前立腺肥大の手術後の生活は?入浴・運動・仕事復帰の注意点を解説

前立腺肥大症の手術を受けた後、日常生活はどのように変わるのでしょうか。入浴や飲酒、運動、仕事復帰のタイミングなど、術後の生活面について不安に感じる方は少なくありません。

今回は、HoLEPを始めとした前立腺肥大症の手術を数多く手がける神楽岡泌尿器科が、手術後の生活で気をつけたいポイントを中心に、手術の種類や通院スケジュールまで詳しく解説します。

専門用語を使わずわかりやすく解説しますので、前立腺肥大の手術を検討している方、すでに手術を受けて術後の生活が気になる方は、ぜひ参考にしてください。

【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」

札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など

前立腺肥大手術の種類(TURP/HoLEP/WAVE)

前立腺肥大の代表的な治療法として、TURP・HoLEP・WAVEなどがあります。それぞれ見ていきましょう。

TURP(経尿道的前立腺切除術)

前立腺の組織を内側から削り取る手術です。血液が多く出る手術であるため体への負担はやや大きい手術になります。麻酔下での手術となり、一般的には2時間前後で終了するケースが多い手術です。術後数日間は尿道カテーテルを挿入し安静を保ちます。

出血が多いため、合併症のリスクが比較的高く入院が必要となる手術です。最近ではHoLEPやWAVEなど新しい手術方法が出てきたため、TURPが行われる機会は以前と比べ減っています。また、出血が多い手術のため抗凝固剤(血液をサラサラにする薬)を服薬している人には注意が必要な手術です。

2.HoLEP(ホルミウムレーザー前立腺蒸散術)

HoLEPは前立腺組織を皮膜から剥がし、その組織を細かく細断して尿道から吸引する方法です。例えるならば、みかんの皮だけを残し実をレーザーを用いてくり抜くイメージです。

前立腺の腺腫を切り取るものではないため、TURPと比べて出血が少なく、合併症のリスクも少ない手術になります。麻酔下の手術であり、一般的には2時間前後で終了する手術です。

患者さんの体への負担が少ないことが特徴で、当院、神楽岡泌尿器科では日帰り手術が可能です。仕事で忙しい方や、家での療養を選択されたい方に適用しています。日帰りHoLEPについては、以下の記事で詳しく解説しています。

神楽岡泌尿器科の前立腺肥大症「HoLEPの日帰り手術」について

WAVE(前立腺肥大水蒸気治療)

WAVEは2022年9月に日本ではじめて保険適用になった手術方法です。水蒸気を使い、前立腺の肥大した部分を壊死させ体に吸収させることで小さくする手術で、出血が少ない、10分程度で手術が終わるなど、体への負担が少ないことが特徴です。

詳しくは以下の記事で紹介しているので、あわせてご覧ください。

【最新治療法】前立腺肥大水蒸気治療「WAVE」を紹介【専門医監修】

前立腺肥大の手術が適応になるレベル

尿閉や腎機能低下、膀胱結石など前立腺肥大症による合併症が進行悪化している場合は手術適応となります。重篤化すると命に関わることがあるためです。

また、薬物治療によってあまり効果が得られなかった場合や、症状による心身への負担が大きい場合は手術の選択をすることもあります。いずれも主治医との相談の上、手術を勧めていきます。

排尿異常は、膀胱の機能異常が大きく関わるので、 当院長の書籍「気持ちいいオシッコのすすめ」に書かれているオシッコのやり方を見直すだけで膀胱機能が改善し、症状がよくなる方が多くいらっしゃいます。 

前立腺肥大手術後の生活で注意すべきこと

手術後の入院期間や生活の注意点は、手術の種類や症状によって異なります。ここでは、術後の生活で特に気になる点を整理します。

入浴はいつから可能?

入浴が可能になるタイミングは、尿道カテーテルが抜けた後が目安です。

  • TURP:カテーテルが取れてからは入浴が可能
  • HoLEP(入院):術後数日で尿道カテーテルを抜去した後から可能
  • 日帰りHoLEP:手術当日はカテーテルを入れた状態で帰宅し、翌日の抜去後から入浴が可能

なお、通常の入浴とは別に、温泉やサウナのような長時間・高温での入浴は、傷の回復状態にかかわらず2ヶ月程度は控えるようにしてください。

飲酒・食事について

出血を抑えるため、過度の飲酒を控えるようにしてください。また、術後は1日2リットル程度の水分を意識して摂ることが推奨されています。

運動・自転車・バイクについて

2週間程度は激しい運動を避け、患部への振動や圧迫がかかりやすい自転車やバイクの利用は2ヶ月程度控えることが推奨されています。

仕事復帰の目安

日帰りHoLEPの場合、デスクワークであれば手術の翌日から通常の勤務が可能なケースが多いです。ただし、引っ越し作業など通常の生活以上にりきむ力を入れる必要がある仕事は、復帰まで4〜5日程度かかるケースが多くなります。

入院を伴うTURP・HoLEPの場合は、入院期間や回復の状況によって復帰の目安が異なるため、退院時に医師と相談のうえで判断することをおすすめします。

性生活について

出血や患部への負担を避けるため、手術後2ヶ月程度は性生活を控えることが推奨されています。

排尿時、茶色のかたまりやふわふわしたものが出ることもありますが、これは問題ありません。

通院スケジュール

手術後の入院期間や通院は症状や病院により異なりますが、一般的には以下のような目安で設定されています。

術式入院期間通院
TURP7日〜10日病院により異なる
HoLEP5日程度手術1週間後以後2週間に1回を3ヶ月程度
日帰りHoLEPなし1日目(翌日)・3日目・7日目、以後2週間に1回を3ヶ月程度

手術後に現れる症状は、手術当日よりも3日目以降に現れることが多いため、手術直後はなるべく通院いただくようにしています。また、切除した部分の粘膜が再生するまでは2ヶ月程度かかるため、2週間に1回程度の通院で経過観察を行います。

手術後に起こりやすい症状(尿漏れ・夜間頻尿・射精障害)

手術の後遺症としてよく見られるのは以下のようなものです。

  • 尿漏れ
  • 夜間頻尿
  • 射精障害

この中でも特に尿漏れをする方は多く、1ヶ月〜半年程度で回復することが一般的です。半年を過ぎても尿漏れが続く場合は、再度医師にご相談ください。術後の尿漏れが起こるメカニズムや改善方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

前立腺肥大症の手術後の尿漏れは治る!手術に長けた泌尿器科院長が解説

性機能については、薬などで一時的に低下するものの、治療後は勃起能力が回復するケースが多く、性行為自体は行えることが多いです。ただし、射精障害は起きてしまうため、子作りを考えられている方は、術前に主治医としっかり相談し納得してから承諾するようにしましょう。

まとめ

今回は前立腺肥大の手術後の生活について、入浴・飲酒・運動・仕事復帰・性生活の注意点を中心に解説しました。

神楽岡泌尿器科では日帰りHoLEP手術が可能です。院長の渋谷先生はWAVEの免許も取得しているため、前立腺の手術を考えている方や術後の生活に不安がある方は無料メール相談をご利用ください。

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