です。家で料理や洗い物をしているときに突然オシッコがもれそうになり、あわててトイレに駆け込むことが多くなってきました。そのうちトイレまで間に合わなくなるのではないかと心配になり、かかりつけの病院に相談してみました。

問診と簡単な検査で、「過活動膀胱」と診断され、よくある病気であることも知りました。

薬を飲み始めて症状が軽くなり、今では家族のために料理をしたり、友達と旅行に行ったり、充実した生活を送っています。

過活動膀胱の自己チェック表 PARTⅠ

(過活動膀胱スクリーニング質問票)
Screening Questionnaire for Overactive Bladder (SQOAB)

以下のような症状がありますか?

□ 尿をする回数が多い

□ 急に尿がしたくなって、我慢が難しいことがある

□ 我慢できずに尿をもらすことがある

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※これを「尿意切迫感」といい、長く排尿を我慢したときに感じる強い尿意とは異なります。

日本排尿機能学会 過活動膀胱ガイドライン作成委員会編:“2.診療ガイドライン 1.診断”過活動膀胱診療ガイドライン 第1版 ブラックウェルパブリッシング株式会社:24,2005[L20060119030]

過活動膀胱の自己チェック表 PARTⅡ

(過活動膀胱症状質問票)
Overactive Bladder Symptom Score (OABSS)

以下のような症状がどれくらいの頻度でありましたか?
この1週間のあなたの状態にもっとも近いものをひとつだけ選んで下さい。

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日本排尿機能学会 過活動膀胱ガイドライン作成委員会編:“2.診療ガイドライン 1.診断”過活動膀胱診療ガイドライン 第1版 ブラックウェルパブリッシング株式会社:24,2005[L20060119030]

過活動膀胱の治療と予防についてはコチラをご覧ください

過活動膀胱の症状と治療 3/3

過活動膀胱の症状、治療、日常行うトレーニングなど全3回にわたってご紹介いたします。

第三回目の今回は、「過活動膀胱の症状チェック」と「排尿日誌の書き方」についてご紹介いたします。

関連記事:過活動膀胱の症状と治療 1/3
関連記事:過活動膀胱の症状と治療 2/3

過活動膀胱の症状チェック

過活動膀胱症状質問票
OABSS:overactive bladder symptom score

下記の症状がどれくらいの頻度であるか、あなたの症状に最も近いものを一つだけ選んで、点数の数字を〇で囲んでください。

過活動膀胱の症状チェックシート
△画像クリックで拡大表示されます△

上記チェックシートの質問3の点数が2点以上かつ全体の合計点数が3点以上の場合、過活動膀胱の疑いがあります。

また、合計点数で症状の重症度の目安が判定できます。
5点以下…軽症
6~11点…中等症
12点以上…重症

このチェックシートの結果をもとに自己判断で治療することはおすすめできません。
過活動膀胱以外の病気(膀胱炎など)の場合もありますので、症状が気になる方は早めにご相談ください。

排尿日誌とは

過活動膀胱 排尿日誌の書き方

病院では尿の状態をさらに知るために、排尿日誌をつけていただくこともあります。

これにより、尿のトラブルの特徴や傾向がわかり、診断や治療をより適切に行うことができます。

排尿日誌の書き方

下記画像を参考に、1日のうちで
・トイレに行った時刻
・排尿の有無
・尿意
・尿の量
・水分摂取量
などを記録していただきます。

過活動膀胱 排尿日誌の書き方
△画像クリックで拡大表示されます△

下記は実際にご記入いただけるシートです。印刷して記入するなどご活用ください。

過活動膀胱 排尿日誌の書き方
△画像クリックで拡大表示されます△

気になる症状は医師に相談を!

気になる症状がある場合は、まずは泌尿器科医師にご相談ください。

当院では院長による無料メール相談を行っております。

早期の治療こそが、スムーズな回復へと繋がります。
病院に行く時間がなかなかとれない方もまずは一度ご相談ください。

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過活動膀胱の症状と治療 2/3

過活動膀胱の症状、治療、日常行うトレーニングなど全3回にわたってご紹介いたします。

第二回目の今回は、「過活動膀胱の治療」についてご紹介いたします。

関連記事:過活動膀胱の症状と治療 1/3

過活動膀胱の治療

過活動膀胱の治療

過活動膀胱の治療は、患者さんの状態に応じて治療法が選ばれます。今回は
薬物療法生活改善についてご紹介いたします。

薬物療法

過活動膀胱の状態では、患者さん本人の意思に関係なく膀胱が収縮するため、急に尿意をもよおしたり、何度もトイレに行きたくなったりします。

過活動膀胱の治療では、膀胱により多くの尿を溜められるように、お薬を使用します。

過活動膀胱の治療 薬物療法

生活改善

日常における生活習慣の改善や、自宅で出来るトレーニングなどを行うことで、症状の軽減・改善につながります。

生活改善やトレーニングは薬の服用とあわせて行うことがすすめられます。医師とよく相談の上、病気と今後の治療について十分に理解を深めておきましょう。

日常生活で気を付けること

1水分やカフェインをとり過ぎない
2早めにトイレに行くようにする。また、外出時にはトイレの場所を確認する
3トイレが近くにあるように生活空間を工夫する。また、必要に応じてポータブルトイレや採尿器を準備する
4トイレですぐに排尿できるような服を選ぶ

過活動膀胱の治療 生活改善

膀胱訓練

排尿期間を延ばし、膀胱容量を増加させるための訓練です。

1尿意が生じても我慢することで、間隔を延ばす訓練です。短時間から始め、徐々に15~60分単位で延長します
2最終的には2~3時間の排尿間隔が目標となります

骨盤底筋訓練(女性の場合)

排尿に関係する骨盤底筋を強化することにより、尿道を締め、尿漏れの軽減を目指します。

1あおむけ、椅子に座る、机に手をつくなどの姿勢で行う
2膣と肛門を5秒間ギュッと締め、10秒間緩める。これを5回行います
3膣と肛門を締める⇔緩めるを早いペースで5回繰り返します
42~3を1セットとして、1日10セット行います

過活動膀胱の治療 骨盤底筋訓練

詳しいトレーニング方法はコチラのページでもご紹介しています。

気になる症状は医師に相談を!

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早期の治療こそが、スムーズな回復へと繋がります。
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過活動膀胱の症状と治療 1/3

過活動膀胱の症状、治療、日常行うトレーニングなど全3回にわたってご紹介いたします。

第一回目の今回は、「過活動膀胱」の症状についてご紹介いたします。

過活動膀胱(OAB:overactive bladder)とは

以下のような症状を伴う病気です。

過活動膀胱(OAB:overactive bladder)とは

尿意切迫感

尿意切迫感

急に起こる抑えられない尿意

昼間頻尿

昼間頻尿

起きている間、頻繁に排尿する症状(目安:8回以上)

夜間頻尿

夜間頻尿

夜間に一回以上トイレに起き、それがつらい状態

切迫性尿失禁

切迫性尿失禁

急に尿意が起こり、トイレに間に合わず、尿が漏れてしまう症状

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早期の治療こそが、スムーズな回復へと繋がります。
病院に行く時間がなかなかとれない方もまずは一度ご相談ください。

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中高年男性の尿トラブルの症状と治療について 1/4

・トイレが近くなった
・排尿に時間がかかる

など尿に関するトラブルは男性の場合、50歳を過ぎたころから増えてきます。

尿トラブルの原因は「前立腺肥大症」がよく知られていますが、前立腺肥大症に伴って起こることの多い「過活動膀胱」も近年問題視されています。

中高年男性の尿トラブルの原因となる「前立腺肥大症」と「過活動膀胱」の症状や治療について4回にわたってご紹介いたします。
1回目の今回は前立腺肥大症についてご紹介いたします。

中高年男性の尿トラブルの症状と治療について

前立腺肥大症について

前立腺は膀胱の出口に近い場所に、尿道を取り囲むようにしてある男性特有の生殖器官で、排尿や射精をコントロールする働きをしています。

前立腺肥大症はこれまで、その名のとおり、前立腺が肥大し、尿道を物理的に圧迫することによって起きる病気と考えられてきました。
しかし近年では、前立腺の大きさと症状が必ずしも一致するとは限らないということがわかっています。

前立腺がそれほど肥大していないのに強い症状が現れている場合もあれば、前立腺がかなり肥大しているのに何の症状も感じないという場合もあるのです。

そのため、前立腺の大きさにかかわらず症状があれば、前立腺肥大症と診断され、治療が行われるようになっています。

中高年男性の尿トラブル 前立腺肥大症

気になる症状は医師に相談を!

「前立腺肥大症」は、きちんと治療すれば通常通りの生活を送れるようになります!気になる症状がある場合は、まずは泌尿器科医師にご相談ください。

当院では院長による無料メール相談を行っております。

早期の治療こそが、スムーズな回復へと繋がります。
病院に行く時間がなかなかとれない方もまずは一度ご相談ください。

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過活動膀胱以外にも尿のトラブルを引き起こす病気があります

女性の尿のトラブルを引き起こす過活動膀胱について、ここまで7回にわたってご紹介してきました。下記はその一覧です。

  1. 1. トイレが近い原因は過活動膀胱の可能性があります
  2. 2. トイレが近い原因となる「過活動膀胱」の症状
  3. 3. 10人に1人が「トイレが近い」症状を経験しています
  4. 4. 過活動膀胱は膀胱の異常な働きによって起こる病気です
  5. 5. 泌尿器科では病状を知るために問診・検査が行われます
  6. 6. 過活動膀胱に対する主な治療法
  7. 7. 自宅で簡単にできる! 「トイレが近い」過活動膀胱の治療方法

過活動膀胱は「トイレが近い」「尿をもらしてしまった」などのトラブルの原因となる病気です。しかし、このような尿のトラブルの原因は過活動膀胱以外にもあります。今回は、過活動膀胱以外に尿のトラブルを引き起こす病気をご紹介します。

過活動膀胱以外の尿のトラブルの原因

「トイレが近い」「尿をもらしてしまった」など、過活動膀胱と似た尿のトラブルを起こす病気として、腹圧性尿失禁や感染症、子宮の病気、がんなどがあります。

これらの病気の症状や原因について、簡単にご紹介します。

1. 腹圧性尿失禁

尿道などを支えている骨盤低筋などの働きが弱くなることで尿道をうまく締められなくなり、尿もれを起こす病気です。過活動膀胱と腹圧性尿失禁の両方の症状が見られる方もいます。

腹圧性尿失禁の症状

次のような強い腹圧がかかるような動作をした時、尿がもれてしまいます。

  • ・咳をする、くしゃみをする、笑う
  • ・走る、テニスやゴルフなどのスポーツをする
  • ・重い物を持ち上げる
  • ・坂道や階段を昇り降りする

腹圧性尿失禁

腹圧性尿失禁の患者さんの数

40歳以上の女性の8人に1人が、腹圧性尿失禁の症状を経験しています。とくに、出産を経験した女性に多くみられます。

腹圧性尿失禁の原因

お腹に強い力(腹圧)がかかった場合、「骨盤低筋」という筋肉が膀胱と尿道を支えることで、尿道が締まり、尿がもれるのを防いでいます。

腹圧性尿失禁では、この骨盤低筋が弱くなったり傷んだりすることによって、尿道をうまく締められなくなり、尿もれを起こします。

加齢や出産、女性ホルモンの低下が関係しています。

腹圧性尿失禁 原因

腹圧性尿失禁の治療

腹圧性尿失禁の治療方法はいくつかあります。

まずは、薬による治療です。尿道を締める働きがある薬(ベータ刺激薬)などを用います。

そして、手術などによる治療です。手術をして尿道をつりあげる方法(尿道スリング手術)や、コラーゲンを注入して尿道の筋肉を強くする方法などがあります。

2. 感染症(膀胱炎や尿道炎など)

尿道から細菌が入って炎症が起こる病気です。頻尿や尿意切迫感の他に、発熱や排尿痛などがみられます。

感染症(膀胱炎や尿道炎など)

3. 子宮内膜症

子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所にできる病気です。排尿の他に、下腹部痛や排尿痛などが起こります。

4. 心因性の頻尿(神経性頻尿)

精神的な問題が原因で、頻尿や尿意切迫感が起こる場合があります。「トイレのことを心配すると尿意を感じる」、「緊張した時にトイレに行きたくなる」というのは、その一つの例です。

5. 膀胱結石

膀胱内に結石(尿の中のカルシウムやシュウ酸などが固まったもの)ができる病気です。頻尿の他に、血尿や排尿痛が出ることがあります。

6. 膀胱がん

膀胱にできるがんです。痛みを伴わない血尿、頻尿、排尿時の痛み、残尿感などがみられます。

尿のトラブルの原因を突き止めるために病院で検査を受けましょう

尿のトラブルを起こす病気として、過活動膀胱以外にもさまざまなものがあることをご紹介してきました。同じような症状でも、見た目だけではどのような病気かは分からないというのはおわかりいただけたでしょうか。

尿のトラブル・悩みを解決するためには、その原因を特定することが大切です。原因特定のためには、泌尿器科を受診し検査をしていただくことが必要不可欠となります。

「トイレが近い」「尿をもらしてしまった」などの悩み・トラブルをお持ちの方は泌尿器科にお気軽にご相談ください。

自宅で簡単にできる! 過活動膀胱の治療方法

これまで、「トイレが近い」などの症状を引き起こす過活動膀胱という病気についてご紹介してきました。どのような症状があるのか、原因は何なのか、病院ではどのような検査・治療をするのかなどを6回に分けて詳しく見てきました。下記はその一覧です。

  1. 1. トイレが近い原因は過活動膀胱の可能性があります
  2. 2. トイレが近い原因となる「過活動膀胱」の症状
  3. 3. 10人に1人が「トイレが近い」症状を経験しています
  4. 4. 過活動膀胱は膀胱の異常な働きによって起こる病気です
  5. 5. 泌尿器科では病状を知るために問診・検査が行われます
  6. 6. 過活動膀胱に対する主な治療法

前回は過活動膀胱のおもな治療方法についてご紹介しましたが、それはいずれも病院に来ていただくことですることのできるものでした。そこで今回は、普段の生活の中でできる過活動膀胱の治療方法についてご紹介したいと思います。

普段の生活の中でできる過活動膀胱の治療

1. 膀胱訓練―トイレをがまんする訓練

膀胱訓練とは、トイレに行きたくなってもがまんする訓練です。膀胱にためることのできるおしっこの量を増やすことができます。

がまんする時間は5分くらいから始めて、少しずつ時間を延ばしていきましょう。

過活動膀胱の治療

2. 骨盤低筋訓練(骨盤低筋体操)―尿道を締める力を鍛える体操

普段の生活の中でできる治療の2つめは、骨盤低筋訓練です。これは尿道を締める力を鍛えるための体操です。基本の方法を覚えて、生活の中でこまめに行っていきましょう。

基本の方法

(1)あお向けに横になり、両足を肩幅程度に開いて、両ひざを軽く立てましょう。

過活動膀胱の治療 骨盤低筋訓練 基本の方法

(2)尿道・肛門・膣をきゅっと締めたり、緩めたりし、これを2~3回繰り返します。

過活動膀胱の治療 骨盤低筋訓練 基本の方法

(3)次は、ゆっくりぎゅうっと締め、3秒間ほど静止します。その後、ゆっくり緩めます。これを2~3回繰り返します。締める時間を少しずつ延ばしていきます。

過活動膀胱の治療 骨盤低筋訓練 基本の方法

この手順を1回5分程度から始めて、10~20分までだんだん増やしていきましょう。

生活の中で

(1)ひじ・ひざをついた姿勢で(朝・晩、布団の中)
床にひざをつき、ひじをクッションの上にのせ頭を支えて行います。

過活動膀胱の治療 骨盤低筋訓練 生活の中で

(2)テーブルを支えにした姿勢で(家事、仕事の合間に)
足を肩幅に開いて立ち、手は机の上に乗せて行います。

過活動膀胱の治療 骨盤低筋訓練 生活の中で

(3)椅子に座った姿勢で(テレビを見ながら)
足を肩幅に開いて椅子に座り、足の裏の全面を床につけて行います。

過活動膀胱の治療 骨盤低筋訓練 生活の中で

薬による治療と一緒に行うことが大切です

さて、自宅で簡単にできる過活動膀胱の治療方法についてご紹介してきました。どれも普段の生活ですぐにできるものばかりですが、過活動膀胱を治すためにはやはり薬による治療は欠かせません。

もしあなたが日常生活に支障をきたすほどの症状でお悩みの場合、泌尿器科を受診してしかるべき薬を服用していただくことをおすすめいたします。

薬を服用した上で今回ご紹介した治療法を実践すれば、より大きな効果が期待できます。

当院ではどのような治療を行えばよいかなど、過活動膀胱の症状でお悩みの方々の相談を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。