前立腺肥大症手術のデメリット|リスクと後遺症を種類・年齢別に解説

前立腺肥大症の手術を検討している方の中には、「手術に失敗することはあるのか」「術後に尿漏れや後遺症が残らないか」「高齢でも手術を受けて大丈夫なのか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

前立腺肥大症の手術には、出血・感染・尿漏れ・射精障害・尿道狭窄などのリスクがあります。ただしリスクの程度は、手術方法、年齢、持病の有無、前立腺の大きさ、術後の経過によって変わります。

大切なのは、手術のデメリットや起こり得る後遺症を正しく理解したうえで、自分の状態に合った術式を医師と相談することです。

この記事では、前立腺肥大症手術の主なデメリット・失敗例として考えられる症状、術式別のリスク、年齢別に注意したいポイントをわかりやすく解説します。あわせて、当院で行っている日帰りHoLEP手術についても紹介しますので、手術を受けるか迷っている方はぜひ最後までご覧ください。

前立腺肥大症手術で起こり得る主なデメリット・後遺症

前立腺肥大症の手術後には、一時的な症状を含めて以下のようなデメリットや後遺症が起こる可能性があります。

症状・後遺症起こり得る内容受診・相談の目安
血尿術後しばらく尿に血が混じることがある血尿が強い、血の塊が出る、長引く場合
排尿時の痛み・違和感尿道や膀胱への刺激で痛みや違和感が出ることがある痛みが強い、発熱を伴う場合
尿漏れ尿意を我慢しにくい、少量の尿が漏れることがある改善しない、生活に支障がある場合
感染尿路感染などにより発熱や排尿痛が起こることがある発熱、強い痛み、尿のにごりがある場合
射精障害射精時に精液が外に出にくくなることがある挙児希望がある方は事前相談が必要
尿道狭窄尿道が狭くなり、尿が出にくくなることがある尿の勢いが弱い、残尿感が強い場合
ED勃起機能に影響が出る可能性がある術後の性機能が気になる場合

これらは、手術後に必ず起こるものではありません。また、血尿や排尿時の違和感、尿漏れなどは一時的な経過として見られる場合もあります。

一方で、症状が長引く場合や、発熱・強い痛み・尿が出にくいなどの症状がある場合は、自己判断せず医師に相談することが大切です。

特に「手術の失敗ではないか」と不安になる症状でも、術後の経過として起こり得るものと、早めの対応が必要なものがあります。不安な症状がある場合は、手術を受けた医療機関や泌尿器科へ相談しましょう。

前立腺肥大症手術の「失敗例」として不安に感じやすい術後症状

前立腺肥大症手術について調べていると、「失敗例」という言葉を目にすることがあります。ただし、医学的に何をもって失敗とするかは、症状や経過によって異なります。

患者様が「失敗したのでは」と感じやすいのは、主に以下のようなケースです。

  • 手術後も尿が出にくい
  • 尿漏れが続く
  • 血尿や痛みが長引く
  • 射精の感覚が変わった
  • 思ったほど症状が改善しない
  • 再治療が必要になった

前立腺肥大症の手術は、肥大した前立腺による尿道の圧迫を改善し、尿の通りをよくするために行われます。しかし、術前から膀胱の機能が低下している場合や、過活動膀胱を合併している場合などは、手術後も頻尿や尿意切迫感が残ることがあります。

つまり、術後に症状が残ったからといって、必ずしも手術そのものが失敗したとは限りません。術前の状態、膀胱機能、年齢、持病、術後の回復過程を含めて判断する必要があります。

手術を検討する際は、「どの症状の改善が期待できるのか」「どの症状は術後も残る可能性があるのか」を事前に確認しておくことが大切です。

前立腺肥大症手術の種類別に見るリスク

前立腺肥大症の手術にはいくつかの方法があります。ここでは、代表的な手術方法ごとに、起こり得るリスクや注意点を整理します。

TURP(経尿道的前立腺切除術) のリスク

TURPは、尿道から内視鏡を入れ、肥大した前立腺の一部を電気メスで削り取る手術です。前立腺肥大症の手術として長く行われてきた方法で、尿道の圧迫を取り除き、尿の通りを改善する目的で行われます。

一方で、出血、感染、排尿時の痛み、尿道狭窄、射精障害などのリスクがあります。前立腺の大きさや患者様の状態によっては、体への負担や術後管理に注意が必要です。

WAVE(前立腺肥大水蒸気治療) のリスク

WAVE(前立腺肥大水蒸気治療)は水蒸気を使用して前立腺組織を収縮させる新たな治療手法です。この手術にはいくつかのリスクが伴いますが、一般的には低侵襲性であるとされています。

まず、WAVEの主な利点は処置時間の短いことと、出血の少なさです。手術中には従来の手術法と比較して出血や、術中の痛みが極めて少ないため、患者は術後不快症状の回復が早く、負担が軽減されることが期待されます。

また、尿道や周辺組織に対するダメージも最小限に抑えられるとされています。従来の手術法では尿道への影響が懸念されましたが、WAVEでは水蒸気の力を利用するため、尿道や周辺組織に対する優れた安全性が期待されます。

一般的な手術に伴うリスクも考慮されますが、WAVEは感染症の発生リスクや、性的機能や排尿に関する合併症の発生も比較的少ないとされています。

HoLEP(ホルミウムレーザー前立腺核出術)

ホルミウムレーザー前立腺核出術(HoLEP)はホルミウムレーザーを用いて前立腺組織をくり抜く新たな手術になります。手術の際にはいくつかのリスクが存在しますが、その多くは従来の手術法と比較して低減されているとされています。

HoLEPの主な利点は、肥大線種をくり抜いて取り切ることと、出血を少なくできることです。ホルミウムレーザーは血管を同時に凝固させるため、手術中および手術後の出血リスクが低減します。

また、尿道や周辺組織に対するダメージも少なく、尿失禁や尿道狭窄のリスクが低いのも特徴です。従来の手術法では尿道への影響が大きかったため、この点においてHoLEPは優れていると言えます。手術後の回復も速やかで、患者は比較的早い段階で通常の生活に戻ることが期待できます。

ただし、HoLEPにも特有の合併症が存在します。一時的な排尿障害やまれに射精のような性機能に影響を及ぼすことも報告されています。前立腺の内腺結節を取り切るので、術後の尿失禁は長くなる可能性があります。これらのリスクは患者の個別の状態により異なり、事前の詳細な診断や医師との相談が重要です。

神楽岡泌尿器科では、前立腺肥大症の日帰りHoLEP手術を行っています。手術方法で迷っている方は、以下のページも参考にしてください。


▼前立腺肥大症の日帰りHoLEPについて詳しく知りたい方へ
前立腺肥大症の手術について詳しく見る

術後に起こり得る後遺症・合併症と相談の目安

前立腺肥大症の手術後は、体が回復する過程でさまざまな症状が出ることがあります。ここでは、患者様から相談されやすい症状を整理します。

尿漏れ

術後に尿漏れが起こると、「このまま治らないのでは」と不安になる方もいます。前立腺肥大症の手術後は、前立腺部の炎症により刺激症状や元々低下していた尿道括約筋のパワーにより、一時的に尿を我慢しにくくなり、失禁もみられるようになることがあります。

多くの場合、時間の経過や骨盤底筋のトレーニングなどによって確実に改善します。ただし、尿漏れが長引く場合や、日常生活に支障が出ている場合は、医師に相談しましょう。

術後の尿漏れについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

前立腺肥大症の手術後の尿漏れは治る!手術に長けた泌尿器科専門医師が解説

血尿

手術後は、しばらく尿に血が混じることがあります。軽い血尿であれば経過を見ながら落ち着くこともありますが、血尿が強い場合、血の塊が出る場合、尿が出にくい場合は注意が必要です。

特に、抗血栓薬など血液をサラサラにする薬を服用している方は、術前に必ず医師へ伝えましょう。

排尿時の痛み・違和感

術後は尿道や膀胱が刺激を受けているため、排尿時にしみるような痛みや違和感が出る場合があります。症状が軽く、日ごとに落ち着いていく場合は、術後の経過として見られることもあります。

排尿量が少ないとこの症状が強くなる傾向がありますので十分な水分補給が大事となります。 

一方で、痛みが強い、発熱がある、尿がにごるなどの症状がある場合は、感染の可能性もあるため、早めに相談してください。

射精障害

前立腺肥大症の手術後には、射精時に精液が外へ出にくくなることがあります。これは産生される精液の量が減ることと、逆行性射精と呼ばれ、精液が膀胱側へ流れることで起こります。

命に関わる合併症ではありませんが、挙児を希望している方や性生活への影響が気になる方にとっては重要な問題です。手術前に、術後の性機能への影響について医師に確認しておきましょう。

尿道狭窄

まれに、術後に尿道が狭くなり、尿の勢いが弱くなることがあります。尿が出にくい、残尿感が強い、排尿に時間がかかるといった症状がある場合は、尿道狭窄の可能性も考えられます。

術後しばらくしてから症状が出ることもあるため、「一度よくなったのに、また尿が出にくくなった」と感じた場合は受診を検討しましょう。

ED

手術後の性機能について不安を感じる方もいます。前立腺肥大症の手術では、前立腺がん手術とは異なり、勃起に関わる神経を大きく損傷する手術ではありません。ただし、年齢、持病、薬の影響、心理的な不安などによって、EDの症状が気になる場合があります。

術後の性機能について心配がある方は、恥ずかしがらずに医師へ相談することが大切です。

術後の症状や日常生活への影響について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

HoLEPホーレップ手術の術後に関する悩みを専門医師が回答

高齢者の前立腺肥大症手術のリスク

前立腺肥大症は中高年男性に多い病気です。手術のリスクは年齢だけで決まるものではありませんが、年齢が上がるほど持病や体力、服薬状況を考慮する必要があります。

高齢になると、前立腺肥大症の症状が進行し、薬だけでは十分に改善しない方も増えてきます。手術によって排尿状態の改善が期待できる一方で、持病や服薬の影響、術後の回復力を慎重に確認する必要があります。

特に、血液をサラサラにする薬を服用している方、心臓や脳血管の病気がある方は、手術前に必ず医師へ伝えましょう。リスクを把握したうえで、入院が必要か、日帰りで対応できる可能性があるかを相談することが大切です。

高齢の方の前立腺肥大症治療について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

高齢者向け!前立腺肥大症の治療をどう進めるのか医師が解説

手術リスクを軽減できる!日帰り前立腺肥大症手術「HoLEP」

前立腺肥大症の手術リスクを考えるうえで、どの術式を選ぶかは重要なポイントです。

神楽岡泌尿器科では、前立腺肥大症に対して日帰りHoLEP手術を行っています。HoLEPは、レーザーを用いて肥大した前立腺の組織をくり抜く治療で、従来の手術に比べて出血が少なく、再発の確率も低くすることができ、 体への負担が少ない方法です。

日帰り手術では、術後に院内で経過を確認し、安全が確認できた場合に帰宅します。手術当日は尿道カテーテルを入れた状態で帰宅し、翌日に抜去する流れになります。

神楽岡泌尿器科では、術後の不安を少しでも軽減、身体的なトラブルを回避するために、日帰り手術を受けられた患者様へ、24時間の電話サポートを行っています。

術後にカテーテルが抜けてしまった、痛みがかなり強いなどトラブルがあった場合は、神楽岡泌尿器科の番号までお電話ください。院長の判断により、適切な指示及び必要があれば患者様の家に訪問し診療を行います。

日帰りHoLEPが向いている可能性がある方

日帰りHoLEPは、以下のような方に向いているといえるでしょう。

  • 入院せず、最短で仕事に復帰したい
  • 仕事や生活への影響を抑えながら治療したい
  • 出血や体への負担が少ない手術を相談したい

事前相談が必要な方

以下に当てはまる方は、日帰り手術が可能かどうかを事前に慎重に確認する必要があります。

  • 心臓病、脳血管疾患、糖尿病などの持病がある
  • 血液をサラサラにする薬を服用している
  • 高齢で体力に不安がある
  • 前立腺がかなり大きいと言われた
  • 尿閉を繰り返している
  • 他院で手術を勧められたが迷っている

手術のリスクをゼロにすることはできません。しかし、術式の選び方や術前の確認によって、体への負担や術後の不安を抑えられる可能性があります。


▼前立腺肥大症の手術方法で迷っている方へ
神楽岡泌尿器科では、日帰りHoLEP手術のご相談を受け付けています。
「自分は手術が必要なのか」「日帰りでできるのか」「術後の尿漏れが心配」など、不安がある方はお気軽にご相談ください。
前立腺肥大症の日帰りHoLEPについて詳しく見る
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薬で治療を続けるか、手術を検討するか迷ったときは

前立腺肥大症では、まず薬物療法から始めるケースがほとんどです 。薬によって尿道の圧迫をやわらげたり、排尿排便の仕方を改善したりすることで、症状が落ち着く方もいます。

一方で、薬を飲んでも症状が改善しない場合、尿閉を繰り返す場合、残尿が多い場合、生活への支障が大きい場合は、手術を検討することがあります。

手術にはリスクがありますが、症状を我慢し続けることにもリスクがあります。排尿障害が進行すると、膀胱に負担がかかり、残尿や尿路感染、腎機能への影響が問題になることも。

「薬を続けるべきか」「そろそろ手術を考えるべきか」と迷っている方は、自己判断せず、泌尿器科で現在の状態を確認しましょう。

薬物療法について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

前立腺肥大症の薬一覧|泌尿器科専門医の解説付き

まとめ|前立腺肥大症手術のデメリットを理解し、自分に合った治療を相談しましょう

前立腺肥大症の手術には、出血、感染、尿漏れ、排尿時の痛み、射精障害、尿道狭窄などのリスクがあります。術後の症状によっては、「失敗したのでは」と不安になることもあるかもしれません。

しかし、術後に起こる症状の中には、一時的な経過として見られるものもあります。また、症状が残る原因は、手術そのものだけでなく、術前の膀胱機能や持病、年齢、前立腺の大きさなどによっても変わります。

大切なのは、手術のメリットだけでなく、デメリットや後遺症の可能性も理解したうえで、自分に合った治療方法を選ぶことです。

神楽岡泌尿器科では、前立腺肥大症の日帰りHoLEP手術を行っています。手術リスクが心配な方、入院せずに治療できるか知りたい方、術後の尿漏れや生活への影響が不安な方は、まずは一度お気軽にご相談ください。

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前立腺肥大症の手術は、不安を抱えたまま決めるものではありません。リスクや術後の経過を確認し、自分にとって納得できる治療方法を医師と一緒に考えていきましょう。

▼手術方法で迷っている方へ|以下の記事もあわせてご覧ください。
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