
「前立腺肥大症の薬を飲み続けているけれど、一向に良くならない」
「タムスロシンを長期間服用しても大丈夫なのだろうか」
「薬を飲み続ければ、前立腺肥大症は治るのだろうか」
転院で来られる患者さんの中にも、このような不安を抱えている方は少なくありません。
前立腺肥大症の薬は、尿が出にくい、トイレが近い、残尿感があるといった症状の改善を目的として使用されます。ただし、薬によって完治することはありません。
現在の症状や薬の効果を確認し、治療を続けるか、別の方法を検討するかを医師と相談することが大切です。
今回は、前立腺肥大症の薬を飲み続けるとどうなるのか、タムスロシンの役割や長期服用の考え方、治療を見直す目安について、神楽岡泌尿器科が解説します。
▼前立腺肥大症の薬を飲み続けてよいか不安な方へ
薬を飲んでいても症状が改善しない場合や、副作用が気になる場合は、現在の症状と治療内容を一度確認しましょう。自己判断で中止せず、処方を受けている医療機関や泌尿器科へご相談ください。
前立腺肥大症は薬を飲み続けると治るのか?
前立腺肥大症は、肥大した前立腺が尿道を圧迫するなどして、尿の流れが悪くなる病気です。
病院で処方される薬には、尿を出しやすくするものや、前立腺を小さくする作用を持つものがあります。薬によって症状が改善し、生活しやすくなることはありますが、薬を飲み続ければ必ず前立腺肥大症が完治するわけではありません。
また、薬を中止すると症状が戻る場合もあります。そのため、「長く飲んでいるから、もうやめてもよいだろう」と自己判断するのは避けてください。
薬を続けるかどうかは、現在の症状、前立腺の大きさ、残尿の状態、副作用などを踏まえて医師が判断します。
前立腺肥大症の症状や治療の全体像については、以下のページもご覧ください。
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前立腺肥大症で薬が有効に働くとき

前立腺肥大症において薬が有効に働きやすいのは、症状が比較的軽く、薬によって排尿状態の改善が期待できる場合です。
前立腺肥大症に使われる薬には、主に次のような種類があります。
- 前立腺や尿道の筋肉を緩め、尿を出しやすくする薬
- 前立腺を小さくする作用を持つ薬
- 症状を和らげる漢方薬や植物エキス製剤
どの薬を使うかは、患者さんの症状や前立腺の状態によって異なります。
薬の種類や効果について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
タムスロシンやシロドシンを飲み続けるとどうなる?
タムスロシンやシロドシンは 「α1受容体遮断薬」に分類される薬です。
前立腺や尿道周辺の筋肉の自律神経による緊張を緩めることで、尿を出しやすくします。尿の勢いが弱い、尿が出るまでに時間がかかる、残尿感があるといった症状の改善が期待できます。
ただし、タムスロシンは肥大した前立腺そのものを小さくする薬ではありません。飲み続けることで排尿症状が安定する場合はありますが、前立腺肥大症が完治するわけではありません。
タムスロシンをいつまで飲むかは、服用期間だけで一律に決まるものではありません。薬によって症状が改善しているか、副作用がないか、前立腺肥大症が進行していないかを確認しながら、医師と相談して判断します。
薬を飲み始めてから、めまい、ふらつき、立ちくらみなどの気になる変化がある場合は、処方を受けた医療機関へご相談ください。
前立腺肥大症で薬が有効に働かないとき
薬を正しく服用していても、症状が十分に改善しないことがあります。
たとえば、前立腺肥大が進行して尿道の圧迫が強くなっている場合は、薬だけでは十分な効果が得られない可能性があります。
また、尿の出にくさや頻尿、残尿感があっても、原因が前立腺肥大症とは限りません。膀胱の機能低下、過活動膀胱、尿道の狭窄、炎症など、別の病気や身体の状態が関係していることもあります。
特に前立腺周辺に痛みがある場合は注意が必要です。通常、前立腺肥大症だけで強い痛みが生じることは多くありません。細菌による炎症など、別の病気が隠れている可能性があるため、検査によって原因を確認します。
薬が効かないと感じたときは、薬を自己判断で増減・中止するのではなく、まず次の点を確認することが大切です。
- 症状の原因は本当に前立腺肥大症なのか
- 薬を正しい方法で服用できているか
- 現在の薬が症状に合っているか
- 前立腺肥大が進行していないか
- 膀胱に尿が多く残っていないか
- 別の病気を併発していないか
必要に応じて、尿検査、超音波検査、尿の勢いを測る検査などを行い、現在の状態に合った治療方法を検討します。
前立腺肥大症の薬を続けるべきか見直す目安
前立腺肥大症の薬を服用している場合、症状が安定していれば、医師の指示に従って治療を継続します。
一方、次のような変化がある場合は、薬の効果や治療方針を見直すために、泌尿器科を再受診することをおすすめします。
薬を飲んでも症状が改善しない
薬を一定期間服用しても、尿の勢い、頻尿、残尿感などがほとんど変わらない場合は、薬が現在の状態に合っていない可能性があります。
薬の変更や追加が適している場合もあれば、薬以外の治療が必要な場合もあります。
症状が以前より悪化している
服用を続けているにもかかわらず、尿の勢いがさらに弱くなった、排尿に時間がかかるようになったなどの変化がある場合は、前立腺肥大症が進行している可能性があります。
残尿感が強くなった
排尿後も尿が残っている感覚が強い場合や、実際に膀胱内へ尿が多く残っている場合は、膀胱や腎臓に負担がかかることがあります。
残尿の程度は自覚症状だけでは判断しにくいため、超音波検査などで確認することが大切です。
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夜間頻尿が続いている
夜間頻尿は前立腺肥大症だけでなく、過活動膀胱、夜間の尿量増加、睡眠の問題など、複数の原因によって起こります。薬を飲んでいても改善しない場合は、原因を改めて確認しましょう。
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薬の副作用が気になる
めまい、ふらつき、立ちくらみ、血圧の低下など、薬を飲み始めてから気になる症状が現れた場合は、医師や薬剤師へご相談ください。
副作用が疑われる場合でも、自己判断で服用を中止すると排尿症状が悪化する可能性があります。服用を続けるか、薬を変更するかは、医師と相談して決めましょう。
また、尿がまったく出ない、下腹部が張って強く痛む、血尿が出る、発熱を伴うといった症状がある場合は、早めの受診が必要です。
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前立腺肥大症の薬を飲み続けても治らない場合の解決方法
薬を飲み続けても十分な改善が得られない場合は、すぐに手術を決めるのではなく、まず現在の症状と排尿状態を詳しく確認します。
治療方法を検討するうえでは、前立腺の大きさだけでなく、尿の勢い、残尿量、膀胱の状態、生活への支障なども重要な判断材料になります。
薬の種類や組み合わせを見直す
前立腺肥大症の薬には、それぞれ異なる役割があります。
現在の薬で効果が不十分な場合は、前立腺の大きさや症状に応じて薬を変更したり、別の作用を持つ薬を組み合わせたりすることがあります。
ただし、薬の追加や変更は、副作用やほかの薬との飲み合わせも考慮して行う必要があります。
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排尿習慣や生活習慣を確認する
神楽岡泌尿器科では、手術を判断する前に、患者さんの排尿習慣を確認しています。
排尿するときに強くいきんだり、尿が十分にたまっていない状態で何度もトイレへ行ったりする習慣が、排尿状態に影響していることがあるためです。
適度に水分をとり、膀胱に尿をためてから、いきまずリラックスして排尿する習慣を身につけることで、症状の改善が期待できる場合もあります。
水分を極端に控えると、脱水や尿路感染などにつながることがあります。反対に、一度に多量の水分をとると頻尿が悪化する可能性があるため、症状に合わせて適切なとり方を考えることが大切です。
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必要に応じて手術を検討する
薬の効果が十分に得られず、日常生活への支障が大きい場合や、残尿が多い場合、尿が出なくなる閉尿を繰り返す場合などは、手術が選択肢になります。
前立腺肥大症の手術には複数の方法があり、前立腺の大きさや身体の状態に合わせて選択します。
神楽岡泌尿器科では、ホルミウムレーザーを用いて肥大した前立腺組織を取り除く「HoLEP(ホーレップ)」による日帰り手術を行っています。
ただし、薬で改善しないからといって、すべての方に手術が必要なわけではありません。検査や問診を行い、薬の見直し、排尿習慣の改善、手術などから、患者さんにとって負担の少ない方法を検討します。
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▼薬で改善しない場合の治療について
薬を飲み続けても症状が改善しない場合は、現在の排尿状態を確認したうえで、薬の変更や手術を含めた治療方法を検討します。
まとめ
前立腺肥大症の薬は、尿が出にくい、頻尿、残尿感といった症状を改善するために使用されます。
タムスロシンは、前立腺や尿道周辺の筋肉の緊張を緩め、尿を出しやすくする薬です。前立腺そのものを小さくする薬ではないため、長期間飲み続けても前立腺肥大症が完治するとは限りません。
ただし、薬を長期間服用していることだけを理由に、自己判断で中止するのは避けてください。症状が安定しているか、副作用が出ていないかを確認しながら、医師の指示に従って服用することが大切です。
薬を飲んでいても症状が悪化している、残尿感が強い、夜間頻尿が続いている、副作用が気になるといった場合は、治療内容を見直す目安です。
神楽岡泌尿器科では、薬の見直しだけでなく、排尿習慣の確認や検査を行い、必要に応じてHoLEPによる日帰り手術もご提案しています。
現在の治療を続けてよいか不安な方や、薬を飲んでも症状が改善しない方は、お気軽にご相談ください。
薬の効果や服用について相談したい方
現在服用している薬や症状について、院長直通のメールでご相談いただけます。
薬以外の治療方法を知りたい方
前立腺肥大症の症状が強い場合や、薬で十分な効果が得られない場合の治療方法をご紹介しています。

【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など



