タグ別アーカイブ: 過活動膀胱

自宅でできる過活動膀胱に効く骨盤底筋トレーニング!テレビをみながらできる方法も紹介します

日常生活に支障がある尿漏れ・頻尿の原因が、過活動膀胱と言われたら、骨盤底筋トレーニングが必要です。

しかし、過活動膀胱は薬剤の治療が必要な疾病ですが、薬剤のみでは一時的な改善しかしません。骨盤底筋を鍛えることで、過活動膀胱の症状改善・予防にもつながります。

そこで、泌尿器科がおすすめする正しい骨盤底筋トレーニングをご紹介していきます。

続けやすいように、日常でできる基本のトレーニングから、ちょっとした時間に気軽に行える応用編まで載せているため、ぜひ正しいトレーニングを身につけてください。

 

【基本】過活動膀胱の「骨盤底筋トレーニング」

骨盤底筋トレーニングとは、尿道を締める力を鍛えるための体操のこと。トレーニングを続けるために、生活の中でこまめに行っていくことで過活動膀胱の治療に役立ちます。

 

基本の方法
  1. あお向けで横になり、両足を肩幅程度に開いて、両ひざを軽く立てましょう。
  2. 尿道・肛門・膣をきゅっと締めたり緩めたりを、1秒ずつ15回程度繰り返す。
  3. ゆっくりぎゅうっと締めて3秒間ほど静止し、またゆっくり緩めます。この行動を2〜3回繰り返し、締める時間を少しずつ延ばしていきます。
  4. 手順1〜3を1回5分程度から始めて、10〜20分までだんだん増やしていく。

 

大切なことは、全身で力むのではなく、リラックスした状態で尿道・肛門・膣だけに集中して力を入れて締めることです。呼吸は止めずに自然体のまま行ってください。

また、力を入れるときは、膣をお腹に引き上げるイメージでおへそが背中に近づくように行いましょう。

 

【応用編】過活動膀胱の「骨盤底筋トレーニング」

トレーニングといっても、普段忙しくしている人にとっては5分でも惜しい時間ですよね。

ここで紹介するのは、デスクワークや生活の余暇にできる、ながら骨盤底筋トレーニングを紹介していきます。

 

  1. 朝・晩、布団の中:ひじ・ひざをついた姿勢で床にひざをつき、ひじをクッションの上にのせ、頭を支えて行う。
  2. 家事、仕事の合間:テーブルを支えにした姿勢で足を肩幅に開いて立ち、手は机の上に乗せて行う。
  3. テレビを見ながら:椅子に座った姿勢で足を肩幅に開いて椅子に座り、足の裏の全面を床につけて行う。
  4. 通勤電車内:つり革や鉄擦りにつかまって全身リラックスさせてから行う。
  5. お料理の合間:足を肩幅に開き、両手をキッチンについて上体を軽く支えて行う。

 

骨盤底筋トレーニングは、生活のあらゆる隙間に訓練が可能です。全身をリラックスでき、息を止めずに行える場所で行うことがポイントです。

「この時間、骨盤底筋トレーニングできるかも」と思ったら、実施してみてください。

 

なぜ骨盤底筋群を鍛えることが、過活動膀胱に効果的なのか

結論として、骨盤底筋群を鍛えることで、過活動膀胱の主症状の軽減・再発防止につながるためです。

過活動膀胱とは、膀胱が敏感になることで頻尿や自分の意に反して尿漏れを起こしてしまうことをいいます。

もともと人間の身体には便意や尿意を我慢するための括約筋があり、括約筋が上手く機能していない現状のままでは、薬剤で治ったとしても一時的な効果しか期待できません。

治ってもすぐに再発してしまう可能性があります。

そのため、便意や尿意を我慢するための括約筋があるのは、骨盤底筋群を鍛えることで症状軽減、再発予防に取り組むことができるのです。。

 

まとめ

今回は、過活動膀胱に効果的な骨盤底筋トレーニングをご紹介しました。

骨盤底筋群をトレーニングすることで、症状の改善・再発予防が期待できます。

ぜひ、ご自宅で取り入れてみてくださいね。

他にも、当院ではどのような治療を行えばよいかなど、過活動膀胱の症状でお悩みの方々の相談を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

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著者:渋谷秋彦

【女性】過活動膀胱の原因を泌尿器科が全て教えます!解決策を見つけるために

当院に受診される女性の多くは頻尿・強い尿意のために日常生活に支障がでている方がほとんどです。原因は過活動膀胱が多く、特に産後に問題を抱えだした女性が多くいらっしゃいます。

実際、過活動膀胱とは女性の方に多い排泄トラブルで、40歳以上の女性の8人に1人が経験があると言われているほどメジャーな疾病です。

そこで、排泄トラブルのスペシャリストである泌尿器科が、過活動膀胱の原因・症状・治療について解説します。

実際に過活動膀胱なのか悩んでいる方には、過活動膀胱の診断基準にもなるチェックリストも掲載しているため、ぜひ参考にしてみてください。

 

女性の過活動膀胱の原因

女性の過活動膀胱の原因は、膀胱が過敏に反応してしまうためです。

膀胱が過敏に反応することで、十分に尿がたまっていない状態にも関わらず勝手に縮み、我慢できない尿意が起き、トイレが近くなります。

 

膀胱が過敏に反応する原因
  • 神経系のトラブル・・・脳卒中などの後遺症で、脳と膀胱の筋肉を結ぶ神経の回路に障害が起き、膀胱が異常な働きを引き起こすため。
  • 骨盤底筋のトラブル・・・出産や加齢により、子宮・膀胱・尿道などを支えている骨盤底筋が弱くなり、膀胱の異常なはたらきを引き起こすため。

 

他にも、トイレのことばかりを考えた時や、人前で発表する時などストレスなどの心因性で起こる場合もあるため、原因がはっきりしないことも多いです。

 

過活動膀胱以外の排泄トラブルの原因

尿意切迫感・昼間頻尿・夜間頻尿があると過活動膀胱とされがちですが、別の疾患が原因となっている場合も多いです。

尿意切迫感・昼間頻尿・夜間頻尿などの排泄トラブルの原因となる疾病をご紹介します。

排泄トラブルの原因となる疾病一例

  • 腹圧性尿失禁…排泄の要となる骨盤低筋の働きが弱くなり、尿漏れが起きる。
  • 感染症(膀胱炎や尿道炎など)…尿道から細菌が入って炎症が起こる。発熱や排尿痛などの症状がみられる。
  • 子宮内膜症…子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所にできる疾病。排尿の他に、下腹部痛や排尿痛などが起こります。
  • 心因性の頻尿(神経性頻尿)…精神的な問題が原因で、頻尿や尿意切迫感が起こる。
  • 膀胱結石…膀胱内に結石ができる疾病。他に、血尿や排尿痛などが起きる場合もある。
  • 膀胱がん…膀胱にできるがん。痛みを伴わない血尿、排尿時の痛み、残尿感などがみられます。

頻尿や残尿感が起こりやすい代表的な疾病は過活動膀胱ですが、腹圧性尿失禁も女性に多い疾病です。2つの疾病にかかっている方もいらっしゃいます。

腹圧性尿失禁を経験した方の割合は、40歳以上の女性の8人に1人と言われています。

特に、出産を経験した女性に多くみられるため、尿漏れに悩んでいる方は一度かかりつけ医にご相談してみるのも一つの手です。

腹圧性尿失禁のよくある症状一例

  • 咳をする、くしゃみをする、笑う
  • 走る、テニスやゴルフなどのスポーツをする
  • 重い物を持ち上げる
  • 坂道や階段を昇り降りする

 

【症状】心当たりありませんか?女性の過活動膀胱

過活動膀胱によくみられる4つの症状
  • 尿意切迫感…それまで何でもなかったのに突然トイレに行きたくなり、我慢することが難しい症状。
  •  昼間頻尿…日中に8回以上トイレに行く症状。
  • 夜間頻尿…夜中に1回以上おしっこのために起きる症状。
  • 切迫性尿失禁…突然のがまんできない強い尿意に襲われ、トイレまで我慢できずに尿がもれてしまう症状。

 

多くの過活動膀胱の方に尿意切迫感・昼間頻尿・夜間頻尿の症状が見られますが、切迫性尿失禁は見られないことも。

すべての症状があれば「過活動膀胱だ」と断定するわけではありません。4つのうち1つしか症状がない方であっても、過活動膀胱の方もいらっしゃいます。

 

ちゃんと知りたい!過活動膀胱のチェックリスト

トイレの回数や強い尿意を感じている方は、「過活動膀胱かも…?」と思い当っているかもしれません。

しかし、実際に排泄トラブルがなぜ起こっているのかは、診察・検査してみないとわからないですよね。

実は、手軽に過活動膀胱かどうかチェックできるチェックリストがあるんです。

過活動膀胱には、過活動膀胱診療ガイドラインがあり、質問票に従って点数をつけることで症状の重さ・過活動膀胱の傾向があるかがわかります。

排泄トラブルで過活動膀胱を疑っている方は、ぜひチェックリストを活用してみて下さい。1週間のあなたの状態を思い返してチェックしてみましょう。

チェックリストの合計点数は何点でしょうか?

  • 質問3が2点以上(=「急に尿がしたくなり,がまんが難しいこと…」が週1回以上)
  •  合計点数が3点以上

両方に当てはまる方は、過活動膀胱の可能性があります。

また、チェックリストの合計点数によって、症状の重さがわかります。

過活動膀胱診療ガイドラインの合計点数

  • 5点以下・・・軽症
  • 6~11点・・・中等症
  • 12点以上・・・重症

治療については、こちらの記事でもまとめていますので、参考にしてみてください。

過活動膀胱の治療とチェック方法を泌尿器科が徹底して教えます

 

まとめ

女性に多い過活動膀胱の、原因・症状・チェック方法について解説しました。

頻尿や我慢できないほどの強い尿意が頻繁にある方は、チェックリストで点数を出してみましょう。

過活動膀胱かどうか悩むのであれば、かかりつけ医か、最寄りの泌尿器科を受診してください。

排泄トラブルは、医者とはいえ人に相談しにくいと思います。もし、恥ずかしくて受診を悩んでいるのであれば、無料メール相談窓口も用意しているため、お気軽にお問い合わせください。

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著者:渋谷秋彦

過活動膀胱の治療とチェック方法を泌尿器科が徹底して教えます

泌尿器科である当院では、過活動膀胱に悩む方もよくいらっしゃいます。

急な強い尿意に襲われるようになったり、頻尿になったりと日常生活に支障が出る過活動膀胱は、薬による治療や生活習慣の改善・トレーニングで症状の改善が見込まれます。

しかし、正しい治療方法を行えていなかったり、そもそも泌尿器科を受診するのが恥かしく自身が過活動膀胱かどうかもわかっていなかったりする状態の方も多いです。

そこで、まずは排尿トラブルのスペシャリストである泌尿器科が、過活動膀胱の治療とチェック方法を解説いたします。

まずはご自身がどのような状態なのかを確認してみましょう。

 

過活動膀胱の治療

過活動膀胱の治療は主に、薬物治療・行動治療です。

  • 薬物治療・・・内服薬による治療で症状を軽減する治療。
  • 行動治療・・・生活改善や骨盤底筋トレーニング・排尿訓練を行い、症状を軽減する治療。

それぞれ、具体的な治療内容を解説します。

 

薬物療法

過活動膀胱になった場合、日常生活に支障がある我慢できないほどの急な尿意や頻尿などの症状が続くことになります。

症状を抑えるため、膀胱により多くの尿を溜められる薬で治療を行うことがほとんどです。

 

行動治療

行動治療は、薬物療法と併用をすすめられます。

行動治療を行わなければ、薬物治療で症状を和らげられたとしても薬を飲まなくなると再発する可能性が高いです。薬を使用せずとも症状を軽減し、再発予防を行うようにするためには行動治療により生活改善を行い、トレーニングで膀胱・骨盤底筋群を鍛える必要があります。

膀胱訓練では、膀胱にしっかりと尿を溜められるようにする訓練。骨盤底筋トレーニングとは、排尿に関係する骨盤底筋を強化することにより、尿道を締め、尿漏れの軽減を目指す訓練です。

 

過活動膀胱の方が行ってほしい生活改善リスト
  • 水分やカフェインをとり過ぎない。
  • 早めにトイレに行くようにする。また、外出時にはトイレの場所を確認する。
  • トイレが近くにあるように生活空間を工夫する。また、必要に応じてポータブルトイレや採尿器を準備する。
  • トイレですぐに排尿できるような服を選ぶ。
膀胱訓練方法

尿意が生じても我慢することで、間隔を延ばす訓練。短時間から始め、徐々に15〜60分単位で延長します。最終的には2〜3時間の排尿間隔が目標。

骨盤底筋トレーニング(女性の場合)
  1. あおむけ、椅子に座る、机に手をつくなどの姿勢で行う。
  2. 膣と肛門を5秒間ギュッと締め、10秒間緩める。これを5回行う。
  3. 膣と肛門を締める⇔緩めるを早いペースで5回繰り返す。
  4. 2~3を1セットとして、1日10セット行う。

 

過活動膀胱のセルフチェック方法

過活動膀胱かどうかチェックするためには、頻尿がどうして起こっているのか自身で知らねばなりません。

過活動膀胱では、通常尿意を感じないはずの尿量しか溜まっていなくとも、強い尿意を感じます。しかし、しっかりと尿が溜まっているにも関わらず頻尿になっている場合は、別の疾病の可能性も。

頻尿の原因を知るには、排尿日誌をつけて、排尿状況を把握しましょう。

排尿日記とは、1日のうちでトイレに行った時刻・排尿の有無・尿意・尿の量・水分摂取量などを記録できるシートのことです。

排尿日記のテンプレートはPDFデータで用意しているため、ぜひ使ってみてください。計量には350mlの缶ビールや上部を切ったペットボトルなどの代用もおすすめです。

 

排尿日記テンプレートPDFデータ

 

もし、頻尿の原因が、過活動膀胱の可能性が高いと疑っている方は、過活動膀胱の診療診療ガイドラインによって作られたチェックリストを使用すると、過活動膀胱かのチェックや重症度も把握できます。排尿日記の他にも、チェックリストでのチェックも行ってみると良いですね。

過活動膀胱の診療診療ガイドラインが知りたい方におすすめの記事はこちら。

 

過活動膀胱の治療薬

過活動膀胱の治療薬には、膀胱におしっこを溜められる効果が期待できる抗コリン薬が使われることが多いです。

抗コリン薬が他治療薬の飲み合わせが悪いなどの理由で使用できない場合は、β3アドレナリン受容体刺激薬を選択することもあります。

薬には副作用が少ないものを選択しますが、口内乾燥・便秘などの副作用がでてしまうこともあるため、医師・薬剤師の説明を聞いたうえで適切な量の使用を心がけてください。

 

過活動膀胱の予防

過活動膀胱の予防には骨盤底筋トレーニングがおすすめです。排尿トラブルは骨盤底筋群が原因となることが多いため、骨盤底筋トレーニングを行うことで頻尿・尿漏れを予防しましょう。

生活の中でこまめに行っていくことで過活動膀胱の予防に役立ちます。

 

骨盤底筋トレーニングの基本
  1. あお向けで横になり、両足を肩幅程度に開いて、両ひざを軽く立てる。
  2. 尿道・肛門・膣をきゅっと締めたり緩めたりを、1秒ずつ15回程度繰り返す。
  3. ゆっくりぎゅうっと締めて3秒間ほど静止し、またゆっくり緩めます。この行動を2〜3回繰り返し、締める時間を少しずつ延ばしていきます。
  4. 手順1〜3を1回5分程度から始めて、10〜20分までだんだん増やしていく。

 

骨盤底筋トレーニングの基本を習慣化出来たら次は応用編です。じつは、骨盤底筋トレーニングは家事の合間や出勤途中の電車でも行えます。

トレーニング方法を知りたい方は『自宅でできる過活動膀胱に効く骨盤底筋トレーニング!テレビをみながらできる方法も紹介します』で確認してみてください。

 

まとめ

過活動膀胱の治療とチェック方法について解説しました。

まずは自分の身体の状況を把握するためにも「排尿日誌」をつけることをおすすめします。

自分の尿を知ることで治療の手立てになっていきます。

しかし、どうしても症状が軽減しなかったり、受診も忙しかったり、恥かしかったりで出来ていない方には、無料メール相談窓口も用意しているため、お気軽にお問い合わせください。

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また、著書ではより詳しくオシッコの習慣について書いています。おしっこに悩む全ての人に捧げた本なのでお悩みの方は参考にしてみてください。

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著者:渋谷秋彦

 

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男子の過活動膀胱の症状・原因・治療を泌尿器科が伝えます

 

今回は、臨床でも多い「過活動膀胱」のお話です。

過活動膀胱とは、頻尿や急な尿意を強く感じてしまう症状のことで、生活に支障がでやすい困りごとでもあります。

今回は過活動膀胱の仕組みや原因、訓練方法など泌尿器科のスタッフが紹介するので、深く知りたい、どうにかしたいという方は治療の第一歩として参考にしてみてください。

過活動膀胱の4つの症状

過活動膀胱には4つの症状があるのでご紹介します。

過活動膀胱の4つの症状

昼間頻尿

日中だけでもトイレに8回/日以上トイレに行ってしまう症状です。

夜間頻尿

夜中におしっこのために1回以上起きてしまう症状のことです。

尿意切迫感

急に我慢するのも難しいほどの尿意を感じる症状です。

切迫性尿失禁

突然の我慢できない強い尿意を感じ、トイレまで我慢できずに尿がもれてしまう症状のことです。

週に1回以上尿意切迫感があると過活動膀胱と診断される場合もあるほど、過活動膀胱になると急に強い尿意を感じるようになります。

過活動膀胱になると、強い尿意を感じるようになるため、尿の回数が日中・夜間ともに増えてしまうことが多いです。しかし、症状には個人差があるため、必ずしもすべての症状が出るわけではありません。

特に、過活動膀胱になっても、切迫性尿失禁のような我慢できずに尿をもらすまでは至らないケースもあります。

 

過活動膀胱の仕組み

過活動膀胱になると、急な尿意におそわれることが多いです。どうして急に強い尿意を感じるようになるのでしょうか?

通常、膀胱は500ml程度の容量があるため、約300ml尿が溜まると尿意を感じやすいです。

しかし、過活動膀胱になると、尿があまり溜まっていないにも関わらず、膀胱が勝手に縮んだり過敏な動きをし、急に我慢できない尿意が起こってしまうため、日中のトイレ回数の増加や夜間トイレで起きるようになります。

また、膀胱が縮んだり過敏な動きをしたりしていない場合でも、脳が「おしっこに行きたいな」と敏感に反応してしまう場合、急な尿意を感じる場合もあります。

過活動膀胱になる原因

過活動膀胱になる原因として、理由がわかっていないものもありますが、一般的に太っている方や糖尿病の方は過活動膀胱になりやすいといわれています。

他にも、脳や脊髄の病気の方は「おしっこに行きたい」と強く感じてしまいがちになるため、過活動膀胱になる方も多くいらっしゃいます。

また、前立腺肥大では、尿が出にくい状態が続くため膀胱が過敏に働くようになり、過活動膀胱につながりやすいです。

過活動膀胱になる主な原因
  • 太っている方
  • 糖尿病の方
  • 脳や脊髄の病気である認知症、脳卒中、パーキンソン病、多発性硬化症、アルツハイマー病などの方
  • 前立腺肥大症の方

 

20代、30代の若者に増え続ける過活動膀胱の原因

現在、20代・30代の過活動膀胱が増えています。

その理由として、トイレを我慢しすぎたり、尿意がないにもかかわらずトイレに行ったりする習慣がついてしまっているためだと考えます。

現代では、「おしっこを漏らすことは恥ずかしい」という意識がとても強いです。例えば、映画館に入る前や大切な会議の前はトイレに行くようにし、学校では授業中に尿意が出ても我慢し続けてしまうでしょう。

尿意を無視して活動することで、おしっこを溜められない膀胱になってしまい、過活動膀胱になっている方が多くなっているのかもしれません。

 

過活動膀胱の治療・訓練の仕方

過活動膀胱の治療は、大きく3種類あります。

  • 薬物療法
  • 生活習慣の改善
  • 膀胱訓練

薬物療法は、膀胱に多くの尿を溜められるように、お薬を使用する治療を行います。しかし、薬だけでは一時的に治ってもまた過活動膀胱になってしまう可能性もあるため、生活習慣の改善や膀胱訓練が必要になるでしょう。

生活習慣の改善・膀胱訓練(膀胱容量を増加させるための訓練)を行うことで、症状の軽減・改善につながります。

 

改善すべき生活習慣

生活習慣で改善すべきことは、コーヒーや紅茶などカフェインを摂りすぎないことです。

カフェインは尿量を増やすことで尿意を強めてしまうため、過活動膀胱を促進させてしまう可能性があります。摂りすぎないようにしましょう。

 

膀胱訓練の仕方

膀胱訓練とは、尿意が生じても我慢することで、排尿間隔を延ばす訓練です。

まずは、尿意を感じてから5分我慢しましょう。無理のない範囲で行ってください。

最初は徐々に時間を延ばせるといいですが、最終目標は1回ごとの排尿間隔を2~3時間にすることです。

 

過活動膀胱が良くなっているのか確認する方法

過活動膀胱になると、日中8回/日以上、夜間1回以上おしっこで起きるなど頻尿の症状が出るようになります。

過活動膀胱の治療として膀胱訓練を行っても、症状がどれだけ良くなっていくのかがわからなければ続かないものです。

過活動膀胱の症状である頻尿が改善しているか、自身でセルフチェックを行いながら訓練で治療ができているかを、排尿日記を付けて確認してみましょう。

排尿日記を付けるために必要なものは、排尿日記のテンプレート・計量カップ(缶やペットボトルでも可)・筆記用具だけです。

排尿日記のテンプレートはPDFデータで用意しているため、印刷して使えます。

排尿日記テンプレートPDFデータ

排尿日記のつけ方に関しては、「悩んでいる方は頻尿をセルフチェックしてみよう!手順や方法を医師が教えます」を参考にしてください。

まとめ

過活動膀胱について、症状・原因・治療方法をご紹介しました。トイレの悩みは本当に根深いですし、生活にも支障がでることがあります。

自分の身体がちょっとおかしいなと感じたら、まずは、泌尿器科への受診を検討してみてください。

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神楽岡泌尿器科では院長先生の無料メール相談もしていますので、セカンドオピニオンしたいなど身体でお困りごとがあればお気軽にご連絡ください。

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監修:医療法人 神楽岡泌尿器科院長 渋谷のプロフィール

1961年(昭和36年)

旭川生まれ

1980年(昭和55年)

道立旭川東高等学校 卒業

1988年(昭和63年)

札幌医科大学 卒業

手術件数・診療実績

神楽岡泌尿器科では、「排尿に関してのかかりつけ医になりたい」という思いで日々診療に努めており、早期発見・早期治療ができるよう、患者本位で気軽に緊張せず受診していただける病院づくりに励んでいます。

当院を映像でもご覧いただけるため、雰囲気を知りたいという方はぜひご覧ください。

出版年数

著書・メディア掲載

2014年 5月15日

「気持ちいいオシッコ」のすすめ

2016年 5月10日

2016最新版 現代の赤ひげ 医療最前線の名医9人

2016年 10/27号

週刊新潮 

知っておきたいオシッコの話<腹圧性尿失禁>

治療法を知りたいあなたに

医療的対応には、病気によって運動療法、薬物療法、手術療法があります。その症状に応じて対応は異なってきます。排尿障害の種類および程度によって、全ての治療法が最善のものとなりうることを知っておいて下さい。対応が遅れると、膀胱機能の異常が進行し、その治癒に時間がかかるようになるので、早めに医師に相談しましょう。

尿失禁の種類:腹圧性尿失禁(診断名:真性腹圧性尿失禁)の治療法

①基本は前回ご紹介した骨盤底筋群体操です。

②この体操を継続して行い、3ヵ月後に効果が認められない場合。
a)もう一度骨盤底筋群の確認をして下さい。
b)専門医にご相談下さい。
c)過活動膀胱による切迫性尿失禁を合併している場合(混合性尿失禁)は尿失禁治療薬の内服が有効です。
d)内因性括約筋不全によるタイプの場合は専門医にご相談下さい。

用具類による対応策

●体操の効果が現れるまで、外出や運動の時には、軽失禁用ショーツや失禁量に応じたパッド、防水パンツ・メッシュパンツを着用すると安心です。

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知っておきたいオシッコの話<切迫性尿失禁>

治療法を知りたいあなたに

医療的対応には、病気によって運動療法、薬物療法、手術療法があります。その症状に応じて対応は異なってきます。排尿障害の種類および程度によって、全ての治療法が最善のものとなりうることを知っておいて下さい。対応が遅れると、膀胱機能の異常が進行し、その治癒に時間がかかるようになるので、早めに医師に相談しましょう。

尿失禁の種類:切迫性尿失禁(診断名:過活動膀胱ほか)の治療法

①尿失禁治療薬(抗コリン剤)の内服が有効です。副作用として、口渇、便秘がありますが、重篤なものではありません。

②前立腺肥大症などを合併する時は、その治療を優先します。尿失禁治療薬だけでは排尿困難をひどくさせる危険性があります。

※脳や脊髄などの障害がなくて(手足のマヒなどがなくて)も切迫性尿失禁を認めることがあります。この過活動膀胱は、加齢、腹圧性尿失禁、前立腺肥大症を合併します。また、神経因性過活動膀胱の約20%に、膀胱と尿道のバランスがくずれて排尿困難を認める排尿筋・括約筋協調不全を合併することに注意して下さい。なお、排尿しやすい姿勢としては、あえて座位での排尿をお勧めすることがあります。いきみをかけない排尿が理想的です。

用具類による対応策

●最近は少量の漏れに対応する失禁パッドや男性のちょい漏れ(終末時滴下)に対するものも出てきています。

●トイレに間に合わず比較的多量に勢いよくもれてしまう場合は、排尿量を許容できる吸水量の紙おむつを選択して下さい。

●横もれする場合は、紙おむつの立体ギャザーを活かしてソケイ部に沿わせ、尿溜りをつくるあて方を工夫しましょう。

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①立体ギャザーをまっすぐに立てる。
②パッドを重ね使用する場合は、立体ギャザー内に収まるサイズにする。

●おむつカバーはソケイ部にぴったり沿うもので、からだにマヒがあっても自分で着脱しやすいものを選びましょう。

知っておきたいオシッコの話<おもらしの種類>

前向きな生活への発想転換

老化に伴って起こりやすい排尿障害があります。
例えば、間に合わなくておもらしをする、夜中に何回もオシッコに起きる、
トイレに立ってもなかなか出にくくて困ってしまう、などの経験をお持ちの方も多いと思います。

もう年だから、恥ずかしいからとあきらめてはいませんか?
でも、ちょっと待って下さい。
自分のからだの状態や日常生活の過ごし方を見直して、正しい対応策をとれば、元気にいきいきと暮らしていくことができます。

ここでは、高齢者によくみられるオシッコの問題に対して、考え方のちがいによって生活状況が大きく左右されることについてみていきましょう。

上手に解決できなかった人の話②

Tさんは62歳の男性です。糖尿病を長く患っています。最近、排尿に時間がかかるようになってきたのですが、年のせいで仕方ないだろうと思い、気にしていませんでした。

ところが、出にくいばかりでなく、だんだん回数も多くなってきたことに気づきました。トイレから出てきてもまたすぐに行きたくなるので、わずらわしくて仕方ありません。そのうちもらしてしまいそうな気がして、仕事にも集中できず、落ち込みがちで、家族も心配しています。

おもらしの種類

160209_3「おもらし」といっても、いろいろな種類があります。ちょうど「目」の場合の、近視や遠視、乱視や、老化とともに起こる老眼と同じようなものです。その上に、男性・女性特有のからだの構造に関連したおもらしもあります。

ここでは、そんなおもらしの種類と、その特徴や症状などについてわかりやすくまとめてみました。

切迫性尿失禁(せっぱくせいにょうしっきん)

● 特徴・症状 ●
急に我慢できないような強い尿意があり、トイレに間に合わない状態。頻尿を伴うことが多い。

膀胱の状態尿道の状態膀胱と尿道の状態
興奮(収縮する)普通160209_4

● 原因 ●
脳卒中後遺症、脊髄損傷、加齢などによる過活動膀胱

腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)

● 特徴・症状 ●
尿意に関係なく、力んだ時(咳、クシャミ、スポーツ)にもれる状態。

膀胱の状態尿道の状態膀胱と尿道の状態
普通にぶい160209_5

● 原因 ●
出産、肥満、加齢などによる真性腹圧性尿失禁

溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)①

● 特徴・症状 ●
膀胱の中に尿が満杯になっても出ないため、尿道より溢れ出てしまう状態。ひどい頻尿として自覚することが多い。尿意の低下が特徴

膀胱の状態尿道の状態膀胱と尿道の状態
力がない普通160209_6

● 原因 ●
糖尿病、子宮癌術後などによる低活動膀胱

※「溢流性尿失禁」は2002年の国際禁制学会で定められた用語基準では推奨されていない用語ですが、日本では使用されることがあります。

溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)②

● 特徴・症状 ●
膀胱の中に尿が満杯になっても出ないため、尿道より溢れ出てしまう状態。ひどい頻尿として自覚することが多い。排尿困難が進んだ状態

膀胱の状態尿道の状態膀胱と尿道の状態
普通興奮する

● 原因 ●
前立腺肥大症など

※「溢流性尿失禁」は2002年の国際禁制学会で定められた用語基準では推奨されていない用語ですが、日本では使用されることがあります。

全尿失禁(ぜんにょうしっきん)①

● 特徴・症状 ●
膀胱に尿がたまらないでダラダラもれる状態。膀胱が萎縮した状態

膀胱の状態尿道の状態膀胱と尿道の状態
融通がきかない普通

● 原因 ●
脊髄損傷、子宮癌治療後で萎縮した状態、カテーテルの長期留置

全尿失禁(ぜんにょうしっきん)②

● 特徴・症状 ●
膀胱に尿がたまらないでダラダラもれる状態。尿道括約筋が働かない状態

膀胱の状態尿道の状態膀胱と尿道の状態
普通力がない

● 原因 ●
脊髄損傷、子宮癌治療後で萎縮した状態、カテーテルの長期留置、二分脊椎、尿道の術後などの内因性括約筋機能不全

機能性尿失禁(きのうせいにょうしっきん)

● 特徴・症状 ●
膀胱や尿道の障害はないが、身体機能に障害があり、トイレへの移動や下着の着脱ができないために失敗してしまう。

膀胱の状態尿道の状態膀胱と尿道の状態
普通普通

● 原因 ●
老化や脳卒中後遺症などにより、移動能力や日常生活動作に支障をきたした人

排尿困難について
おもらしとは別に、オシッコが出にくい状態のことを「排尿困難」といいます。出始めまでに時間がかかる、尿に勢いがないなどの症状がある場合は「排尿困難」の可能性があります。

尿失禁について詳しくはコチラをご覧ください

知っておきたいオシッコの話<過活動膀胱>

前向きな生活への発想転換

老化に伴って起こりやすい排尿障害があります。
例えば、間に合わなくておもらしをする、夜中に何回もオシッコに起きる、
トイレに立ってもなかなか出にくくて困ってしまう、などの経験をお持ちの方も多いと思います。

もう年だから、恥ずかしいからとあきらめてはいませんか?
でも、ちょっと待って下さい。
自分のからだの状態や日常生活の過ごし方を見直して、正しい対応策をとれば、元気にいきいきと暮らしていくことができます。

ここでは、高齢者によくみられるオシッコの問題に対して、考え方のちがいによって生活状況が大きく左右されることについてみていきましょう。

上手に解決できた人の話①

160119_1Kさんは54歳の女性です。家で料理や洗い物をしているときに突然オシッコがもれそうになり、あわててトイレに駆け込むことが多くなってきました。そのうちトイレまで間に合わなくなるのではないかと心配になり、かかりつけの病院に相談してみました。

問診と簡単な検査で、「過活動膀胱」と診断され、よくある病気であることも知りました。

薬を飲み始めて症状が軽くなり、今では家族のために料理をしたり、友達と旅行に行ったり、充実した生活を送っています。

過活動膀胱の自己チェック表 PARTⅠ

(過活動膀胱スクリーニング質問票)
Screening Questionnaire for Overactive Bladder (SQOAB)

以下のような症状がありますか?

□ 尿をする回数が多い

□ 急に尿がしたくなって、我慢が難しいことがある

□ 我慢できずに尿をもらすことがある

160119_2

※これを「尿意切迫感」といい、長く排尿を我慢したときに感じる強い尿意とは異なります。

日本排尿機能学会 過活動膀胱ガイドライン作成委員会編:“2.診療ガイドライン 1.診断”過活動膀胱診療ガイドライン 第1版 ブラックウェルパブリッシング株式会社:24,2005[L20060119030]

過活動膀胱の自己チェック表 PARTⅡ

(過活動膀胱症状質問票)
Overactive Bladder Symptom Score (OABSS)

以下のような症状がどれくらいの頻度でありましたか?
この1週間のあなたの状態にもっとも近いものをひとつだけ選んで下さい。

160119_3

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日本排尿機能学会 過活動膀胱ガイドライン作成委員会編:“2.診療ガイドライン 1.診断”過活動膀胱診療ガイドライン 第1版 ブラックウェルパブリッシング株式会社:24,2005[L20060119030]

過活動膀胱の治療と予防についてはコチラをご覧ください

中高年男性の尿トラブルの症状と治療について 1/4

・トイレが近くなった
・排尿に時間がかかる

など尿に関するトラブルは男性の場合、50歳を過ぎたころから増えてきます。

尿トラブルの原因は「前立腺肥大症」がよく知られていますが、前立腺肥大症に伴って起こることの多い「過活動膀胱」も近年問題視されています。

中高年男性の尿トラブルの原因となる「前立腺肥大症」と「過活動膀胱」の症状や治療について4回にわたってご紹介いたします。
1回目の今回は前立腺肥大症についてご紹介いたします。

中高年男性の尿トラブルの症状と治療について

前立腺肥大症について

前立腺は膀胱の出口に近い場所に、尿道を取り囲むようにしてある男性特有の生殖器官で、排尿や射精をコントロールする働きをしています。

前立腺肥大症はこれまで、その名のとおり、前立腺が肥大し、尿道を物理的に圧迫することによって起きる病気と考えられてきました。
しかし近年では、前立腺の大きさと症状が必ずしも一致するとは限らないということがわかっています。

前立腺がそれほど肥大していないのに強い症状が現れている場合もあれば、前立腺がかなり肥大しているのに何の症状も感じないという場合もあるのです。

そのため、前立腺の大きさにかかわらず症状があれば、前立腺肥大症と診断され、治療が行われるようになっています。

中高年男性の尿トラブル 前立腺肥大症

気になる症状は医師に相談を!

「前立腺肥大症」は、きちんと治療すれば通常通りの生活を送れるようになります!気になる症状がある場合は、まずは泌尿器科医師にご相談ください。

当院では院長による無料メール相談を行っております。

早期の治療こそが、スムーズな回復へと繋がります。
病院に行く時間がなかなかとれない方もまずは一度ご相談ください。

院長直通無料メール相談

過活動膀胱以外にも尿のトラブルを引き起こす病気があります

女性の尿のトラブルを引き起こす過活動膀胱について、ここまで7回にわたってご紹介してきました。下記はその一覧です。

  1. 1. トイレが近い原因は過活動膀胱の可能性があります
  2. 2. トイレが近い原因となる「過活動膀胱」の症状
  3. 3. 10人に1人が「トイレが近い」症状を経験しています
  4. 4. 過活動膀胱は膀胱の異常な働きによって起こる病気です
  5. 5. 泌尿器科では病状を知るために問診・検査が行われます
  6. 6. 過活動膀胱に対する主な治療法
  7. 7. 自宅で簡単にできる! 「トイレが近い」過活動膀胱の治療方法

過活動膀胱は「トイレが近い」「尿をもらしてしまった」などのトラブルの原因となる病気です。しかし、このような尿のトラブルの原因は過活動膀胱以外にもあります。今回は、過活動膀胱以外に尿のトラブルを引き起こす病気をご紹介します。

過活動膀胱以外の尿のトラブルの原因

「トイレが近い」「尿をもらしてしまった」など、過活動膀胱と似た尿のトラブルを起こす病気として、腹圧性尿失禁や感染症、子宮の病気、がんなどがあります。

これらの病気の症状や原因について、簡単にご紹介します。

1. 腹圧性尿失禁

尿道などを支えている骨盤低筋などの働きが弱くなることで尿道をうまく締められなくなり、尿もれを起こす病気です。過活動膀胱と腹圧性尿失禁の両方の症状が見られる方もいます。

腹圧性尿失禁の症状

次のような強い腹圧がかかるような動作をした時、尿がもれてしまいます。

  • ・咳をする、くしゃみをする、笑う
  • ・走る、テニスやゴルフなどのスポーツをする
  • ・重い物を持ち上げる
  • ・坂道や階段を昇り降りする

腹圧性尿失禁

腹圧性尿失禁の患者さんの数

40歳以上の女性の8人に1人が、腹圧性尿失禁の症状を経験しています。とくに、出産を経験した女性に多くみられます。

腹圧性尿失禁の原因

お腹に強い力(腹圧)がかかった場合、「骨盤低筋」という筋肉が膀胱と尿道を支えることで、尿道が締まり、尿がもれるのを防いでいます。

腹圧性尿失禁では、この骨盤低筋が弱くなったり傷んだりすることによって、尿道をうまく締められなくなり、尿もれを起こします。

加齢や出産、女性ホルモンの低下が関係しています。

腹圧性尿失禁 原因

腹圧性尿失禁の治療

腹圧性尿失禁の治療方法はいくつかあります。

まずは、薬による治療です。尿道を締める働きがある薬(ベータ刺激薬)などを用います。

そして、手術などによる治療です。手術をして尿道をつりあげる方法(尿道スリング手術)や、コラーゲンを注入して尿道の筋肉を強くする方法などがあります。

2. 感染症(膀胱炎や尿道炎など)

尿道から細菌が入って炎症が起こる病気です。頻尿や尿意切迫感の他に、発熱や排尿痛などがみられます。

感染症(膀胱炎や尿道炎など)

3. 子宮内膜症

子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所にできる病気です。排尿の他に、下腹部痛や排尿痛などが起こります。

4. 心因性の頻尿(神経性頻尿)

精神的な問題が原因で、頻尿や尿意切迫感が起こる場合があります。「トイレのことを心配すると尿意を感じる」、「緊張した時にトイレに行きたくなる」というのは、その一つの例です。

5. 膀胱結石

膀胱内に結石(尿の中のカルシウムやシュウ酸などが固まったもの)ができる病気です。頻尿の他に、血尿や排尿痛が出ることがあります。

6. 膀胱がん

膀胱にできるがんです。痛みを伴わない血尿、頻尿、排尿時の痛み、残尿感などがみられます。

尿のトラブルの原因を突き止めるために病院で検査を受けましょう

尿のトラブルを起こす病気として、過活動膀胱以外にもさまざまなものがあることをご紹介してきました。同じような症状でも、見た目だけではどのような病気かは分からないというのはおわかりいただけたでしょうか。

尿のトラブル・悩みを解決するためには、その原因を特定することが大切です。原因特定のためには、泌尿器科を受診し検査をしていただくことが必要不可欠となります。

「トイレが近い」「尿をもらしてしまった」などの悩み・トラブルをお持ちの方は泌尿器科にお気軽にご相談ください。