
前立腺肥大症と診断された方や、尿が出にくい・トイレが近い・夜中に何度も起きるといった症状がある方の中には、「日常生活で何を避ければいいのか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
前立腺肥大症は、前立腺が大きくなることで尿道が圧迫され、排尿しにくくなる病気です。薬や手術による治療が必要になることもありますが、日常生活の工夫によって症状の悪化を防ぎやすくなる場合もあります。
この記事では、前立腺肥大症になったらやってはいけないこと、今日からできる対策、受診を検討したい症状の目安について解説します。
前立腺肥大症になったら控えた方がいいこと|日常生活で避けたい8つの行動
前立腺肥大症の方は、次のような行動に注意が必要です。
- 尿を長時間我慢する
- アルコールを飲みすぎる
- コーヒー・緑茶などカフェインを摂りすぎる
- 香辛料など刺激物を摂りすぎる
- 体を冷やす
- 長時間座りっぱなしで過ごす
- 便秘を放置する
- 市販薬を自己判断で服用する
すべてを一度に制限する必要はありません。まずは、症状が悪化しやすい行動を知り、できる範囲で生活を整えていくことが大切です。
尿が出にくい、残尿感が強い、夜間頻尿が増えてきたなどの症状がある方は、生活習慣の見直しだけで様子を見るのではなく、泌尿器科への相談も検討しましょう。
関連記事
前立腺肥大で見られる症状
排尿排便を長時間我慢する
前立腺肥大症の方は、おトイレを長時間我慢しないようにしましょう。
前立腺が肥大すると、尿道が圧迫されて尿が出にくくなります。その状態で尿を我慢し続けると、膀胱に負担がかかり、排尿のしづらさや残尿感が強くなる可能性があります。
外出時や仕事中でも、トイレに行けるタイミングをあらかじめ決めておくと安心です。
アルコールを飲みすぎる
アルコールの飲みすぎも、前立腺肥大症の症状を悪化させる原因になります。
アルコールには利尿作用があり、尿の量が増えやすくなります。また、膀胱が刺激されることで、頻尿や夜間頻尿につながることもあります。
特に、寝る前の飲酒は夜中にトイレで起きる回数を増やす原因になりやすいため注意が必要です。飲酒する場合は量を控えめにし、夜遅い時間の飲酒は避けるようにしましょう。
コーヒー・緑茶などカフェインを摂りすぎる
コーヒー、緑茶、紅茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインも、頻尿が気になる方は摂りすぎに注意しましょう。
カフェインには利尿作用があり、尿の回数が増えやすくなります。また、膀胱を刺激して、急にトイレに行きたくなる感覚が強くなることもあります。
完全にやめる必要はありませんが、夕方以降はカフェインを控える、飲む量を減らす、ノンカフェイン飲料に置き換えるなど、無理のない範囲で調整してみましょう。
関連記事
前立腺肥大症を予防するための水分摂取とは?正しい水分の摂り方を泌尿器科が解説
辛い食品など刺激物を摂りすぎる
辛い食品・香辛料などの刺激物を摂りすぎると、膀胱が刺激され、頻尿や尿意切迫感が強くなる場合があります。
毎日の食事で刺激物を少し控えるだけでも、排尿の不快感が軽くなる可能性があるため、症状が気になる時期は避けるのがおすすめです。
体を冷やす
体の冷えも、前立腺肥大症の症状を悪化させる要因になります。
体が冷えると血流が悪くなり、膀胱が刺激されやすくなります。また、抹消血管の収縮〜腎臓の血行が増えることで尿量が増え、トイレが近くなる、夜間頻尿が増えるなどの症状につながることがあります。
冬場はもちろん、夏場の冷房にも注意が必要です。下半身を冷やさないようにする、入浴で体を温める、寒い日は腹巻きや厚手の靴下を使うなど、体を冷やさない工夫をしましょう。
長時間座りっぱなしで過ごす
デスクワークや長距離運転などで長時間座りっぱなしになることも、尿閉の誘因につながる可能性があります。
座っている時間が長い方は、1時間に1回程度は立ち上がる、軽く歩く、ストレッチをするなど、こまめに体を動かしましょう。トイレに行く、コピーを取りに行くなどでもよろしいでしょう。
激しい運動をする必要はありません。ウォーキングや軽い体操など、無理なく続けられる運動を日常に取り入れることが大切です。
便秘を放置する
便秘を放置することも、前立腺肥大症の方にとっては避けたい行動です。
便がたまると、直腸が膀胱や尿道の近くを圧迫し、排尿しづらさや残尿感につながることがあります。特に、強くいきむ習慣がある方は注意が必要です。
水分を適度にとる、食物繊維を含む食品を取り入れる、軽く体を動かすなど、便秘を防ぐ生活を心がけましょう。腸活に気を配り、腸内環境を整えることも大事です。便秘が続く場合は、自己判断で放置せず医療機関に相談することも大切です。
市販薬を自己判断で服用する
前立腺肥大症の方は、市販薬を自己判断で服用する際にも注意が必要です。
風邪薬、鼻炎薬、睡眠改善薬などの一部には、尿が出にくくなる作用を持つ成分が含まれていることがあります。前立腺肥大症の症状がある方が服用すると、排尿困難が強くなる場合があります。
市販薬を使うときは、薬剤師に「前立腺肥大症がある」「尿が出にくい症状がある」と伝えて相談しましょう。すでに泌尿器科で治療中の方は、主治医に確認してから服用するのが安心です。
関連記事
前立腺肥大症の治療で使われる薬とその効果について解説【神楽岡泌尿器科】
前立腺肥大症の治療は生活改善だけでよい?
前立腺肥大症は、症状の程度によって治療方法が異なります。軽い症状であれば生活習慣の見直しで様子を見ることもありますが、排尿しづらさや頻尿が強い場合は、薬物療法が必要になることがあります。
薬物療法では、尿道や前立腺周辺の筋肉をゆるめて尿を出しやすくする薬などが使われます。前立腺の大きさや症状によって、複数の薬を組み合わせることもあります。
また、薬を使っても症状が十分に改善しない場合や、尿閉を繰り返す場合などは、手術が検討されることもあります。
関連記事
前立腺肥大の手術について種類・適用レベル・術後の治療を詳しく解説
前立腺肥大症の症状が悪化したときの受診目安
次のような症状がある場合は、日常生活の工夫だけで様子を見るのではなく、泌尿器科への相談を検討してください。
- 急に尿が出なくなった
- 尿が出るまでに時間がかかる
- 尿の勢いが明らかに弱くなった
- 排尿後も強い残尿感がある
- 夜中に何度もトイレに起き、睡眠に支障が出ている
- 血尿が出た
- 下腹部の張りや痛みがある
- 発熱や痛みを伴う
特に、急に尿が出なくなる状態は「尿閉」と呼ばれ、早急な対応が必要になることがあります。自己判断で様子を見続けず、医療機関へ相談してください。
神楽岡泌尿器科では、受診を迷っている方に向けて、院長直通の無料メール相談を行っています。
「症状はあるけれど、受診した方がよいかわからない」
「前立腺肥大症かもしれないが、どの段階で相談すべきかわからない」
このような方は、お気軽にご相談ください。
関連記事
前立腺肥大の検査って何をするの?不安を解消するために知っておこう
まとめ|前立腺肥大症は「何を避けるか」を知ることが大切です
前立腺肥大症になったら、尿を我慢する、アルコールやカフェインを摂りすぎる、体を冷やす、便秘を放置する、市販薬を自己判断で服用するなどの行動に注意が必要です。
生活習慣を整えることで、頻尿や排尿しづらさを軽くできる可能性があります。ただし、症状が続く場合や悪化している場合は、生活改善だけで解決しようとせず、泌尿器科で相談しましょう。
神楽岡泌尿器科では、前立腺肥大症の検査・治療に対応しています。尿が出にくい、トイレが近い、夜中に何度も起きる、残尿感があるなどの症状でお悩みの方は、お電話または院長直通無料メール相談よりお気軽にご相談ください。

【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など



